太平洋側のチカメキントキに驚かされる

こんにちは、夢海です🐟️

 

7月上旬。魚種が増えた6月から落ち着き、種類はあるけど数が少なく、夏枯れかな?と思わせる入荷状況の中で目ぼしいものを頑張って探していた。

ウメイロ、メイチダイ、新子などの梅雨の魚も見慣れたところに夏のものが混じりだす。

それだけで色が増えて見るだけで楽しい時期である。

 

チカメキントキの特徴

そんな中見つけたのは、茨城県波崎で揚がったチカメキントキであった。

 

恐らくは旋網もの、茨城県側の利根川の河口に位置する産地で、前浜で獲れたものであろう。

色箱でキツネメバルやらスズキやら、並だなと思えるようなものの中で文字通り光っていた。

もちろん光っているという意味には、光沢の話だけでなく厚みがあり質の良さも入っている。

 

ちなみに同時期、長崎は佐世保、山口の萩などからもチカメキントキが来ている。

が、それらと比べてもこの個体には見劣りしてしまう。

 

浜が近いので鮮度感もいい。

卸すと、時期ではないので小さいが肝も入っていた。

内臓脂肪も混じり、身の表面もツヤツヤしている。

 

さて、この奇抜な名前のチカメキントキだが、チカメは近眼で頭部が平たく両眼が近いことから来ていて、他のキントキダイ科は水産の世界では軒並み"キントキダイ"として扱われるのに対し、チカメキントキはチカメキントキで流通する。

総量は多くないが、キントキダイ科の中では温暖な海域に生息し、比較的都市部で身近な上にある程度まとまるからであろう。

本科の中で最も知名度のある種と言える。

 

 

チカメキントキの料理

チカメキントキの刺身

チカメキントキは半身を丸々使う。

背、腹上、腹下、焼霜と肝を用意した。

 

まずは手前の焼霜から。

 

部位で言うと背の下の方になる。

皮は硬いのでしっかりと炙る。

これが飛び上がる旨さであった。

 

身そのものは今ひとつ物足りない味なのだが、炙ることでこれを補う。

脂は腹回りになんとな〜く平たく集まるので、皮下を炙る時のバチバチという感触はない。

分かりやすい美味しさだけど、これが良い。

 

背の方も当然美味い。

背の身は柔らかく、ふわっとしている。

 

まだ新しいからか、もう少し寝かせると味がでてきそうでもある。

ほのかに香る酸味がワサビと合う。

これは塩で食べるのも大アリである。

 

さて、お楽しみの肝である。

 

軽く酒で血を洗い流す。これを背の身にのせて食べる。

本種はあっさり目な肝で、この少しの濃い味が味に変化をもたらす。

あまり大きくはなかったけど、それでも存分に旨さがある。

 

腹上はまたとんでもない事になっている。

 

本種のもつ元の身の硬さでコリッコリッという食感を愉しんでいると脂がじわじわっと染み出てくる。

エンガワのような甘味もあり、上品さもある。

ここまでうまいチカメキントキは初である。

 

チカメキントキのフライ

チカメキントキの半身は皮を引いてフライにする。

魚のフライは思いの外サクッと作れて、腹持ちもいいので最近重宝している。

チカメキントキは皮の味が強く、身は主張が弱いのだが、フライという調理方は味をかなり引き出してくれる。

 

筋肉の繊維が大きいので、ホロホロっとほぐれる。

キントキダイ科は淡々とした旨味だけど、この無垢な感じにはソースは何でも合う。

晩のおかずにもなるし、つまみにもなれる。

 

チカメキントキの煮付け

カマなどのあらを適当に切り煮付けにした。

 

頭は梨割りし、湯通しして鱗を取り除く。

本種の厄介な点といえばこの取りにくい鱗くらいだろうか。

 

細かいのがかなり頑固にくっついている。

それを頑張って落とせば美味しい煮付けが待っている。

高級な魚だけど、煮付けにするとホッとする味になる。

 

今回の個体は安かったのでこういう食べ方が正解なのかもしれない。

 

 

チカメキントキの評価

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・やや高値安定のもの。特に山陰から九州にかけての産地のものに値がつく。一方で太平洋側では数がまとまらない印象。

 

コスパ

・頭が大きいのでコスパはよくない。頭や骨も一緒につかうと良い。

 

珍しさ

・市場では普通。流通量は多くないので、見かけるが正箱になっていないようなものである。

 

・今回の個体は実に美味かった。過去一番と言っても過言ではない。大型のものよりも、太平洋側の中型のものの方が脂肪を蓄えている印象である。

 

今回は矢鱈に光っていたチカメキントキを食べた。

3年前、岩手大船渡の10cmほどと小さいけど脂が矢鱈にあったものを思い出した。

本種の入荷は主に九州や山陰からの荷が多いのだが、少なからずやって来る東北太平洋側のものを見ると、明らかに質が異なっている気がする。

旬の差異もあるのかも知れないが、太平洋側のもので外れたことが無いのである。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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