川に生息するヌマガレイを頂く【別名“川鰈“】

こんにちは!夢海です🐟️

 

突然ですが、左ヒラメ右カレイという言葉、皆さんはご存知でしょうか?

一般的にお腹を下にしたときに、ヒラメは左向き、カレイは右向きという法則があります。

 

では全部そうなのか?というと、

いましたいました。

 

素直に右を向かないカレイがいました。

そんな“ひねくれ者?“なカレイの謎に迫っていきたいと思います!

 

 

ヌマガレイの特徴

たまに右向きのヒラメが漁で獲れました!なんてニュースが出たりしますが、正真正銘これは左向きのカレイ。

 

3尾集めてみても、みな左を向いています。

 

しかし海外では右側を向いた個体も見られるらしく、反対を向いていたら激レア!という程でも無さそう。

そもそも一般に流通するような魚ではないので、ヒラメほど騒がれはしないでしょう。

 

一方で、この種類はイシガレイと交雑する事もあり、こちらは左右バラバラ。

イシガレイは元々右を向く種類で、ヌマガレイは左向き。どちらかの遺伝が優先される事で形質に現れてくるのでしょう。

こちらがオショロガレイと呼ばれるイシガレイ×ヌマガレイの個体。

 

イシガレイのような肩に並んだ石のような鱗と、後ほど紹介しますが、ヌマガレイの点在する円鱗のどちらもあります。

 

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今回は朝締めたものを購入。

丁寧に処理をされていてまだまだ身が活きています。

 

カレイはとにかく鮮度命。〆たものや活魚であれば尚よし。

今回は珍しさにひかれて買いましたが、状態としてもとてもよいものを購入出来ました。

 

このヌマガレイの特徴としてはまばらに散らばる鱗。

集合体が苦手な方は真っ先に鳥肌が立つかも知れません(笑)

 

普通の魚のように、密に重なり合い鱗があるのではなく完全に孤立して点在しています。

 

鰭はマツカワガレイのように黄金と黒の縞模様。

 

締めたばかりのものをよく水洗いして頂いたので、血が付かずとても綺麗です。

 

鰭の縁には細かい突起が。

 

今回は定番のカレイ料理を3品、作って行きたいと思います!

 

ヌマガレイの料理

ヌマガレイフライ

まずはザクザクの衣で仕立てたフライから。

 

カレイといえば揚げ物などの惣菜として登場することも多く、比較的安価な本種もまたその枠に当てはまります。

身がふっくらとふくらみ、

 

 

ヌマガレイの煮付け

続いては煮付け

一度湯引きをして鱗をはぎ落としてから煮付けました。

鱗1枚1枚がしっかりと張り付いており、生のままだとなかなか落とせません。

 

わざわざ湯引きをしてまで煮付けにする価値があるかというと、これといって特徴はない一般的なカレイだなぁ。という質素な感想だ片付けられてしまいます。

 

もちろん、おいしいのですが適材適所という言葉があるように、苦労して鱗を落とすくらいなら皮を引いて他の調理に使えばいいのでは無かろうか。なんて思ってしまいます。

 

甘めに煮付けたほうがカレイは美味いです。

甘い汁をたっぷり吸った身に濃厚な肝をのせ食べるのが実に美味い。

 

この時期は卵を抱える個体が多く、その分栄養がとられ、身が薄くなりやすいです。

今回はちょうどその塩梅がよく、身もふっくら、卵も堪能出来ました。

 

ヌマガレイの握り

調べているとどうも生食の評価の低い魚でした。

 

実際頂いてみるとなんとなくその理由が分かるような…。

〆たばかりで硬めの身をしているので薄めに切りつけてみました。食感はいいのですが、少し独特のにおいがあります。

「ヌメリは落としたから身の香りなんだろうな。」

実際、ヌメリのえぐ味は感じられず、どこか川魚のような香り。

私としては嫌いではありませんが、淡水魚の生食は人体に影響のある寄生虫がいてとにかく危険。

美味しくないという感想よりも、怖さが先行しました。

 

実際このヌマガレイの由来も「沼」から来ており、川を登り淡水でも生息が出来る魚。

さすがに川でわざわざヌマガレイを獲る漁なんてものはないと思うので海産だとは思いますが、川魚の風味が感じられました。

 

 

ヌマガレイの評価

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

価格

・カレイ類の中では非常に安い。安いためコストの掛かる活魚ではめったに見られず、活〆をしても安価。

 

コスパ

・カレイは小顔の為食べる部位が多い。

・骨からはダシが出、鰭はせんべいなどに。

 

珍しさ

・実はこれまでに一度しか出会ったことのない魚。個体数が少ないという訳では無さそうだが、安いためあまり持ってこないのだろう。

 

・無難に味は美味いカレイ。しかし他のカレイと遜色がない分、鱗を取る手間を考えると皮を引いて加熱向き。刺身は独特の香りがあり好みが分かれる。(※念のため川で獲れたヌマガレイは生で食べないで下さい。)

 

今回はヌマガレイという魚を食べてみました。

市場はまじめな魚(よく食べられるいわゆる大衆魚)ばかり置いている印象でしたが、通うようになってからはお店により個性があることを知ります。

百聞は一見にしかずという言葉は本当にあらゆるものに当てはまり、それまでの先入観や価値観というものをガラリと変え世界が広く見えます。

(魚に限ったことではありませんが)“違った見方“や“先入観を見直す“事の大切さを、私は魚を通して知りました。

 

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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