クラゲに住む珍魚ハナビラウオ

 

こんにちは!夢海です🐟️

 

今回は久しぶりの珍しい魚を食べる回、ということで、なかなかレアな子が手元にやってきてくれました!

 

それがこちら!

 

皆さんお分かりになるでしょうか?

それでは観察して食べてみましょう!

 

 

ハナビラウオの特徴

 

食用魚として流通するメダイによく似た見た目ですが、メダイと比べると目がやや小さい事がわかります。

今回の個体は小さく、25センチ、重さも150グラムほど。

 

表面はヌメリが殆どなく、ウロコも目立たない為すべすべしています。

 

そして身がとにかく柔らかい。

ふつうの魚でいうところのシラタなんじゃないかというほどの緩さ。

 

幼魚の頃はクラゲに住み着く事で知られる魚ですが、生態はあまり分かっておらず、当然食味レビューも稀です。

 

一緒に頂いたクロイシモチも食べてみようと思います。

 

“イシモチ“と付きますが、石持の呼び名でお馴染みシログチなどのニベ科とは別の仲間。

ネンブツダイなどのテンジクダイ科のイシモチになります。

もう少し大きければお刺身にもしてみたかったところですが、この小ささでは試食にもなりません。

ということで丸ごと唐揚げかなぁ。

 

半身に卸してみました。

 

これをよく捌けたな…と、自分を褒めてやりたいほどの難易度。

身に骨がとてつもなく柔らかく、気を抜くと骨を貫通し反対側の身を傷つけてしまいそうです。

 

そして水分が多い。

水分というよりもヌメリのようなもの。

体表に滑りは少なく、何なら表面より身の方がヌメヌメしているという怪奇的な現象。

全身ぷるぷるな深海魚、シャチブリもまたこのようなものでした。

 

身や骨は非常に脆いものの、皮は意外としっかりしているお陰で皮引きは容易でした。

 

しかしあまりにも多い水分。

いつかのシャチブリを思い出します。

 

 

ハナビラウオの料理

ハナビラウオの刺身

まずは何でも生で食べてみましょう!という事でお刺身から。

 

春先ということで桜の絵柄のお皿に盛りましたが、ハナビラウオ自身どこか桜色の身をしていてとてもきれいです。

 

しかしこれがねばねば滑り、なかなか箸で摘まめません💦

形の崩れないゼリーや豆腐でも掴もうとしているんじゃないかといった粘り気。

 

やっと摘まめたものをわさび醤油で頂きます。

 

こ…これは!!

 

魚を食べている感覚じゃない…。

 

脳が魚という事を認識せず、なんとも不思議な新感覚!

マズいと言い切れる訳でもなく、まず第一に魚を食べているという感覚がありません。

ねばねばのコーティングに覆われていて、ほんのり筋肉の筋に弱い食感はあるものの直ぐに溶けてしまいます。

 

少なくとも醤油をかけて食べるよりも、きな粉と黒蜜をかけて食べた方が美味しいかも知れない…。

 

ハナビラウオの塩焼き

続いては塩やき。

半身に卸して一晩置いたためか、やたらと水分が抜け落ち平べったくなりました。

なので鰭と背骨が付いたまま丸っと焼いていきたいと思います。

 

焼き上がりは美味しそうな見た目。

しかしコンロから出すときに身の真ん中がぷくぷくと膨れています。

 

もうね、この時点で察せてしまうのだよ…

 

箸で皮をめくると案の定。

 

こっちも水っぽいやんけ!!

 

食感は温めた卵豆腐を食べているような感覚。

味は殆どなく、焼けた皮の香ばしさが口に広がり、これを塩で味付けしているだけのようなこれまた新感覚。

焼いてもこの保水力。この仕組みを使って水筒だとか火災防止のものに使えたりしないのかな。

 

含水量が多いのか、密度が非常に軽い鰭に背骨まで丸ごと食べられてしまいました。

 

そう、マズくはないのだよ。

 

ハナビラウオの煮付け

今回のハナビラウオの料理の中で最も魚らしかったのは間違いなくこの煮付け。

 

漁獲日から5日間、包んでいたペーパーを毎日欠かさずに交換し、水分が程よく抜けたお陰なのかしっかり魚らしい食感を感じる。

 

別記事で紹介予定のイトヒキアジのカマを炊いてる横のスペースに滑り込ませました。

しかしこちらは塩焼きとは異なり、骨まで食べられませんでした。

 

(おまけ)クロイシモチの唐揚げ

冷凍庫に残っていたイシカワシラウオと合わせて唐揚げにしました。

 

一見、頭や背骨が硬く口に残るだろうなんて思いそうな見た目ですが、高温の油でカラリと揚げたので骨は気にならず丸ごと頂けました。

このサイズの魚は深く味わうのではなく、数用意してつまみ的な楽しみ方をするのが一番うまいでしょう。

 

 

ハナビラウオの評価

 

価格   ーーーーー

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ・・・☆☆

 

価格

・今回は頂き物の為評価なし。一般にも流通するものではないので評価対象外。

 

コスパ

・骨は薄く、頭も小さいため歩留まりはいいものだと思う。

 

珍しさ

・フィールドに出ない限りは水族館でもめったに展示されないため生物としても珍しい部類。実は今回初見だった。

 

・美味くはないが煮付けは不味くない。臭いがある訳でもなく、身質が独特なだけであり工夫次第でなんとかなりそうな魚。

 

 

ということで今回はハナビラウオを食べてみました!

最近は、“間違いなく美味しいもの“ばかり追っかけていたのかも。なんて思い出させてくれました。

こういう変わり種や、なかなか食べられないものを食べたという体験談を綴る記事こそ私の続けていきたい事なのかもしれません。

 

魚は種類が果てしなく多く、特定の種に出会える確率も非常に低い。

予測の出来ないものだからこそ目が離せない面白さがあり、その沼に見事に虜になってしまいました。

 

「ま~た面白いもの食べてるよこの人。」

なんて魚を追っかける私の魚生をこれからも見てくれると嬉シイラです。

 

ライター紹介

副管理人:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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