極上のキンメダイを食べ尽くす

 

こんにちは!夢海です🐟️

 

冷蔵庫、冷凍庫には食材がたっぷりある。

そして給料日前。

 

冷蔵庫が賑わっていて財布が寂しいこのタイミングに高級食材を買う人は普通いません。

それでもついつい手が伸びてしまうのが魚食の沼の深さであり、「一魚一会」を信仰している人の証拠でもあります。

 

今回も相変わらず衝動買いしたと認めましょう。

さて、そんなカツカツな状況下で買ってしまった魚こそ

 

立派なキンメダイ。

一般の方にはキンメダイというと高い印象があると思いますが、スーパーなどで並ぶのはせいぜい500グラム前後のサイズ。

十分に食材として高いとは言えますが、この魚が真価を発揮するのは1キロを越えてからになります。

実は手のひらサイズの小さなものは安価で出回ります。

しかし大体1キロを越えてから価格もがらりと変わります。

これ以下のサイズのキンメダイで脂のある個体は見たことがありません。

 

キンメダイの選び方は、特徴的な目が輝いていること。

 

キンメダイなのに“金目じゃない“ものは日にちが経っています。

美味さは必ずしも鮮度で決まるものではありませんが、せっかく高い買い物をするのであれば「良い要素」はなるべく多くしておきたいものです。

 

続いては鰓の色。

 

これもまた鮮度感を見る部分ではありますが、キンメダイというのはかなり劣化の早い魚。

鰓が茶色いのもはにおいも出てきており、内臓が溶けている事も多く身を多めに削がないといけません。

 

そしてキンメダイの脂の有無。これは“お尻を触る“のがベストだと思います。

 

目利きは人それぞれこだわりのポイントがあると思いますが、私がキンメを選ぶ際にはここを気にします。

 

キンメダイは内臓がすっからかんな事が多く、当然それでは脂もありません。

しかしこの部分に厚みがある個体は腹も膨れていてしっかり硬いです。

 

今回はそんな理想的なキンメダイに出会ってしまい、文字通り一目惚れしたような状態でした。

「これを食べなければ死ねんな」

だなんて言い訳を言い聞かせ迷わず購入。

そんなエピソードもこのあたりにして観察していきましょう。

 

 

キンメダイの特徴

 

キンメダイというと名前の通り金色の大きな目が特徴的ですよね。

 

この特徴的な目はタペータムと呼ばれる反射板を持っており、微かな光を反射させ暗闇でも明るく見えるようにしています。

ネコの目が暗闇で光るのも同じくタペータムのため。

魚とネコ、意外な共通点があるものなんですね。

 

続いて真っ赤な体色。マダイなんかでは比にならないほどの鮮やかさがこの魚が高い理由でしょう。

 

そしてキンメダイ、実はかなり大きな口をもっています。

 

たま~に内蔵からは珍しい深海魚が出ることも。

今回は空でしたが、深海の小型のタラの仲間、サイウオの一種が出てきたこともありました。

 

キンメダイは普通の魚のように体を左右にうねらせて泳ぐのではなく、胸鰭でパタパタと羽ばたくように泳ぎます。

 

そのためこの胸鰭の付け根の筋肉が発達して、身は白いのにこの鰭の付け根周辺だけ赤い肉をしています。

当然、推進力となるため胸鰭は大きめです。

 

尾鰭はシュッと伸びた三日月形。

子供の頃は尾鰭の上葉が糸状に伸びており、イトヒキキンメなんて呼ばれます。

 

背鰭は一基しかなく三角形。

 

臀鰭はあまり目立ちません。

そして捌くときによく失敗するであろう箇所がこのあたり。

骨は軟らかく包丁を入れる目印となる臀鰭は目立たない。それでいてただでさえ薄い体の中でも最も平たい部位なので、背骨を貫通してしまうこともしばしば。

キンメダイを捌く際には一番気をつけたいポイントです。

 

キンメダイは旬が二度あると言われており、脂ののる梅雨時期のものと、晩秋~冬にかけての寒い時期。

今回は11月上旬でようやく旬が始まったなんて頃です。

 

プリッと肉厚な旬のキンメダイ、美味しくいただいていきます!

 

 

キンメダイの料理

キンメダイ鍋

まずはお鍋から。

シンプルに野菜とキンメダイの切り身を醤油とダシで整えた汁で煮込みました。

 

加熱すると硬く締まってプリっとするキンメダイ。

寒い時期に旬を迎える魚は不思議と鍋にして美味いですよね。

昆布などのダシを吸い込んだキンメダイがホロッとほぐれます。

このまますべて食べきってしまいたい所ですが、切り身を少しだけ残しておきます。

 

キンメダイの鍋雑炊

鍋の残り汁に白米を入れて卵を溶き、

白だしと酒、醤油などで味を整えつつ、仕上げに切り身と三つ葉を添えて完成。

 

カツオ節もまぶしてあるので、ダシの香りが食欲をそそります。

まだ胃になにも入れていない朝一に作ったため、空腹はピークに。

まだ半生の卵のふわっとした食感は朝に食べるにはちょうどよい優しさで、ダシの旨味がさらに食べながらも空腹を感じさせます。

 

あまりにも豪華すぎる朝食となりました。

 

キンメダイのあら汁

鍋に入れる予定だった頭(大きすぎて入らなかった)とあら骨と昆布を入れダシを取ります。

 

ぶつ切りにしたキンメダイのあらをアクを取りながらじっくり弱火で炊いていき、汁が濁ってきたら火を止め味噌を溶かします。

 

浅ネギや根菜などがあると臭みがなくなり尚美味くなりますが、今回は野菜を切らしていたため出汁を楽しむ汁になりました。

生で食べるとあまり脂は感じないものの、煮込むと染み出た脂でスープがサラサラになります。

 

ガラスのような脆く非常に繊細な味わいで、他の脂の強い魚のあらとは混ぜてしまうと勿体ないです。

 

キンメダイ握り&炙り

続いては皮を残してお刺身用に柵を取ったものを炙っていきます。

 

これを寿司ネタサイズにカット。

 

握ったものがこちら!

 

今回は炙りと皮を引いたものを用意しました。

湯引きも握りたかったところですが、さすがに1尾で色々な調理をするには足りず、今回は2種類を楽しみましょう。

皮をひいたもの。身の甘味を楽しみたい場合はこれで十分。

好みが分かれそうなところではありますが、単調でほんのりとした繊細な甘味。

 

キンメダイはやはり皮の赤さ。これを活かせば綺麗で見た目もよくなります。

そして旨味も皮目が強く、湯引きにすればコリッとした食感が、炙れば香ばしい香りが楽しめます。

今回は炙りで、塩レモンで味付け。

 

キンメダイ煮付け

半分に割った頭と尾に近い切り身を甘辛く炊いてみました。

生姜と砂糖を多めに、仕上げにゆずペーストで香り付け。

 

ホロッとほぐれるやや硬く締まった身は汁を奥まで染み込み、生姜がじわんと体を温めます。

濃いめの味付けなので、白米に乗せて食べたくなるような、“定食にほしくなる一品“

小ぶりなものを丸ごと姿で煮付けるのも見た目が豪華でいいものですが、個人的には大振りのものを切り身にして煮付けるのが好きです。

 

キンメダイフライ

キンメダイは加熱すると程よく硬くしまり歯ごたえが出てくるのでフライなどの味が濃い料理にしても存在感があります。

 

本当は名物のキンメバーガーにしてみたかったのですが、バンズに合うパンが見つからず。。

タルタルとレモンでそのままいただきました。

キンメダイは色味の良さと食感の美味さを楽しむという要素ももつ魚で、少しジャンキーな食べ方もまたよし。

 

キンメダイの評価

価格   ・☆☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・・☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

・価格

言わずと知れた高級魚。しかし市場で見比べてみるとそこまで高くなく、大体キロ単価で¥2500~3000が平均と言える。

 

コスパ

・頭が大きいため悪いように思われるが、大型の個体は身に厚みも出るため非常に悪いとまではいかない。

 

珍しさ

・一般的に見かける。スーパーでも切り身で並ぶなど、年間を通して安定して見ることができる。

 

・上質な脂を含み身に甘味がある。皮目には旨味もあるため、皮も有効活用したい魚。

 

今回はみんな大好きキンメダイをご紹介しました!

これだけの種類食べていても、頭の片隅で考えてしまうのが大衆魚と呼ばれるもの。

常日頃食べられるようなものではありませんが、比較的見かけるキンメダイも大衆魚と呼べるでしょう。

 

やっぱり美味い魚は美味いんだなと…!

またいい魚がいたらご紹介します!

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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