真夏の沖縄から届いたハチジョウアカムツ

こんにちは、夢海です🐟

今回は南の海に生息するアカムツの紹介です。

 

ハチジョウアカムツの特徴

 

まず最初に訂正しておくと、アカムツと付くものの、別名のどぐろで有名なアカムツとは違う種類になります。

今回の主役、ハチジョウアカムツはフエダイの仲間で、アカムツはホタルジャコという魚の仲間。

 

フエダイというと、西日本で多いヨコスジフエダイやクロホシフエダイ、南方へ行けばヨスジフエダイにウメイロ、センネンダイもフエダイ科という、一般的な知名度の割にビッグファミリーな種類になります。

 

その中でもこのハチジョウアカムツは流通量が普通。

価格は赤色の魚が人気な事もあり、キンメダイに並ぶかその下かといった相場に落ち着く事が多い。

 

今回の個体は沖縄からやって来た鮮魚BOXの中の1種でした。

 

これまでも、同じBOXを何度か頼んだことはありますが、ほぼ決まってハチジョウアカムツは入ってくるものの、どれも身はあっさりしているし、焼けばボソボソするしで特別美味いもんだとも思いませんでした。

 

しかし今回の個体はこれまでに見てきたものとひと味もふた味も違い、身に張りがあり胴回りも太く、大きさの割に持ったときに重みがずっしり手に伝わります。

 

鱗は大きく剥がしやすい分、飛び散りやすい為、水をかけながら鱗を落とすべき魚です。

 

尾鰭は下葉がやや欠損していました。

この欠損のしかたを見ると齧られたものと言うよりは、漁獲後に何らかの理由で千切れてしまったように見えます。(基本釣り漁獲の魚なので、網による欠損とは考えにくい)

 

 

ハチジョウアカムツの料理

ハチジョウアカムツとタカサゴの刺盛り

まずはすっかりマイブームとなった刺盛りから。

鱗を落とした片身のみを卸し、ふり塩をし皮はバーナーで焦げ目を付けて焼霜にしました。

 

ハチジョウアカムツは身は淡白な味わいの南方のフエダイそのものといった質ですが、皮に旨味があるのでこれを活かさぬわけにはいきません。

すだちを搾り、わさびと醤油とさっぱりいただきます。

 

口へ入れるとまず感じられるのは香ばしい皮の部分。

そこから後を追うように血合いから感じる酸味、しっとりとした白身の淡い旨味。

この旨味もまた、透き通るような感じというよりは、やや濁りのある味わいです。

雑味のような濁りではなく、様々な要素が絡み複雑な旨さであって、大げさに言うとオーケストラのような全体で見ると非常にまとまりのある美味さをしています。

 

ハチジョウアカムツの塩焼き

フエダイの仲間は皮が美味く、その美味しさを活かすのであれば焼くべし、と私は思います。

姿盛りで飾りに使った半身の鱗を落とし、尾びれに近い方を使用しました。

大きい個体という訳でもありませんが、尾鰭に近いところと言うと、大抵の魚は筋肉の硬い筋が収束するところになります。

しかし焼いてしまえば関係なし。

肉と違い焼いた魚は口に残る筋というものが殆どなく食べやすいです。

 

厚みのある皮と肉の間に空間ができ、皮はパリッと、繊維の細かい身はふんわりと雲のように広がり、クセがなく軽やか。

 

繊細な旨味でポン酢や醤油よりも、単にレモン汁だけをかけて食べたいです。

骨付きで焼き上げたからか、水分が身の中に残っており、ジューシーさが損なわれていません。

 

ハチジョウアカムツの煮付け

最後はじっくりと煮詰めた煮付けで締めます。

兜付きで卸した半身の頭側をそのまま煮付けました。

 

頭は両面、身のみ片身といった仕上がりですが、ボリュームはあるし頭の肉もまた両面楽しめる、有効的な使い方ではないでしょうか。

家庭的に見て中型クラス(500〜800グラム)ほどのものであれば、梨割りせずとも火が通るため難易度も下がります。

出来たてホクホクな煮付けよりも、少し冷まして味を染み込ませたものが食べたくなる季節なので火を止めてから1時間ほど置いておきました。

 

濃いめ甘めに味付けをしたので、厚い皮も貫通して味が染み込み、硬すぎない程度に締まった身に絡みとにかくうまい。

 

ハチジョウアカムツは、魚そのものの味では力不足というか、やや単調過ぎるので、シンプルな味付けを少し付け加えるだけで幾分も美味くなる魚です。

 

 

ハチジョウアカムツの評価

価格   ・☆☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

 

価格

・価格は平凡〜やや高。星を正確に数えるならば☆2.7クラスだと思う。数は少ないものの知名度が低い。しかし味はよく色味もいいという、プラスマイナスな点が相殺し合った結果の評価だと思う。最近分化したオオアカムツの方が味がよいとされ、その上魚体も大きなものが多いことから高い。

 

コスパ

・歩留りはやや悪〜平凡。悪くはないものの、やや頭でっかちで可食部は少ないように思える。

 

珍しさ

・珍魚かと言うと、産地を選べば見つかるといった程度の特段珍しい魚ではない。

 

味わい

・小型のものは淡白な味わいで、身もぼそつきやすい。小型のものは油を使った料理に、500グラムあたりを超えてから刺身にすることを個人的には薦めたい。皮に旨味が詰まっているので、ぜひ焼霜に!足が早く内蔵が溶けやすい上、腹が薄いので出来るだけ鮮度のいいものを選びたい。

 

今回は遥々沖縄からやって来たハチジョウアカムツを食べてみました。

色はきれいでも、味の方はそれまでお世辞にも価格ほど美味しい魚という認識ではありませんでした。

しかし今回の個体に出会えて、ハチジョウアカムツの本当の美味しさを知らなかったんだと思わされました。

 

やっぱり魚って出逢えば出逢うほどに疑問が生まれ、理解が深まる。そんな永久機関だと思います。

 

一度食べて"美味しくなかったからもういいや"は、魚に通用しないんです。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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