小型のハガツオにしかない良さがある【岩手の小ハガツオ】

こんにちは、夢海です🐟

 

今年は2023年は記録の有無に限らず、生息地のの北限を更新した種が多かったのではないかと思います。

最北限でなくとも、例年見られないような魚が三陸沖で多く見られたと感じられ、今回紹介するハガツオもまたその1つではないでしょうか。

 

 

ハガツオの特徴

ハガツオは過去にも紹介しており、柔らかい身にサッパリした酸味が美味い魚で、毎年必ず食べる魚種と言っても過言ではありません。

毎度購入しているハガツオは長崎や高知、千葉などの暖流に洗われるであろう海域のものばかり。

それも2キロ前後のものが多く、そこへ稀に3キロ、4キロが混じりますが、1キロを切る小さい個体は滅多に見ません。

 

しかし今年は8月の中頃より、小型の個体が岩手で揚がっている情報を多く目にしていました。

しかし豊洲では見かける事がなく、9月へ跨いだ途端に大量のハガツオを目にするようになりました。

 

こちらの個体で37.8cmTL、660グラムで、小さいものは500グラム前半のものも混じっていました。

 

キロ400円。足が早い上、このサイズのハガツオをどうせいと言った感じなのでしょう。

あまりの安さで売られているものですから、慌てて3本買い付けました。

 

産地は岩手。仕立てから細かいところまでは分かりませんが、有名なとこで大船渡あたりだろうか。なんて想像していました。

大体5キロ8入りくらいの箱に水氷で仕立てられています。

 

十中八九、定置網のものだと思われますが、思うほど擦れてなければ鰭も欠損が少ないです。

(骨格標本や剥製にするにはちょうどいいサイズだよ!!と仲間内に教えたいが、いつまで入荷があるものか…)

 

そんな事を言う自分も一本は何かしらの形で標本にしようなんて考え、溢れかけの冷凍庫へ"一旦"しまいました。

 

小ぶりのものという事で日持ちもせんだろうと、とりあえず購入当日に一本、開いてみることにしました。

が、これが驚くことに大型の個体と遜色のない素晴らしい身で、腹の肉は薄いものの、背中の身はふっくら。おまけに緩んでおらず、張りがあります。

 

水揚げしてすぐ冷やし込める水氷だからこその鮮度保持なのか、期待以上のクオリティに舞い踊るところでした。

 

触ると腹が柔らかく、中身を割って駄目であればネギトロ風、生食もキツイのであればさんが焼きやメンチでも作ってみるか。なんて、生で食べられる期待がそもそも薄かったからか、思った以上のクオリティです。

腹が柔らかかったのは臓器を含む内容物が少なく、おまけに腹の肉が柔らかいので硬くなるはずもありません。

 

※以前の紹介記事

昨年も秋に大型個体を紹介していたため、今回は以前の調理法とは少し変えて食べていきたいと思います!

 

 

ハガツオの料理

ハガツオの握り

初日はひとまず握りにしてみる事に。

身の色は薄いため、血合いがよく目立ちます。

 

口へ放り込むと思わずオホホと笑ってしまいそうな柔らかさで、味わう間もなく溶けて消えていきます。

ちょい待てもう一貫。もう一貫なんてやっていると、あっという間に半身が消えていました。

 

赤身の魚ほど若い個体、大型の個体で味に差が出やすく、若い個体は若々しい酸味がありハガツオも例外ではありません。

単調でぱっと消えてしまう。しかしこれが後を引かずサッパリ食べられてしまうため、嫌味が一切なく「若」という文字に当てはまるような爽やかさがあります。

 

大型のハガツオは脂の甘みも感じられ重厚感がありますが、若ハガツオは軽やかでふわっとしたような、寿司で食べるなら初手の一貫に抜擢されるべきものでしょう。

 

ハガツオのタタキ丼

表面を炙ったタタキを薄くスライスし、仕上げにネギをちらします。

ワサビ醤油を…ではなく、ポン酢のような柚子の果汁が効いた鰹タタキ用のタレをかけて頂きます!

 

香ばしさあり、酸味あり、風味豊かな丼は食べていてたのしいものです。

この酸味と香ばしさのギャップは初夏のカツオをタタキにしたような感覚ですが、身が硬めのカツオに対してとろけるような柔らかさという違いがみられて面白かったです。

 

この若魚ならでは酸っぱさは、まだまだ残暑厳しい頃であった9月にはピッタリな一杯でした。

 

ハガツオのなめろう丼

続いては味噌や薬味とたたいたなめろうを丼にしてみました。

身が緩く刺身にするには形崩れしてしまうだろうと思っていた為、買ったときにはやってみようと考えていました。

しかし思いの外、身はしっかりしているし鮮度も申し分なく、メインと思われそうな寿司がどちらかと言うと思わぬ副産物という結果でした。

 

生で食べたし、なんならタタキ丼にもしたのでもういいか。とも思いましたが、人間は頑固なもので一度食べると決めたら食べたいの気の済まないものです。

 

そんな思いをして作ったなめろうですが、これまでの料理で目立っていた酸味が、味噌などと混ざることで臭みにとして強調されてしまい、血なまぐささがやや感じられてしまいました。

味噌や薬味の量を毎度毎度正確に計ってはいないものの、大体これくらいならうまいでしょ!という個人的な黄金比があり、今回もその分量で作りましたがどうも薬味をもう少し効かせてみても良かったかも知れません。

 

しかし決して美味しくないのではなく、これはこれでコクがない分サッパリしていてサラサラと流れ込んできます。

ひとつ後悔しているとしたらダシ茶漬けが絶対うまかったであろうけど作らなかったこと。

 

ハガツオのさんが焼き

余ったなめろうをごま油で炒めました。

ごま油で作るさんが焼きは、臭みが軽減され香りも良くなり食欲がそそられます。

 

赤身も焼くと青魚のような旨さが際立ち、且つ塩気の効いたホロホロと崩れる食感がつまみにもおかずにもなります。

大型のハガツオを消費仕切れないと思ったらなめろうを作り、生で満足するまで食べたら一旦冷凍。そして何か食うもんはないかと探った時に手軽に焼くと。

焼いてもうまいものなので刺身・タタキにとらわれ過ぎなければ一本買いのハードルも下がるのではと思います。

 

ハガツオの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・赤身の魚、特にカツオ類などはまとまって獲れる事が多いため比較的安く、ハガツオもその例外ではない。ましてや小型のもののため、長崎などからやってくる大型のものに比べかなり安かった。

 

コスパ

・身は膨れており、頭も小さく軽いため可食部は多い。

 

珍しさ

・関東への入荷も多く、夏を除いて比較的見かける。普通、2キロ前後の個体が多く、ここまで小型のものは滅多に見ない。産地では流通しているのかも。

 

・大型の個体にはない若い香りがあり、酸味がやや強い。若い個体ならではのうまさがある。

 

今回は岩手からやってきた小型のハガツオを食べてみました。

このサイズのハガツオを食べるのは実は今回が初めてでした。

卸した時はただ小さいハガツオのようなものに思えましたが、味わってみると単調というか、雑味がないというか、酸味が強めに出てきてサッパリ食べられ個人的にはなかなか好みのものでした。

 

これは嬉しい出会いとなったような、これまで見なかった産地、見なかったサイズの本種が揚がってしまっている現状は危機感を持ったほうが良いのか、実に複雑な魚でした。

 

 

ハガツオの見られる水族館

 

葛西臨海水族園・アクアマリンふくしまなどで長期展示中。

2023年6月には初訪問のマリンピア日本海でも出会えた。

大型の回遊魚の展示が可能な水族館では稀に見られる。

他のカツオ族に比べだいぶゆったりとした泳ぎをしていて、体のうねらせ方が大きい。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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