秋のウメイロ。梅雨以外でも優等生
こんにちは、夢海です🐟️
以前、沖縄からやって来たアオダイを食べた際にも述べましたが、今年2024年は梅雨にやるべき事をやり逃してしまいました。
目次
ウメイロの特徴
今回の魚はウメイロ。
今年やり残した事のひとつで、梅雨の太ったウメイロを食べること、があります。
毎度ながら自宅の冷蔵庫の余裕がないことに加え、そもそも今年はウメイロが例年よりも少ないように感じられました。
一方でアオダイはやや多いかな。といった印象を受け、産地や水深の似た両種の棲み分けなど何かしら関係していそうだとも思えて気になるところです。
今回のウメイロは鹿児島知覧産。
本来ならば6月、7月上旬には買い求めるところ、9月上旬に購入した全長35.6cm703gの個体です。
ウメイロはこの青と熟した梅の色が特徴的。
沿岸に生息するタカベに似た色合いで沖に生息する事から、西の産地では沖たかべとも言われます。
卸してみたところ、丸の状態で触っても凹む様子から予想はしていましたが内臓脂肪はほぼなし。どころか生殖巣も内臓もちょろんとしかなく、かなりスカスカしていました。
純粋に目方売りであると考えれば嬉しいものですが、2.3ヶ月前であれば全く違ったのだろうと考えると、同じ魚でもここまでの変化があるということが楽しくなってきます。
表面はしっとり。水分が少なく物持ちがいいのはフエダイ科の魚で広く共通しますが、ウメイロなどアオダイ属は内臓が溶けやすいという点があるので、エラワタを取り除いておけば日持ちはします。
↑旬ではないとはいえ、皮目にはほんのり脂が感じられる。明らかに時期でないとはいえウメイロという魚の質の良さが分かる。
ウメイロの料理
ウメイロの握り
まずは一品、握りから。
夏の終わりのウメイロは脂がすっかりと落ち、あの強い甘みというのが感じられない。
しかしその分ウメイロ本来の味、脂でかさ増しをしていないウメイロの味が今回知れていい経験となりました。
まずフエダイ科の中でもアオダイ属は血合いの色が鮮やか。そして身の水分も程々で、素直な強い旨味が特徴的。
※国内で漁獲されるアオダイ属5種のうち、ヤンバルシマアオダイ以外は食べた事があるので、あながち間違いではないと言うことは述べておきたい。
この鮮やかな血合いから感じられる爽やかな香りが後味を良くし、塩やレモンで合わせると臭みが小さく収まりまた違った酸味へと変わります。
ウメイロの天ぷら
ウメイロで天ぷらはおそらく初調理。
フエダイ科の魚は種類によるが皮が分厚く、加熱すると丸まり易いため皮を引いたものを使う。
大きい血合いのためか、強い旨味を感じる。
この血合いが淡白な白身と混ざることで味のバランスが取れ、強調しすぎない優しい味わいへとなります。
揚げると軽い質感となり、美味い白身の豊かな味わいが感じられる。
これを岩塩で食べるのが個人的なオススメです。
やや味が物足りないとなった場合は、旬の梅肉と合わせても美味でしょう。
ウメイロの塩焼き
ウメイロで西京焼きは作った事があるが、単に塩焼きにしたのは初。
こちらは縮まったって構わん構わん。と、皮付きで切身にしたものを使用。
骨付きで焼くと多少丸まりは緩和されるので良いのですが、今回は卸さねばならない事情があったため、3枚に卸した片身を皮付きで切り身にしました。
これが驚くほどに美味しい。
塩が馴染みより精錬された味わいとなり、しっとりした口の水分を持っていかれないソフトな焼き上がり。
西京焼きは何度も試したことがあるものの、上品な素材をさらに澄ましたような軽く繊細な
単に塩で焼くことでより野性味ある味となり
ウメイロの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・一定の高さは安定しているものの、比較的相場の動きがあるものだと思う。
コスパ
・歩留まりは良い。日持ちもするため1尾で数日間使う事ができる。高級寿司店などで度々使われているが、味の良さに加えて上の事からであろう。重宝される理由がわかる。
珍しさ
・比較的普通。時期を見れば簡単に見つかる。旬のものは価格的に手が出しづらいといった意味で、ある意味珍しいものでもある。
味
・味のいい魚の多いフエダイ科でも上位に入る味の良さ。肉は水分が少なく、最低限の含水量で日持ちもする。余計な加工をしなくとも素材のままで味があり使い勝手がよい。
今回は梅雨に食べ逃したウメイロを秋に買い求めてきました。
安い魚ではないので、いつも決まって旬の時期に良いものを食べるとしている本種を時期以外で食べたのは初めて。
良いものの味だけを知ることは、食としての魚を調べる上では全く無意味であると思っている人間なので、今回は時期以外のものが食べるキッカケとなったため良しとします。
梅雨以外のウメイロもなかなかイケるな!!
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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