真っ赤な熱帯魚トガリエビス食べてみた!【別名ハマサキノオクサン】

こんにちは!夢海です。

今回は長崎より、熱帯の海に生息する珍しい魚のご紹介です!

 

 

トガリエビスの形態

今回ご紹介するのはトガリエビスという魚。

 

聞き慣れない名前にとても派手な見た目をしています。しかしこれも沖縄や鹿児島などでは人気の食用魚。

石垣島では「ハマサキノオクサン」とも呼ばれ、諸説あるようですが浜崎さんの奥さんが好んで買い付けていたそう。(面識はないが)浜崎さんもお気に入りのお魚、きっと美味しいこと間違いなしなので楽しみです!

キンメダイ目イットウダイ科イットウダイ属に属していて、大きく見ればキンメダイの仲間。イットウダイの仲間の中でも最も人気のある魚です。今回も長崎の印束商店様より購入させて頂きました。産地は長崎県福江沖の延縄に掛かったものです。非常に張りがある丸々太ったいい個体です。細かく観察していきましょう!

 

まずは顔から。

顔つきはトガリエビスの名に相応しく凛々しく尖っています。

 

そして鰓蓋には鋭い棘があります。

イットウダイ科の中でもこのイットウダイ属は特に鋭い骨を持っています。

 

頭部は固い骨格に覆われており、鱗も非常に固くまさに鉄壁。

 

鱗には白い線のような模様も入っています。

 

背鰭は大きく、真っ赤な巨大な帆のようです。

ゴツゴツの見た目とは質感が全く異なるのでこの背鰭が非常にかっこいいポイントだと思います。

 

尾鰭は二叉しており泳ぐのに適した構造をしています。

実際、水族館では素早く泳ぎ回る姿も観察出来ます。

 

腹鰭はややオレンジ色をしており、グラデーションが綺麗です。

それでは調理していきます!

 

トガリエビスの捌き方・調理

まずは頭と内蔵を取り出していきます。

 

内蔵には大きな肝とたっぷりの内蔵脂肪が…!期待が高まります。固い鱗は残したまま三枚にしていきます。

包丁の刃が重たく、身が詰まっているのがよくわかります。

開いてみるとビックリ!真っ白な身が現れます。

 

↑真っ白な縁側部分。脂が非常に乗っています。

 

こちらは身のほうです。

全身に脂が回っており、特に縁側部に脂が集中しています。

皮を引いてみるとさらに驚きました。

 

血合いも隠れてしまうほどの白い脂!!

皮を引く包丁も重たく、脂がべったりと付きました。

 

腹骨を剥いた大トロの部分。このレベルの白身魚は稀に見るクオリティ!

こちらを切り分けて色々な調理法で試してみたいと思います!

 

 

トガリエビスの料理

トガリエビスの天ぷら

まずは天ぷらから。ふわっと揚がりました。揚げたてに塩を軽く振って頂きます。

 

腹の脂のたくさん詰まった部位を使っていますが、クセのない天ぷらに仕上がりました。

まずは食感。身は柔らかく細かな身がホロホロ崩れて真鯛などに近い食感です。

味わいは甘味があり、魚の脂も感じられますが意外とスッキリとした味。これではいくらでも食べれてしまいそうです。

 

トガリエビスのお刺身

続いてはお刺身!背中の柵を切りつけました。見栄えがあまりよくないので牛脂のように真っ白な部分はよけた方がより美味しそうに見えます。

見た目はとてもコッテリしていますが気になる味はどうでしょう?

 

これが見た目ほど脂濃くなく意外とスイスイ食べれてしまいます。そして少し噛むだけであっという間にとろけてしまいます。旨味はやや薄味ですが、それでも白身魚としてはハイクオリティです。

見た目から脂が凄い!というのを想像していただけに、少し物足りなさは感じました。

 

トガリエビスのムニエル

こちらは腹側の身を使用。たっぷりのオリーブオイルで表面がカリカリになるまで焼き上げました。

 

中からは柔らかい身とジューシーな魚の脂が溢れてきます。まるで熱を加えた事により脂が溶け出したような感じです。

オリーブオイルの爽やかな香りにローズマリーにバジル、タイムなどの香草類と相性がよく、魚の旨味と喧嘩せずに調和しています。

想像していた以上に洋食に向きそうな魚という印象を受けました。

 

トガリエビスの握り(大トロ、炙り塩レモン、焦がしタレ)

贅沢に3貫握りました。非常に脂ののった魚は生だけでなく炙りも試してみたくなります。まずは生、それも腹の大トロの部分から。

 

口に入れるとしばらくしてとろけて消えていきますが、脂の香りが控え目です。

見た目は脂の塊といったほどに真っ白ですが、刺身で食べたときと同様見た目ほど濃くなく意外とスッキリしています。

大トロのように少量で満足といった様子はなく、非常に食べやすい握りになっています!

 

続いては炙り、まずは塩レモンの方から頂きましょう。

 

炙ると脂の強さをより感じられるようになりました。そしてさっぱりとした柑橘の酸味、そして旨味をさらに引き立てる塩との相性はとてもよく、トガリエビスの旨さを堪能するには必須アイテム。

身は噛まずともとろけてしまいます。

さっぱりとした味付けが好きな方には気に入って頂けること間違いなし!

 

続いてはタレの方を頂きましょう!香ばしい香りが食欲をそそります。

 

こちらはキレのあるレモン塩に比べるとずっしりと構えたような味わい。

重厚感のある脂とタレの甘味、酸味の混ざったハーモニーがたまりません!アクセントとして白髪ネギや七味唐辛子なんかをかけてあげでもいいでしょう。

握りにしては贅沢すぎる多彩な味わい。濃い味が好きならばタレで炙るべし!

 

 

トガリエビスの評価

価格   ・☆☆☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

まず価格から。

・漁獲量が少なく、それでいて美味い魚なのでそれなりにお高め。

・見かける事が稀なので迷わず購入することをオススメします!

 

コスパはまずまず。

・身がふっくらとして体つきがいいので、歩留まりは良好です。

・今回も標本用にしてしまいましたが、あらはマース煮なんかで食べるそう。

 

珍しさは価格の方でも触れましたがなかなかレアリティの高いお魚。

・温帯の地域ではまず見ない南方の魚です。

・どうやら四国や紀伊半島などでも獲れる事があるそうですが、今回は長崎とトガリエビスの中でもかなり北の産地になります。

・やはり主な産地は鹿児島や沖縄といった南の海域になってしまうため、なかなか関東には流れてきません。

 

・味わいはさっぱりとした淡白な味わいの魚が多い南方系にしては非常に美味に思いました。

・見た目ほど脂のクセもなく食べやすい魚です。

 

今回は"ハマサキノオクサン"こと、高級魚トガリエビスを食べてみました!

味はもちろんですが、南の魚とは思えないほどの脂ののりで驚いた、というのが一番の感想です。

これも一種の先入観というものなのかな。と思いました。

やはり魚は食べてみないと分からない!それが面白いところだと思います。

 

 

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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