今年はオアカムロと出会うのがやけに早かった

 

こんにちは、夢海です🐟

 

2024年の春は旬ものを追いかけつつ、ヒラソウダや今回の主役のように、たま〜に「君は春の魚かい?」というものが混じっていたように感じた季節でした。

海流というものの偉大さと、この流れが変わってしまう恐ろしさというものを感じました。

 

 

オアカムロの特徴

今回の魚はオアカムロ。

 

回遊性のアジで、ムロアジ属に属します。

この魚美味いんだよ。と、スーパーで眺めてる人がいれば話しかけたくなるくらい個人的に好きなものです。

 

しかし冒頭で述べたように、この魚は本来春に見るようなものではなく、秋に入手する事が多かった魚です。

春とは言っても、せいぜい5月下旬から6月あたり。

これが今回やってきたのは5月の頭。

まあいつもより多少早く来たのかね。なんて思うところですが、普段入手するものだと、せいぜい小田原あたりのもの。

千葉県というこの魚にしては北の方の産地で水揚げされたものでした。

 

そんな事言いながらも、私自身知らなかっただけでこれまでもこの時期に水揚げがあったという記録は恐らくあるでしょうし、そこまで騒ぐ内容でもない可能性はありますので、

"少なくとも5月の頭に千葉で揚がってたよ。"という事実だけをここに述べるとします。

 

千葉の魚は漁業が近いこともあり鮮度感がいい。

これまで入手した小田原産のものともいい勝負。

 

全体的に黒っぽく、鈍い赤い光沢がある。

目は黒い。

 

各ヒレは鈍い赤色。尾びれが最も鮮やか。

 

ムロアジ属なので1対の小離鰭がある。

 

 

購入したのはバラ売りではなくパックに詰められた状態のもの。

とはいえスーパーなので2本、3本がセットになってるだけで、買い求めやすい尾数です。

 

今回は特に太いものを選び2本購入してきました。

 

 

オアカムロの料理

オアカムロのお造り

まずは単に刺身、そしてなめろうで。

 

身は赤く、新鮮なものは血合いも鮮やかな赤色をしています。

 

オアカムロは本当に美味く、皮目のまろやかな脂がありつつ、風味は赤身に近く酸味があります。

そこへ青魚らしいコクがある香りもするしで、赤身と青魚のいいとこ取りな種です。

これが安いのは足が速いからであって、鮮度が落ちると臭みも出るし身もグズグズになってしまうので、生で食べるのであれば購入してすぐ調理することをおすすめします。

合わせるのは生姜でも、わさびでも活かせるというオールラウンダーっぷり。

薬味を選択出来るのもこの魚の楽しいところです。

 

続いてはなめろう。

刺身を薬味・味噌と和えてたたいたもの。

鮮度はいいものの、身が割れてしまった場合などにシフトチェンジするといいでしょう。

 

青魚のコクに赤身を彷彿とさせる酸味も混じり、これを味噌に薬味が臭みを消し、味わいをマイルドにさせるというからくり。

ちょろっと酒やみりんを入れてもよし。

これをあてに十分にうまい酒が飲めます。

 

オアカムロの握り

単につけたものに薬味を乗せたもの、なめろうを軍艦にしたものという手間のかからない寿司にしました。

 

マアジに比べ、残った銀皮と薬味と隣り合う身の赤さが目立ち、

なんだか身が赤くない?と一般の方でも感じとれる程には身の赤いのではないでしょうか。

 

そんな"赤い身"は寿司にしても美味く、というよりも寿司こそこの魚の十八番であると思います。

口へ入れると溶けるマイルドな質感。シャリと馴染み、余計な臭みは薬味が消してくれる一体感がある一貫。

酸味ではじまり、脂が舌の上で溶け出すと青魚らしさが現れてきます。

薬味が調和し、臭みを抑えて美味さを引き立たせてくれる。

素晴らしい一貫です。

 

なめろう軍艦

こちらは余らせてはいかん。と、先に紹介したなめろうをてんこ盛りにした軍艦。

薬味を混ぜ込んでいるのでそのまま乗せるだけ。

追いで鰹節など色々乗せてみても良いでしょう。

なめらかな食感に海苔の香りが合わさり、ちょうどいい量のシャリが美味い。

まるで一口で丼を食べている気分になれ、2貫しか握らなかった事を後悔しつつ、立て続けに口へ放り込みました。

 

最終的にそれでも余ってしまえば、熱したごま油で炒めてさんが焼きにしてしまうのもよし。

 

オアカムロソテー

余った半身を単に焼くのは面白くない。と、くたびれかけの野菜を見つけたので合わせてソテーにすることに。

ケチャップやソースなどを混ぜ合わせてさっぱりめの味わいに仕上げました。

分量も、入れるものも適当で冷蔵庫から目に付くものを気分であれこれ入れて炒めました。

 

まずはオアカムロの切身を熱したごま油でソテーする。

ここへ野菜を入れ、味付けをして炒めたら完成。

加熱をすることで青魚らしさが増し、あれ、赤身はどこへ行った?となります。

血合いが大きい分風味は強く、味にマアジのような繊細さはなく、ひたすらにヘビー級のパンチを繰り出すような味わいの強さが感じ取れます。

単に塩焼きでもいいし、干物にして水分を飛ばすと、繊維が目立ちまた違った美味しさが感じられます。

水分量が多めな魚ですが、脂もしっかり存在するため焼いても柔らかく仕上がり美味しい魚です。

 

オアカムロの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・鮮度落ちが早い&安定的に獲れないものの、まとまった量で揚がるため、高くはない。

 

コスパ

・歩留まりは普通〜やや良し。ムロアジ属は胴の断面が丸く、身は膨れる。骨はマアジに比べ大型の個体が多いこともあり、家庭用のフライヤーでは揚げても硬く食べられない部分も多い。頭を半割りにし、骨と焼いて汁のだしにすると有効活用できる。

 

珍しさ

・珍しくはないがスポット的なので、通年通して探す必要がある。

 

・絶品。しかしやや青臭い点など、好みによっては賛否が分かれる。万人受けはしないため☆4つ。

 

今回は少し季節的に早いのではないか?と感じられるオアカムロを調理して食べてみました。

やって来るのが早かれ遅かれ、この安くて美味い魚はいつ来たって嬉しいものに変わりはありませんが、本来、その時期に美味しく食べていた生物が姿を消してしまうのではないか。という怖さもあります。

そんな中で、私にできる事はなんだろう。なんて考えてしまう日も増えたなぁと実感しています。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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