水族館で人気のムレハタタテダイは食卓でも人気者になり得る

こんにちは!夢海です🐟

 

季節は8月上旬。

蒸し暑い日々に嫌々過ごしている中で久しぶりの連休、お盆が控える頃。

さて今年の盆はどこへ旅に出ようかなんて考えていながら台風の進路がどうなるか気にしていた、そんな頃の話です。

 

すでに台風6号が発生しており、琉球地方に被害を出しながらウロウロしていた時期に、鹿児島からとある魚が入荷していました。

 

 

ムレハタタテダイの特徴

 

そんな嵐が間もなく直撃するであろう時期に鹿児島県坊ノ岬からやって来たのはムレハタタテダイというチョウチョウウオの仲間。

箱いっぱいに詰められ、1尾200円ほどと格安で売られていました。

 

嵐の前後というのは様々な魚種が定置網などにかかり、面白いものが都内に並ぶことも多くなります。

そのため魚食にハマったこの数年は台風の発生、進路に注目しつつ、いつ頃にこの辺りの産地で面白いものが揚がりそうだ。なんて想像しています。

 

このムレハタタテダイも、年間を通し水中観測を行っている方の話によれば、台風の前後で移動する事が観察されるそうで、今回の群れも台風に触発され定置にでもかかったものではないのかなと素人ながら考えています。

 

そんなムレハタタテダイを、今回はたっぷり8尾購入。

標本用に確保した分を取っても、これだけあれば試したい料理も試せるであろうと、大きめなものから購入してきました。

 

ムレハタタテダイは過去にも鮮魚BOXにまぎれてきた個体をちまちまと食べたことはありますが、魚体が小さい為調理法も限られてしまい、ブログにするには内容が薄っぺらくなってしまう事から紹介出来ていませんでした。

 

↑同日豊洲で買ったコバンザメと並べると自宅のシンクが水族館になった。どちらも鹿児島県産。

 

ちなみに某カクレクマノミが主人公の映画がありますが、その劇中に登場するこのハタタテダイにそっくりなキャラクターが出てきます。

↑ツノダシ

が、彼はツノダシという魚がモデルであり、よく間違われるハタタテダイとは種類としてもあまり近いものではありません。

 

↑ムレハタタテダイ

 

 

ムレハタタテダイの料理

ムレハタタテダイの塩焼き

まずは定番の塩焼きから頂きましょう!

チョウチョウウオの仲間は脂が多く、特に皮目には旨味も詰まっているため、シンプルに焼くのが美味しいんです。

 

こんなに脂が乗るんだと、この魚を初めて食べる人は誰しもそう思うことでしょう。

皮は厚く旨味があり、何よりも身離れの良さに感動さえ覚えます。

 

身は淡白でふんわりときめ細かく雲のような食感。

ほんのり磯魚のような香りを感じますが、これが旨味として現れてくれるため嫌味は全くありません。

ハタタテダイは焼いて間違いなし!

 

ムレハタタテダイの姿盛り

半身ずつ使い、焼霜と皮を引いた通常の刺身の2種盛りにしてみました。

白・黒・黄の組み合わせはかなり目立ちますね。

お刺身が主役なところ、魚がかなり目だってしまいました。

 

まずは炙りから。

ムレハタタテダイの炙りはこれまでも刺身に寿司で食べたことがあるため、お墨付きな調理法になります。

 

身の質、皮目の旨味や香りなどはイサキ科に近い印象です。

 

まだ小型の個体なので皮は噛み切れますが、皮が硬い魚なので大型のものになると飲み込むのに苦労するかも知れません。

その為火はよく通した方が良く、しっかりとバーナーで炙っていきます。

身そのものの厚さは薄いため、炙った際に肉も同時に加熱され、この後に紹介する生の状態に比べ柔らかくなります。

 

皮を引いた方はと言うと、こちらはコリッと食感があり身の硬さが目立ちます。

所謂、コリコリうまいというやつ。

見た目の人気はもちろん、更に盛られても美味しく人気になることでしょう。

 

この手の磯魚は臭みがあるもの、ないものに差があるように思われます。

特に皮ににおいが集まりやすく、皮を引けば普通に美味しいもの、においが控えめでこれがこの魚の味だと認められるもの、あるいは本当はうまいものの処理方法によって味が左右され、残念ながら外道扱いされてしまっているものに大まかに分かれます。

中でも勝ち組に当たるのはイシダイなどを筆頭にヒラスズキやメジナなんかもここに当てはまるでしょうが、個人的に今回の主役ムレハタタテダイも彼らの仲間と見ています。

 

ムレハタタテダイの煮付け

ラストは煮付けにしてみました。

 

実は試したことがなく、今回食べてみたかった調理法になります。

やって来ても毎度1尾か2尾のみで、大体塩焼き、刺身で食べ終えてしまいます。

 

焼いて身離れの良かったハタタテダイですが、煮付けはどうなのか気になっていました。

 

こちらもやはり身離れがよく、簡単に箸でほぐせます。

こういった魚は煮汁とよく馴染み、つまみにするというよりもご飯がススムな魚になります。

程よく身が固まるのと同時に、薄いためペリッと箸で簡単に剥がせるのがいいところ。お陰で小骨も気になりません。

 

 

ムレハタタテダイの評価

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・・☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・基本的には安くあまり流通しない。今後本種の北上によるまとまった漁獲に伴う入荷の安定や、カゴカキダイのように味の良さが知れ渡ると高くなる可能性はある。

 

コスパ

・小型で捌きにくく、身も薄いため歩留りは良くない。基本は姿で丸ごと調理するものに適している。

 

珍しさ

・あまり見かけない。西の産地が殆ど。本州でも房総半島あたりまででは水揚げもあるものと思われる。直送のものを扱う店や変わり種を置くような店であれば出合える可能性あり。

 

・大変美味しい。クセがなく味が濃い。身はしっとりしており、生だとやや硬いが、加熱するとふわっと柔らかくなり身離れがよい。

 

今回は水族館で人気なムレハタタテダイを食べてみました。

年間1度か2度、入手する機会はあるものの、数が少なくなかなかブログに書きまとめられていませんでした。

 

結論としては

・魚は見た目だけでない

・水族館で人気な子は食卓でも人気の味かもしれない

 

そして何より!

・塩焼きがうまい

 

上手いこと要点がまとまったのではないでしょうか。

それではまたっ!

 

ライター紹介
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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