珍魚を食べよう!イシガキフグ

こんにちは、夢海です🐟️

今回は初食べ!な魚種になります。

1月下旬。気が付くと終わりそうな1カ月の早さに驚きながらも、

 

 

イシガキフグの特徴

 

今回の魚はイシガキフグ。

フグと名前に付きますが、ハリセンボン科の魚で、大きく棘状に発達した鱗を持ちます。

本種は太平洋側などでは比較的よく揚がり、特に沖縄では、ヒトヅラハリセンボンなどのハリセンボン類とまとめて、地方名"あばさー"として同様に食されます。

しかし食用というよりは、水族館などでの人気が高く、観賞用としての知名度の方が高いと言えるでしょう。

 

※念の為、イシガキフグを含むハリセンボン類は無毒とされていますが、フグ類の調理には免許が必要です。免許を持った方に調理してもらうか、身欠(有毒種であれば毒の部位、無毒のものは内臓や皮などを除去したもの)を購入するなどしましょう。

 

さて、今回の愛嬌ある顔のイシガキフグは、三重県から直接送っていただいたものになります。

サイズは33.5㎝758gと、まだまだ若い小型な個体です。

 

表面は棘が全身を覆い、体を守っている。

この硬さと棘、そして水を吸い込んで膨らんだ状態では大型の捕食者でも捕食するのは苦労しそうです。

 

この硬い棘に覆われた腹皮をチョキチョキチョキと調理バサミで切れ込みを入れていきます。

 

皮を綺麗に剥がすとこんな感じ。

 

え、これしか食べる部位ないの??となりそうな細い筋肉。

そうなのだ、あのプヨプヨとしたハリセンボンの筋肉はこれっぽっちしか無いのだ。

皮の方が意外に重たく、まさに鎧を着て泳いでいるような魚である。

 

今回初めて食べるものの、沖縄のセリ場などの画像で"あばさー"の身欠は何度か見ていたので、想像はしていてもあまりの細さにやはり驚いてしまいます。

 

これは鶏ガラか、食べ尽くされたあと肉のような、魚であることを忘れてしまいそうな見た目です。

 

↑胴と頭部を繋ぐ首の後ろの骨。肋骨も退化しているので心もとない。

お世辞にも歩留まりは良いとは言えないこの魚で今回は2品作っていくとします。

 

 

イシガキフグの料理

1尾では可食部が少なく、複数品作るのは難しい。

調理は、歩留まりが悪くなってしまわないよう、可能な限り骨は付けたままで。

 

イシガキフグの鍋

まずは何も考えずに鍋で。

 

作り方は非常にシンプル。

昆布で出汁をとり、そのスープに湯引きしたイシガキフグとネギを入れる。

仕上げに薄口醤油をひと回しして完成!

 

簡単な味付け、調理で捌いたらあっという間に作れてしまいます。

 

そんな手軽な調理なのに病みつきになる美味しさがあります。

フグ類にしては水分があり、これが抜けずに身に残る。

 

淡白ながら他のフグ類以上に感じられる旨味があり、骨についた身に全てを忘れて夢中にしゃぶりついてしまいます。

あらから出汁も出ているようで、汁からもフグの出汁が感じ取れます。

更には脂も少々混じっているのが身からも、キラリと光っているスープの表面からも見て取れます。

 

あばさーが汁にして好まれる理由がわかりました。

余計な手間を加えなくても素で存分に美味しいことが分かります。

 

イシガキフグの唐揚げ

鍋で使用した頭の残りをこちらで使ったので、当然可食部は多くはないものの、これがトンでもなく美味しかったのだ。

ニンニク生姜しょうゆで味つけをして、衣を多めにまぶす。

 

骨に気をつけながら、それでもひと口目の味の美味さに驚き、続いてがっつく。

骨から伸びるようについた繊維に必死に食らいながらこれを味わう。

 

上品すぎるトラフグなどよりも、より雑多な味で確かにそこにある旨味というものはどちらかと言えば庶民的な美味しさがある。

身が少ないので汁にしても揚げるにしても基本は骨付きとなります。

するとやはり手で持って意地きたなく食べるという事になり、これが野性的な美味さをより感じさせてくれる。

 

外で食べるならば、少しは遠慮が必要なものの家で調理してしまえばそんなのお構い無し。

周りの目を気にせず骨にかじり付ける家で魚を食べる時は良いものだ。と言葉をこぼす睦月の夜ぞ。

 

 

イシガキフグの評価

価格   ・・・・☆

コスパ  ・・・・☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・市場価値はほぼないものと考える。非常に安価。一般には流通しない。沖縄などでの市場相場は調べているところ。

 

コスパ

・歩留まりは非常に悪い。身欠のものを購入するなど、買い手も工夫が必要。

 

珍しさ

・魚としては普通種。しかし卸売市場となると珍魚。豊洲では一度だけ見かけたきり。産地などで探す方が見つかる。沖縄などではあばさーとして本種も流通すると考える。

 

・美味。フグ類にしては骨などから旨味のある出汁が出る。身は少ないため骨ごと汁物などに使うのが向いていそう。脂というか甘味が感じられる。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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