このオキアジおかしいなと思ったら…似て非なるもの、インドオキアジ
珍しい魚を探し求めて3千里
こんにちは!夢海です🐟️
今回はちょーっとばかし珍しい、
というよりもよく観察しないと見過ごしてしまいそうな珍しい魚を見つけてきたので紹介します!
目次
インドオキアジの特徴
今回のお魚はインドオキアジという種類。
名前がちょっと面白いですよね。探しても国名が名前につく魚はそう多くありません。
これまた偏見になってしまいますが、インドと付くとどこかカレー味がしそうな気がしてきます。(インドマグロとかね笑)
とはいえ世の中にカレー味のする魚の存在は今のところ知られていません。(カレーに入れるのはナシですよ。)
どの辺りがインドなのかと言うと世界三大洋の一つ、インド洋に生息している種にインド○○と名付けられる事が多いです。
そうなると太平洋にしか面していない日本では見られないのか。と疑問を持ちますが、そういう訳でもなく、今回のインドオキアジは鹿児島県知覧産。
遠くの世界の魚の話に聞こえますが、鹿児島と聞くだけでグンとその存在との距離が縮まる感じもします。
長々と文字を綴ってきましたが、そろそろ現物を出せとなりそうなのでここで一つクイズを。
この写真は片方がインドオキアジ、もう一つはオキアジという種類の魚です。
一体どちらがインドオキアジでしょうか。
正解は…
上の白い方でした!
なんとな~く色が違いますが、「個体差なんじゃないの?」と突っ込まれてしまいそうなので、オキアジという種類との見分け方を含め解説していきましょう!
ぱっと見は色合いが若干違う?といった様子。
しかしこれでは曖昧過ぎて片方しかいない場合は区別がつきません。
見ての通り、この2種は写真での判別が大変付きにくい魚です。
しかしちゃんと形質の違いもあります。
ぜひお手元に「オキアジ」と「インドオキアジ」を揃えてお試し下さい(←そう簡単に揃うかっ!)
ここで見るべきポイントは胸鰭周り。
そのままの写真だと分かりにくいので色を付けてみました。
色のある部分。これは無鱗域(むりんいき)と呼ばれる、鱗のない部位になります。
写真での判別が難しい理由はこの無鱗域に由来します。
こちらがオキアジ。
オキアジは無鱗域が離れており、間に鱗のある部分が分断しています。
続いてインドオキアジはどうでしょう。
なんとこのあたり一体に鱗がなく、繋がって無鱗域が広がります。
実際ここを触るとツヤツヤしていて、鱗のある場所は爪を立てるとザラザラ感が伝わります。
とはいえ鱗が目立たない魚のため、魚を扱い慣れていない方には少し難しい形質とも言えるでしょう。
オキアジは過去に違う記事でまとめているのでぜひご覧下さい!
オキアジというと黒い体に反して口の中、舌などがペンキで塗ったように白いのが特徴。
このインドオキアジはどうなのかと言うと…
こちらもしっかりと白い!
ぜひオキアジの記事も確かめて比べてみて下さい↓
しかし本当にここまで白い意味があるのでしょうか…。
不思議な魚だなぁ。と見る度に思ってしまいます。
自然のもの全てに理由や意味を求めてしまう事自体間違いかも知れませんけどね。
さて、食に話を戻して。
3枚に卸してみるとふっくらしていて上質な薄ピンク色の身が顔を覗かせます。
この魚は安く美味いだけでなく、歩留まりまでいい優れもの。
美味しく調理していきます。
インドオキアジの料理
インドオキアジの刺身
お刺身から頂きましょう!
仕入れてから内臓処理をし2日ほど寝かせました。
いい具合に脂がまわってきたところで食べ応えのある厚みにカット。
燻し銀の体とはまた印象の異なる綺麗な身。
アジの仲間であるため見た目はカンパチやシマアジに似た印象です。
レモン汁をかけてわさび醤油で頂きます。
舌に乗せた瞬間に伝わる甘味。食感はねっとりという表現が近しいこってり感のある味。
身は硬いため、噛み切る瞬間に感じる歯ごたえもあります。
インドオキアジの西京焼き
西京味噌に漬け込みふた晩。
程よく味が移った頃に焼き上げました。
しっとりとした質感で大変美味。
きめ細やかな身質だからか、味噌の旨味が身の奥まで染み込んでいます。
嫌味のないすっきりした魚なので、西京焼きネタでかなり上質のものではないでしょうか。
インドオキアジの握り
腹の身を使いました。
生のまま握ったもの、炙りにしたものの2種類。
まずはそのまま握ったものを。
オキアジ類は皮目が硬いので飾り包丁を入れてあげてもよかったかもしれません。
身のうまさをストレートに堪能するため今回はわさびで仕立てました。
皮目はイカを食べているようなコリッと弾ける食感。
脂の香りが鼻を抜け後から甘さが追っかけてきます。
少なくとも1kgない魚の脂のり・味わいではなく、オキアジと合わせてこの魚が人気な理由がよくわかります。
続いて炙り。脂のある魚はどうしても炙らないと気が済みません。
ということで今回は岩塩をふり炙ったものをわさびでつけてみました。
見栄えは普通。しかし味は格別。
近いものと言えば高級魚サワラのような印象。
青魚というよりも、上質な白身魚とったような美味さです。
ジュレポン酢を添えて薬味はネギで食べでも合いそう。
水分が多くない魚なので炙りすぎには注意したいです。
インドオキアジフライ
皮を引いた背中の身を丸ごと一節フライに。
やっぱりこれくらいの大きさがないと食べ応えが薄いものです。
身の細かさはアジフライのようなぶりぶりっとしたものとはまた違い、かなり繊細な身質。
アジの仲間ではあるものの、青魚の旨みはなく白身魚に近いような淡白な味わいです。
思いの外味は薄くややパサパサとしてしまいます。
身の水分量が少ない事からも、あまり揚げ物には向かない魚なのかも知れません。
インドオキアジのカマ唐揚げ
頭とカマの部分の汚れを落とし、味付けをした片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにしました。
骨が薄くこれが意外とバリバリ食べれてしまいます。
特に衣がたっぷり付いた長い鰭がとても美味い!
汁にしてもダシが取れそうですが、骨の薄いアジ科だからこそ揚げてみても面白いかと思います。
ちなみに一番骨が分厚い頭蓋骨は硬く食べられませんでした。
インドオキアジの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・☆☆☆☆
珍しさ ・☆☆☆☆
味わい ☆☆☆☆☆
価格
・オキアジと区別されて流通しないためオキアジと同様の評価。並み~高級の間に当てはまる魚。
コスパ
・歩留まりは良いほうだ。身はふっくらしていて可食部は多い。
珍しさ
・ここがオキアジと異なる。今回は入荷してきた箱の殆どをインドオキアジが占めていたものの、これまで一切見てこなかった。ちょっと怪しいオキアジは買っておくとよいと思われる。
味
・上質な大型のアジ科、シマアジのような質をしていて大変美味。この数日前に買ったオキアジよりも雑味が少なく透き通った味をしているように思えた。残念ながら揚げ物はそれほど向かない。刺身でこそこの魚の真価が発揮される。
今回は珍しいアジ、インドオキアジと呼ばれる魚を調理して食べてみました!
いやー、やっと出会えた。。!
しかし魚って面白いほど奥が深いですよね。
昔はアジの仲間にオキアジという種類がいるんだ。というところで止まっていた知識も、長年魚と歩んで来ただけあり今では違和感に気がつき、
なんというか…感慨深い!
○○アジや○○タイという種類を知っているだけでも凄いのに、その先に○○△△アジみたいな仲間がいるとは思わないじゃん普通。
魚、半端ないって💦
副管理人:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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