人気の釣り魚「ハマフエフキ」を食べてみた

こんにちは!夢海です🐟️

季節は葉が色付く2022年秋。

釣り人憧れのあの魚が市場に入ってきました。

それも活魚で運ばれ朝方市場で締められています。

 

 

ハマフエフキの特徴

今回の魚は釣り人の中ではタマンという呼び名で知られるハマフエフキ。

フエフキダイの仲間でも大型になる種類です。

 

まだ身が硬直しきっていないものを購入してきました。

キロあたり1000円。まだまだハマフエフキにしては小さめな1キロないものだからか安く感じます。

 

 

野締め(〆られていないもの)は顔の模様が目立たず、一様に黄色い頬をしていますが活〆のものは頬に青い線が現れています。

 

ハマフエフキというとこの青い散らばった斑点がとてもきれいな魚。

 

 

 

他の鰭は破れてしまい観察出来ませんでしたが、薄い橙色やクリーム色をした優しい色味の魚です。

 

そして口の中は鮮やかなオレンジ色。

 

フエダイやフエフキダイの仲間に多い特徴です。

なぜオレンジ色なのでしょうかね。

 

2022年は8月にいい大きさのハマフエフキがゴロゴロと入り、そろそろ食べなくてはと考えていたら姿を見なくなりました。

食べ逃したと諦めていたところに今回(10月)の入荷。

贅沢を言っていられないと、小さいものではありますが購入に至りました。

 

小さいとはいえ朝〆の極上のもの。

血抜きもしっかりされており、数日は寝かせられそうです。

初日はまだ旨味も薄いであろうという事でまず2日間、このまま寝かせてみます。

 

持論になってしまいますが、内臓は早めに処理してしまった方がよいという意見が大半と言われるなか、必ずしもそうではないのではと思います。

状況や魚種によって柔軟に対応する必要があると思います。

 

朝締められたものと言うことで、血液もまだ凝固しておらず液状で残っています。

血抜きをしっかり施しました。

 

そしてたらこのまま丸ごと寝かせます。

 

魚は切り身にしたときに、酸素に触れる断面からどんどん酸化、すなわち鮮度の落ちや腐敗が始まります。

丸ごとであれば包丁を入れる必要がないため、酸化のリスクも最小限で抑えられます。

 

しかしこれは鮮度がいいという絶対条件の下で保存が効きます。

 

仮に鮮度が良くない、いつ漁獲されたのか分からない魚というのは内蔵が溶け始め身を弱めてしまいます。

そう言った状態のものや漁法が網で捉えられたもの(内蔵が締め付けられ弱りやすい)は早めに処理する事をおすすめします。

見分け方は魚の腹を触った時の硬さで判断しましょう。

 

一方で魚の味が薄い魚は劣化が遅い為そのままにしても心配が少ないという点と、極端に言ってしまえば臭みを身に移す目的もあります。

 

ガッツリ血抜きや下処理をしてしまうと、いい意味の魚臭さがなくなり、味気ないものになってしまいます。

 

 

ギュッと硬い腹には内臓脂肪が詰まっていました。

 

頭は半分に割り汁物に。

ハマフエフキのあらは非常にいいダシが取れます。

いつだか魚好きさんで集まった時にも話題に上がり、ハマフエフキの汁が一番うまいと仰る方もいるほど。

 

身は密度が高くしっかりした質感。

 

全身に満遍なく脂が含まれてるタイプの魚です。

フエフキダイは全身真っ白な身をしているものの、脂の薄いことが多いです。

が、ハマフエフキはフエフキダイの中でも最強クラスの脂感。

濃厚な旨味でこれがうまいんだ。

 

最も脂が濃い皮目は柵にしたときに目立ちます。

 

 

ハマフエフキの料理

ハマフエフキのお刺身

皮目が白く脂でコーティングされたような見た目。

身の断面も真っ白です。

フエフキダイの仲間は身が半透明なやや澄んだ色の種類が多いですが、このハマフエフキは脂が混じったやや濁りのある白。

レモン果汁を搾ってサッパリと。

 

コリッという食感とはまた違う、密度の高い硬さのあるしっかりとした身です。

こってりまろやかな旨味をレモン果汁がキュッとまとめ上げてくれます。

 

ハマフエフキのフライドフィッシュ

フライドチキンのように骨付きでカマを揚げてみました。

 

味付けは塩コショウとスパイス類。

これにザクッとかぶりつくのがこれまた美味い。

 

淡白な魚のため臭みは感じず、スパイスのピリッとした旨味とホクホクの白身が大変美味です。

味付け次第で無限大の楽しみ方のある万能な魚と言えるでしょう。

 

ハマフエフキの味噌汁

ハマフエフキはいいダシが出る魚です。

半分に割った頭とあら骨を入れじっくりダシを取り、刺身などの端材を入れ野菜と煮込みました。

 

マイルドな白味噌で柔らかい味付けに仕上げました。

汁に溶け出したハマフエフキの甘みと野菜の旨味が絡み合い、優しい味わい。

ふんわり軽いハマフエフキの身ははんぺんを思い出させます。

 

ハマフエフキの握り

旨味の濃いハマフエフキを握りにしてみました。

 

見た目も美しく、白身としての存在感があります。

やや厚切りにした為か少々硬くも思えますが、重厚感がありネタを楽しむには丁度いい具合です。

淡白そうな見た目をしていますが味のある魚で、噛み締めるごとに旨味が出てきます。

 

コリッとした食感があるので、薄切りでも厚切りでも存分に楽しめる魚だと思います。

 

 

ハマフエフキの評価

 

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・相場や大きさで変わる印象。夏場の魚の種類が少ない頃に獲れる事が多い魚なのでタイミングは見計らって買う必要がある。

大きいものほど良い、という訳ではなく1.5~2.5kgほどのものが最も肥り価格帯も高い印象。

 

コスパ

・歩留まりは普通。タイ系の魚で可食部はほぼマダイと同じ。

 

珍しさ

・夏から秋にかけてにどっと入る時に入る季節的な魚。南方に多い魚で、これから増加していく事も考えられる魚だと思う。

 

・密度の高い旨味の濃い魚。旨味に上質な脂を持つハマフエフキはアラも汁にして実にうまい。

歩留まりもまずまずと来て使い勝手のいい魚だと思われる。

 

 

今回は釣り人憧れの魚、“タマン“ことハマフエフキを捌いて食べてみました!

近年海域が北上しているのか、評価が上がったのかで見かける機会が増えたようにも思えます。

 

これからも徐々に漁獲が増え、夏の定番の魚になるのか。

どこかブランド化を目指す地域も出てくるのか。

 

これまでとは確かに生き物の生息域が変わってきてしまっているのかも知れませんが、水産に携わるものとしてこれからの動向を見守っていきたいと思います。

 

無論、人間の活動による生き物たちの異変でなければいいのですが。

 

ライター紹介

副管理人:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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