特大級のゴマサバで贅沢!

 

こんにちは、夢海です🐟️

 

夢に見るほどゴマサバがやたらと食べたい、食べたいと思っていて、ちょうどそんな事を考えていた7月も下旬のある日、豊洲をいつも通りに歩いていると誰もが3度は振り返るであろう、立派なゴマサバが並んでいました。

 

 

ゴマサバの特徴

ちなみに夢に出てきたのがカツオサイズのゴマサバと、ゴマサバサイズ(推定500gくらい)のカツオで、きっとこれは何かを予知したのか正夢でしょうか。

残念ながら今日現在サバサイズの小さいカツオには出会えていない。

どうかこれも正夢であってくれと願うばかりです。

 

さて、ゴマサバに話を戻します。

今回の個体は、これまで見てきた中でもダントツで大きく、2019年頃の梅雨明け直前に食べた館山定置の1キロを上回ります。

 

当時の館山のものも素晴らしいもので、身は厚く脂があり炙りなどで美味しくいただきました。

 

※↓4枚は過去の画像

 

この個体の美味しさは今でも思い出せる程の破壊力でした。

 

さて、今回の個体はその1キロを上回るふた周り大きい個体。

とりあえず買ってすぐに腹を押すと凹くところがなく、ボディビルダーのようにムッキムキです。

 

ワクワクしながら帰宅してそのままの勢いで捌いてみました。この日はこのサバを食べることだけを考えてなんとか乗り切りました。

さて、質は如何かというと、内臓に脂肪はなく縮んだ卵巣と消化器官がちょろっとあり、空洞が出来ているのにも関わらず腹が凹まなかったのは肉がしっかりしているからでしょう。

 

↑腹回りは白く脂が感じられる。

 

全体的に見てもゴマサバ特有の赤さは薄く、ややピンク色〜肌色をしています。

かなり正直に言ってしまえば、もっと脂のあるものだと期待はしていましたが、食べやすさで言えば非常にちょうどいいところでしょう。

 

しかしそれにしてもゴマサバでこのクオリティは大当たりと言っても過言ではないです。

マサバに比べてゴマサバは身が硬めなので、脂があっても身割れしにくいという点も考えると扱いやすい魚であると感じます。

 

 

ゴマサバの料理

ゴマサバの刺身

料理とは言うものの、〆鯖に仕込んだ柵の端を切り落として味見しました。

ゴマサバは風味豊かで非常に美味。

 

鮮度がいいという事も関係していそうですが、脂のお陰なのか青魚臭さ、血合いの香りがいい具合に薄まり、品があり美味です。

しかし寝かせればまだまだ味が出そうな予感。

処置が丁寧で鮮度保ちもすることでしょう。

 

ゴマサバの握り

生の状態をつけてみました。

 

口に放ると広がる酸味と、しとっとした柔らかい質感。

優しい甘味があり、そこに入り混じる血合いの酸味はアクセントとして非常に面白いもの。

薬味がゴマサバの味を重くさせ過ぎず、食欲の落ちる暑さが続く日のなかでこれは嬉しい味わいとなります。

 

今回のゴマサバで伝えておきたいのはその処理の良さ。

握りを作ったのは購入から3日後。

 

半身にした状態で水分を毎日欠かさず拭き取りながら寝かせました。

断面は酸化せず、まだまだ熟成も出来そうな様子。

素晴らしいポテンシャルを持っています。

 

ゴマサバの〆鯖握り

酢が浸透するのを楽しみにひと晩待っていた〆鯖を握りにしてみました。

これが過剰な言い方でもなく過去1美味いと感じました。

 

絶妙な酢の入り具合。シャリはサバの香りを引き立たせる為、いつも使う香りの強い赤酢は使用しませんでした。

これは危険なことに無限に食べれてしまいそうな握りに。

他にもしめ鯖は出番があるので2切れと端材を握ってお仕舞いです。

 

ゴマサバの棒寿司

〆鯖にして作りたかったのはこちら。

握りは端材と背側の柵でつけたもので、片身の腹側を丸々使いました。

押し型がなく押していないので棒寿司とします。

 

片面は炙りで風味を強める。

これがオホホと声と笑顔が溢れてしまう美味しさ。

炙ることで表面が柔らかくなり、半分焼き魚のような食感、風味が楽しめます。

 

香ばしい香りもまた食欲をそそります。

サバが大きめのため、自然と寿司も大きめになりこれを一口で頬張るという贅沢をしてみました。

が、これが大変な事にうますぎる。

 

この後に紹介するまったりした脂の風味は緩和され、洗練された美味さとなります。

柔らかいサバはシャリと相性がよく、また寿司を作ってひと晩寝かせていたので味もよく馴染んでいます。

 

シャリとサバの間には大葉やガリも入っており、サバの脂で飽きた。とは言わせない作りになっています。

 

腹側の身を使ったので、握りとはまた違い脂で奥まで酢が浸透せず、表面上で弾かれているのが伝わります。

これが悪い意味ではなく、一口目をかじった時と、咀嚼して味わう時でまた印象が変わり、非常に風味豊かに感じられます。

ゴマサバの香りがあり、うっとり。ガリの食感でまた目が覚め大葉が爽やかに香る。

これだけいいゴマサバは次いつ出会えるやら。

 

ゴマサバの塩焼き

もう十分食べたでしょうと思ってもまだまだ残っているという嬉しいほどに可食部の多いゴマサバ。

しめ鯖にした半身とは逆の尾に近いところの身を骨付きで強めに塩を振り焼き上げました。

 

ゴマサバの焼きはパサッとするものであるという印象がずっと脳内の何処かにあり、小振りの個体は単に焼くのを躊躇します。

が、今回の個体であれば脂があり、焼き上がりは表面に脂の泡ができるほど。

皮はパリッとした食感に仕上がり、身もジューシーで柔らかく身離れ良好です。

 

すだちを切らしていたので単純にポン酢をかけて食べても美味し。

焼き鯖美味しいなぁ。

 

ゴマサバの味噌煮

いざ食べ始めると毎日美味い美味いとワクワクしながら調理していたらものものこり腹回りの身だけになってしまいました。

断面の身の酸化が始まっているところを薄く落として、軽く表面を湯がきます。

ヌメリや鱗を落として味噌煮にしてみました。

 

腹の脂身が強いところが驚くほどに美味しい。

味噌煮は過去1ではないかという程に味付けが美味く仕上がりました。

 

思えば味噌煮そのものはしばし食べていなかったとここで気がつく。

外食チェーンではわざわざ自分で作れる味噌煮は頼まないし、町の定食屋さんも悲しいことにしばらく行けていない。

久しぶりの味噌煮に涙を流しそうになりながら白米を頬張り、タレと絡めて二晩で美味しく頂きました。

煮付けは作って出来立てを食べるのもいいのですが、翌日になるとさらに味が染み込んで、よりおかずとして光ります。

 

頭とあら骨は一度焼き、ハマグリなどと合わせて出汁を取り海鮮パスタにしました。

本当捨てたのは内臓と鰓、鰭の一部と、ほぼ全て余さず使い切りました。

やはりサバのポテンシャルは高く、出汁にしても有効。

温暖化の影響か、北の産地でも通年見られるようになってしまったので、美味しいゴマサバをみんなで食べよう!

 

 

ゴマサバの評価

 

価格   ・☆☆☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・・・☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

価格

・本来安い魚だが、飛び抜けて上物であったため今回の個体は最近の中でも最も高かった。それでも勉強料と考えれば納得だし、味もよそで食べるよりは安く収まった。

 

コスパ

・ゴマサバの歩留まりの良さを再度認識させられた気がする。意外としっかり身が取れる。今回検証しなかったが、また手頃な個体で試してみたい。

 

珍しさ

・ゴマサバ時代珍しくはないが、今回ほどの個体を探すのは苦労する。

 

今回は上物のゴマサバを買い付け、6品に及び吟味しました。

やはり上物であること以上に、それを美味しく調理し切れたということに大変満足感が大きいです。

 

しかし夢見ていたゴマサバの料理は"サバフライ"であり、あまりのものの良さに今回はフライで調理するという事を忘れていました。

 

サバは世界的に広く食べられており、その分多彩な料理があります。

サバを使って世界旅行気分を味わうのもまた面白そうだなぁと計画中。

ゴマサバというブームは来つつあるので、この波に乗っかりまた近いうちに小ゴマサバの調査に乗り出すとします。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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