琵琶湖にしかいない!?幻のサーモン”ビワマス”

皆さんこんにちは!夢海です。

すっかり初夏の陽気ですね。暑い時期こそ、旬のものを食べて力を蓄えたいです。

 

話は変わり、秋に美味しいサケ(ます)の仲間でこの初夏が旬のお魚がいることをご存知でしょうか?

今回はそんな珍しい”初夏”を感じるマスの紹介になります。

 

幻のマス、ビワマスの形態

今回の主役は幻のマスとも呼ばれるビワマスというお魚。

分布が限定的で量も多くない為幻のマスとも呼ばれています。

 

名前の通り琵琶湖に生息しており、海には降りずに一生を琵琶湖と琵琶湖に流れ込む川の中で暮らします。

SNS、主にTwitterなどで魚の情報を仕入れている方であれば近年よく目にするようになった名前だと思います。

天然のサケの仲間が琵琶湖に生息しているなんて知っている方はほんの僅かだと思います。

それも脂ののりが抜群の美味しいやつ。

 

近年PR活動が活発になったように思えます。

私もそれまで名前しか知りませんでした。

しかし絶品で川魚なのに生で食べられるという驚きの事実を知り購入に至りました。

ポケマルにて¥4000ほど。中村水産さんにて購入させて頂きました。

ビワマスは主に刺し網などで漁獲されます。

獲れたまま船の上で鰓、内臓を落とし一気に冷やし込みます。

とにかく扱いが丁寧で、高品質なまま届きました。

 

 

ビワマスの調理

内臓は落としてあるので処理は非常に楽です。

鱗を落として水をしっかり拭き取り三枚に卸すだけ!

 

少し大変なのはサケ類は身が柔らかく油断をするとすぐに抉れてしまいます。

 

△背骨に身が幾らか残ってしまいました。こちらは中落ちとしてスプーンで掬い食べます。

 

サケ類は捌く機会があまり無いのでお見苦しい出来映えですが、色合いはとても鮮やかで綺麗です!

 

半身は切り身にして加熱調理、半分はイチオシのお刺身で頂きましょう!

切り身は血合い骨を抜いてスライスするだけ。

 

スーパーで売られているような状態になります。

切り身にしておけば使える調理法も幅広いので仕込んでからレシピを考えられます。なので魚をたくさん頂いた時などは切り身にしておくのがオススメ!

 

切り身で残しておけば思いついたままにスムーズに仕込みが出来て、個人的に非常に楽です。

 

例えば今回は西京焼きにするので、冷蔵庫から切り身で取り出して味噌を塗り寝かせるだけで仕込めます。

 

一つ注意点としては、青魚や血の多い魚は特に酸化して傷みやすいので内臓を落とした状態で、皮や骨ごと保存した方が日持ちはいいです。

2,3日程で消費出来るのであれば切り身に、それ以上かけて食べるのであれば骨や皮は残して下さい。

今回、絶対美味いと確信したので全て仕込んでしまいました。

 

続いてはお刺身用。皮を引いてサクにします。

 

身の内部にはなかなか感じられなかった脂が皮目に集結しています。

まさしく、琵琶湖にも負けない絶景です✨

琵琶湖は遠くから眺めた事があるくらいなのでいつか観光してみたいなぁ…。

 

 

ビワマス料理

ビワマスのハラス、皮の塩焼き

まずは素材の味をそのまま感じられる塩焼きから。

脂がたっぷりと乗ったハラスとお刺身用に引いた皮を焼きました。

 

ハラスはサケ類の腹鰭などが付いた部位で、捌くときに邪魔になってしまうので落としてしまいます。

しかし捨てるには勿体ないほど脂がのり、塩焼きやお茶漬けで食べるのがめちゃめちゃ美味い!

 

このビワマスも勿論その通りで、天然物とは考えられない脂の旨味が強いです。

脂が強すぎる!なんて方にはポン酢をかけるのがオススメ!ネギを散らしてもさっぱり食べられて美味しいです。

 

驚いたのが皮の塩焼き、パリパリと揚げてないのにまるで揚げたかのような食感!

ビワマスの脂の強さを思い知りました。

 

そして薄いのでとても軽やか。チップス感覚で食べられ、おかずと言うよりはおつまみにもってこい。

ビワマスの素材の味が分かったところでどんどん紹介していきます!

 

ビワマスの握り

続いては握りで!

冷凍せず生の状態です。

ビワマスは、海に降りるサケ類に多い寄生虫(アニサキス)などがおらず生で食べる事が出来ます。※他の天然のサケ類は食中毒の可能性が高いので一度冷凍してルイベにして食べて下さい。

 

これがなんとも絶品!海外で養殖されたサーモンなどに比べ臭みが少ない、それどころか臭みが殆どありません。

脂はしっかりと感じられるほどありますが、それでも飽きずに食べれてしまう上品な脂です。

普段寿司屋では(脂が強すぎて)サーモンを好まない私ですが、これは美味い。

 

パクパクと食べる手が止まらず、あっという間に皿が寂しくなっていきます。

「追加で握るか!」

刺身用に取っておいたものからひょいと持ってきてはすぐさま握り、初夏が旬の魚達と盛りました。

 

左から炙りタカベ、マアジ、そしてビワマスです。

 

タカベもマアジも濃い旨味が特徴のネタとして存在感のある強い味の持ち主。

繊細なビワマスを並べてしまい大丈夫かと言うと、これが個性を強調し同じ皿のクラスメイトの味と被らず殺さず見事な3貫になりました。

どれも強い味で、前に食べたものの風味を消してしまいますが、各々が強い味を持っている為忘れる事なく堪能出来ます。

これは寿司屋に並べて欲しくもあり、並ぶと価格はそれなりにするであろうから個人で時たま楽しむ程度でも良しと思ってしまいます。

 

ビワマスのあら汁

臭み消しにたっぷりの野菜、根菜とあら骨を煮込みました。

実はサケのあらは汁にして実に美味く、寿司屋で頼みサケの身が入っていると嬉しくなります。

このビワマスもダシがしっかり出ており、臭みは野菜達が消してくれています。

骨に残った身もほぐれやすいので、あら骨は積極的に汁にして食べ尽くした方がお得かも!?

 

ビワマスと夏野菜の和風包み焼き

旬のカツオやカレイの干物とあわせて野菜もしっかり採れるように組み合わせてみました。

 

たっぷりの野菜の下に隠れているのはビワマスを大きめにカットした切り身。

 

オクラやズッキーニとあわせてみました。

和風ということで、味付けは白だし、醤油と酒で隠し味にかつおポン酢というものを使っています。

とにかく香りがよく、旨味と繊細な味わいが特徴のビワマスを優しく包み込んでいます。

たっぷりの夏野菜も旬のビワマスと相性抜群!

爽やかな味付けで暑い夏でもさっぱり食べられます!

 

ビワマスの西京焼き

皮目がかなり焦げ付いてしまいました💦

見た目はあまりよく出来ませんでしたが、味は格別。

 

しっとりとした身に西京味噌の旨味とコクが染みていて実に美味いです。

骨も気にならない為、念の為焦げてしまった皮を除いてガブリとかぶりつきます。

 

「最高の贅沢だ…。漁師さん、琵琶湖、ありがとう‥!!」

魚の切り身一つで人は幸せになれます。

 

ビワマスの塩焼き

最後は塩焼きで!サケの定番料理です。

 

もちろんこれも絶品。旨味が秋鮭などに比べてやはり繊細な気がします。

身もきめ細かくパワー型というよりは煌びやかな味わいといった印象。

定番の焼き物にお刺身はいくらでも食べれてしまいそうです。

 

思えば今回は揚げ物にしなかったなぁ。

実はサケ類は揚げても美味しいのです!それはまた次回として、リピート確定です。

 

ビワマスの評価

価格   ☆☆☆☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

価格は高級魚クラス。しかしその美味しさを味わうとリピートしたくなる程美味い!

値段の事を忘れてしまうほど美味しいので、食べてみる価値アリです!

 

コスパも良く、背骨が細い為あらが少ないです。

尾鰭の方まで身がつまっており、過食部はかなり多いです。

 

かなり珍しい魚ですが、昨今では滋賀県が力を入れており、丸ごとからフィレ状のものまで取り寄せる事が出来ます。

 

味わいは5つ星。どんなサーモンにも負けない上品かつパワフルな旨味が特徴です。

焼き物はもちろん、天然のサケ類では珍しく生で食べられるのもビワマスならでは。是非堪能して頂きたく思います。

 

今回は幻のサーモン、ビワマスをご紹介しました!

ひとたび食べてしまえば値段の事を忘れてしまいます。

養殖のサーモンは脂のりが良く美味しいのですが、このビワマスは控えめな脂で飽きが来ません。

そのためいくらでも食べれてしまいそうです。

 

世界的に人気のサーモン。現在、国内外、天然養殖問わず数多くのサーモンが登場しています。

その中でも広い海には出ず琵琶湖にだけ生息している珍しいビワマスには、他のサーモンとは比べられないような魅力がつまっています。

是非一度ご賞味あれ!

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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