真っ赤で鮮やかなアザハタ

こんにちは、夢海です🐟

 

私はかれこれ水産業に5年ほど携わっており、これまでも仕事をしながら様々な魚を食してきました。

 

5年というと懐かしいとも思えてくる期間で、フォルダを見返していると「この魚はこうで良かった。」「この魚はここが素晴らしかった。」などと思い返しながら、いつかブログで紹介したいと思う魚種が多々いるここ最近。

豊洲で割りと見かけるものの、毎度毎度タイミングの悪い魚が一定数おり、例えば当日の夜に予定があり買えない。冷蔵庫に魚が色々と残っている。なんて状況で、なかなか買うタイミングを逃していた魚になります。

 

 

アザハタの特徴

そんな紹介したかった今回の魚はアザハタ。

 

ここまで赤い魚がいるのか!!というほどに真っ赤に輝き、まさに鮮やかなハタ。

しかし由来は"鮮やか"から来ているとも来ていないともいう訳ではないそうで、実際のところ分かっていないそうです。

 

よ〜く見ると小さい赤紫色のような斑点が全身に散らばり、「痣のような模様があるハタ」とも捉えることもできます。

 

今回のアザハタは高知県宿毛産。

高知や和歌山、三重では比較的普通だと思われますが、紀伊半島よりも東側で見られ、この魚も黒潮大蛇行の影響なのか、どんどん産地が北上していると肌で感じられる魚です。

大きくなると3キロを超えるようなハタですが、今回の個体は500グラムを超えないような大きさのもの。

これでも千円札を1枚以上出さねば買えない魚なので、食べてみたいハタが小さいサイズでいれば買うべし。です。

 

アザハタの料理

アザハタのお造り

魚体が鮮やかな赤色なので、あしらいも色を変えてパレットのように盛りました。

 

魚体に負けない綺麗な色をした身。ほんのりと血合いが混ざるコントラストのある身をしている。

 

味のほうは爽やかな酸味が感じられ、淡白な印象のあるハタ類にしては味のある方ではないでしょうか。

しっとりとした舌触り、水分が程よく含まれもちっと柔らかく、味がぼやけません。

昔食べた大型の個体(2キロ弱)に比べても大差がないようにも感じられます。

 

アザハタの酒蒸し

ここまで鮮やかな色味を活かさぬ訳にはいかん。と、残りの半身は姿で仕立ててみました。

半身の鱗をよく落とし、中骨ごと半分に切り分けます。

酒蒸しにはかしらの方を使用。

昆布の上にアザハタを置き、中心部に火が入るまで蒸していきます。

 

仕上げにポン酢とごま油を合わせたもので味付け。

白髪ねぎなんかがあると良いのですが…(買い忘れた)

 

皮は箸で崩せるほどふわっと柔らかく仕上がり、味も染み込みます。

アザハタそのものの淡白なうまみとごま油の香りで箸が止まらず、冷や飯をレンチンせねば、なんて言ってるうちに食べきってしまいました。

飯の友にも、酒のつまみにも、なんでもござれ。

 

アザハタの煮付け

尾鰭の方を煮付けにしてみました。

皮のしっかりした赤魚のような見た目に仕上がってくれました。

 

根魚の美味さ、メバルのように風味豊かというのよりは、身がしっかりとしてやや淡白なカサゴを思い浮かべます。

筋肉の節の幅が広く、一つ一つの繊維がほぐれず箸で掴みやすいです。

しかしその一方で口へ入れた途端にほどけ落ちる繊細さ。

口当たりが非常にいいです。

 

 

アザハタの評価

価格   ・☆☆☆☆

コスパ  ・・・☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・色の良いハタということでやはり高い魚。大きくなるとより価値も上がり1万を超えることも。

 

コスパ

・ハタの仲間は総じて歩留まりがよろしくない。まだ可食部の多いハタだと思われるが、単価を考えるとコスパのいい食材とは言えない。

 

珍しさ

・魚屋通いをしていれば出会える可能性有。基本は鹿児島〜琉球列島などからやってくるが、今回のように高知など比較的近い産地からやってくることも。店の仕入れ先の傾向を見極め、入荷のありそうな産地から取っている店舗であればより早く見つけられる。

 

・ハタの中でもより美味い部類に入る。しっとりとした程よい水分、生ではほんのり酸味が感じられ、加熱すると淡白な中に美味さがある。

 

今回は鮮やかな見た目のハタ、アザハタを捌いて食べてみました。

過去に食べたことのある大型の個体(2キロほど)と同様、体高がありブリっとした体系なため、質の非常にいいハタでした。

なかなか魚屋に並ぶという場面の少ない魚だと思われますが、ぜひ見かけたら召し上がって頂きたい魚のひとつです。

 

 

アザハタの見られる水族館

先日訪れた京都大学白浜水族館にてやっと出会えました。

南方に多い種類なので、見られる可能性が高いのは東海地方以南〜琉球列島にかけてだろうと思われる。

訪問したことがあるものの、じっくり見れなかったかごしま水族館や美ら海水族館などでも展示されている可能性大。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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