繊細で多彩!アオダイは夏の代表的な白身
こんにちは、夢海です🐟️
日々、8年間も行けていない遠い遠い沖縄への想いを馳せて生きています。
沖縄は人にとっても、魚にとっても東京からは遠いようで、気軽には移動が出来ません。
そのため毎日市場を歩いてもあまり沖縄産の鮮魚に出会えることは少なく、やはり沖縄は憧れの地と感じられます。
目次
アオダイの特徴
今回の魚はアオダイ。
この魚は特段沖縄でないと手に入らない。なんてことはなく、高知や駿河湾(見たことないけど相模湾でも揚がるのかな?)など、東京から比較的近いところでも水揚げのある魚です。
暖かい海域を好む魚で、海水温の上昇に伴い絶賛北上中の魚でもあります。
美味しい時期、というより見かける事の多い時期は夏になり、よく似た種のウメイロは夏本番に入る前の梅雨が美味しくなります。
このアオダイは大好きな魚ですが、それ以上にウメイロが恋しくて恋しくて堪らない程に好きな魚で、毎年梅雨に手頃な個体があれば欠かさず買っていましたが、今年は少ないのか結局食べられず夏を迎えました。
今回のアオダイは鮮魚セットとして取り寄せたもので、狙ってこれとこれを下さいな。と買ったものではありません。
ウメイロが食べられなかった私にとっては飛び上がるほど嬉しいものでした。
話をアオダイに戻し、今回の魚は沖縄産ということで、これまでアオダイは5個体は食べたと思われますが沖縄産は初めてです。
鹿児島のものであればお尻から脂の塊が見え、身はパツンパツンになっているんだろうな。と思える時期の今回の個体であったため、やや体高が低い事が伺えます。
アオダイは名の通りにこの青い背が特徴。
青魚という意味の青でなく、正真正銘青色の色彩の青であり、鮮度がいいと発色がしっかり出ます。
身を割ってみてもチョロっとした脂が内臓に溜まっている程度で、身も特段おお!となるような事もなく普通な印象。
アオダイはある一定の脂が身に移ればそこで止まるのではないかと考えており、控えめだけど品のある美味しさが特徴です。
しかし空輸で時間がかかる産地であるものの、これほど鮮度感がいい状態のものが手に入るのは大変有り難い点です。
こちらの鮮魚店さんは数年前から利用していますが、当時から変わらず仕立てが良く、魚も本来の色が褪せていない状態でやってきてくれます。
アオダイの料理
アオダイの刺身
まずは単に刺身から。
今年の夏はやけに蒸し暑いと感じたため、醤油で食べるのも気分的に違うな。ということで岩塩とレモン、お好みでわさびを。というセットをしました。
アオダイに求めるべきは脂ではなく、それよりも素直な美味しさのアオダイそのものの味であり、これを最大限引き立てるのが塩になります。
旬は一概に言えませんが、夏の気だるい暑さもアオダイの旨味が浄化してくれるようで、まったりした美味さのウメイロは夏本番前、あっさりした中で光る美味さのあるアオダイは酷暑厳しい真夏。という味わいと季節が合っているようにも思えます。
アオダイの握り
こちらも塩レモン仕立てで。
可能であればわさびは辛味が控えめで香りも抑えたものが合います。
わさびの味でアオダイそのものの風味も損なわれてしまいそうなほど繊細です。
一定の強さで最初から最後まで味が続きます。
食べている中でアオダイの強弱が感じられない。という印象で、アオダイという主役であり縁の下の力持ち役であるという面白いもの。
この中に味わいの変化を付けるべく塩やレモンを添加すると色が出てきます。
柔らかい質感と、スッキリ感じられるちょっとした酸味、シャリの甘みが混ざり実に美味しい一貫です。
アオダイの塩焼き
アオダイで塩焼きを作るのは今回がはじめてになります。
生の状態を触った時の質感から、ボソボソして焼いても美味くないだろう。と決めつけていました。
半身を生食にし、残ったお頭付きの半身をさてどのように使おうか。とひと息付いて悩んだときに、このまま姿の状態で焼いてしまえば見た目が良いのではなかろうか。と降ってきたものになります。
焼色が付き、青い魚だが美味そうに見える。
むしろ青さどこへ行った。という程に磯魚にしか見えません。
気になる味の方は…。
これが飛び上がり驚くほどに美味。
なんというか、これを焼かずに食べていたのを後悔するほどに味があります。
まず皮、やや硬いものの箸でほぐせる程度で、ここに癖のない磯の風味があります。
よく食べ慣れた魚種で表現するのであれば、磯臭さがなく、脂が控えめなイサキ。といったところでしょうか。
思わなぬ絶品に出会えてしまい、米をかき込むことさえ忘れ夢中でつついていました。
アオダイは刺身旨し。飽きれば焼くべし。
今回と同様の細かいサイズのものが入れば贅沢に干物という選択肢も試してみたいものです。
アオダイの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・・☆
味わい ☆☆☆☆☆
価格
・安定して高値。1キロを境にグンと上がる印象。味がよく、見た目も綺麗なため。
コスパ
・歩留まりは悪くない。保存も効くので飲食店でも扱いやすい魚かも。
珍しさ
・やや一般的。日頃から見かけるものではないものの、市場で根気強く探せば見つかる。近年ではデパ地下の高級鮮魚店などでも刺身として並ぶところもしばし見かける。
味
・刺身が絶品。というところで止まっていたが、焼きも美味いと気がついた。煮てもいいし、塩で炊いても美味い。個性ある旨味で、炊き込みご飯の種にも使える。
今回は沖縄からやってきたアオダイを美味しくいただきました。
例年、頻繁に見かけるウメイロが今年は梅雨におらず、アオダイの方が見かける機会が多かったように思えます。
近い生息域に棲む2種なので何かしら関係性があるのだろうか。と刺身を味わいながら思い浮かべていました。
それにしてもアオダイは決して安い魚ではないという点から、年間で1回買うかどうか程度のものでしたが、焼きが美味いという今世紀最大級の発見をしてしまったので、来シーズンの調査対象になることでしょう。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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