珍魚”アイブリ”はブリそっくり!?

皆さんこんにちは!

今回はブリそっくり?まるで他人のそら似といったお魚のご紹介です!

 

 

珍しいアジの仲間”アイブリ”

今回の主役はこのアイブリというお魚。

一見するとお馴染みのブリやカンパチに見えます。どちらかというとカンパチに近い見た目ですね。

しかしこのアイブリ、スズキ目アジ科というところまではいいのですが、ブリやカンパチの仲間、ブリ属ではなくアイブリ属というまた違うグループなんです。

 

アジ科ではあるので、他人のそら似とまではいかないにしても、ちょっと特殊なアジの仲間です。

この生き物の分類を分かり易く言うのであれば、目を県、科が市で属を町と地図に例えればどれくらい近いのかよく分かると思います。

この例えを使えばアイブリとブリは同じ市内ですが地区が違う、それくらいの距離感です。

 

そしてアイブリ属にはこのアイブリしかいない為とても小さな地区だと思えばちょっと特別感を感じて頂けるかと思います。

たまに珍魚として紹介される1科1属1種という生き物は市の中に地区が一つしかない、なんなら種という住所も一つしか無いようなものなので、なんだこの生き物と魅力を感じるのです。(笑)

 

さて、長い前置きと説明はこのあたりにして、どうでしょうか。少しでもこのアイブリという魚の特別感が伝わって頂ければいいなと思います。

まな板に乗せると美味しそうですよね。(笑)

いかにも食用魚!といった見た目をしています。因みに身のほうはかなり白いです。

カンパチの透明感やこのサイズのブリの赤い感じは感じられず、特別脂のあるわけでも無さそうですがやや白濁した身をしています。

 

 

アイブリの捌き方・調理

 

このあとは皮つきの頭寄りの大きいところをから2切れ切り身にして、尾鰭に行くにつれて一口大にカットしていきます。

 

半身は皮を引いてお刺身用、そして揚げないブリのカツをご紹介します。

カマは塩焼きにします。

 

では揚げないブリカツの調理法です。

まずパン粉に色付けるためにサラダ油を軽く敷いたフライパンで煎ります。こんがりキツネ色になれば取り出します。

 

続いてアイブリの切り身はお刺身サイズにカットして塩胡椒を振ります。

 

こちらを卵、小麦粉の順につけてから先ほど煎ったパン粉をまぶします。

 

これをオーブントースターで焦げないよう気をつけながら焼けば完成!

油で揚げないのでカツなのにヘルシーにさっぱり食べられます。

料理の方はまた後ほど紹介します!

 

 

ブリに匹敵!?アイブリ料理

ブリの照り焼きならぬアイブリの照り焼き

切り身を使用し、両面を焼いてからタレを流し込み仕上げました。

照りも出てかなり美味しそうに仕上がりました。

 

さて、お味は…

 

あ!美味しい!!

ブリと比較すれば、血合いが小さい為旨味が詰まってる層は少ないものの、身はほぐれやすく脂のジューシーさも感じられます。

そして皮目の旨味はブリそのもの!

 

このアイブリと同じ位のサイズのブリの若魚、イナダだとアイブリの方が美味しいかなぁ…。

どちらも美味しいものの、同じサイズだと過程すればアイブリの勝ちだと思います。

 

アイブリ大根

続いてはブリと言えばの調理法、ブリ大根で試してみます。

大根とじっくり炊くこと45分、旨味が染み込んだところを見極め取り出します。

 

 

味の方はかなりイケます。

こちらはブリより美味しいといった感覚はなく、そもそもブリとは別物として捉えられます。

あまり似てはいないかな。

 

血合いが薄いせいか、青魚の旨味があまり感じられません。

そして他の魚を大根と炊くということをまずしないので、そこでブリではない(似ていない)と脳が判断するに至りました。

しかしこれはこれで美味いものです。

 

他の同様の身質のものはパサついてしまったりする事が想像できますが、アイブリはボソつかないと言う点がかなり評価出来ます。

 

アイブリのお刺身

ブリのお刺身も外せませんよね。

直接食べ比べる訳ではありませんが、やはりこちらは試しておきたいところ。

お腹のサシが入ったところを頂きます。

 

プリプリと繊維がほぐれていきます。

過去に食べたものだとカマスサワラに近い感じ。

ミカンの薄皮を剥いた中身のように、粒状の筋肉が連なってプリプリほぐれていく感じです。

脂はありますが、見た目ほどのっていませんでした。ブリで言う血合いの青魚の風味が感じられません。これはブリではないな…。

 

ややほっそりとした個体なので、もっと肥えているものは脂ののりも変わってくるかと思います。

だからといって決して美味しくない訳ではありません。

 

寿司にしたらシャリと溶け合い程よい具合に馴染むと思います。ブリとして考えて食べると想像と違ってくる。しかし白身魚としては上等な、そんな魚です。

 

アイブリの塩焼き(カマ)

続いては塩焼きです。

煮付けと悩みましたが、ブリ大根の方で煮物はやっているのでアジと言えばの塩焼きで試してみました。

 

これが堪らなく美味いんです…!

カマ付近はどんな魚でもプリプリの身が詰まっています。

 

そして脂は火を通すことで全力を出してくるので、甘味が増して絶品!

最も脂ののる部位なのでそれはもう美味しい事間違いなし!

 

アイブリの寿司(握り・炙り)

余った切り身を握りにしてみました。

片方は炙りで頂きます。

 

まずはそのままのものから、わさびと醤油でシンプルに。

 

脂の層がほんのりと浮かび上がります。

先ほど刺身でも紹介しましたが、やはり寿司に合います。シャリと馴染んでよく溶けること。溶けること。 たまりません。ほんのり甘いのもまた美味しさを加速させます。

 

炙りはどうでしょう。

 

これが意外にもそのままのものの方が美味しいかも知れません。

というのも、脂のノリが十分ではないのです。

表面ではジュワジュワと音を立てますが、すぐに乾いてしまいバサッとする、白身魚によくある質感です。

 

脂はあるはずなのに、思いの外上手く活かせる事が出来ません。香ばしさのある無しくらいの違いでした。

柑橘搾ると美味しいかも。

 

アイブリカツ丼

お待たせしました!今回の目玉、ブリカツ丼です。

 

ソースではなく某とんかつ屋さんのドレッシングでさっぱりと頂きます!

 

う、うまい!!

揚げてないのにまるで揚げ物。しかしヘルシーな魚の旨味もしっかりと感じます。

 

身もホクホクと旨味が逃げ出していません。

そして柚木ドレッシングがとてもよく合います。

 

魚にはこういうさっぱりしたもので良いかも知れません。

初めての調理法でしたが、あっという間にペロリ。

美味しいのでブリでもアイブリでも是非お試しあれ!

 

 

アイブリの評価

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格は比較的安価ですが、場所によっては知名度の割に高いと思います。

マチマチと言うことで☆の数は3

コスパは余すことなく使い切れます。標本にするために登場しませんでしたが、頭もブリ大根なんかで食べられます。

なんといってもこの魚は珍しい。とにかく珍しい。群で暮らさない為、定置網に入ってもせいぜい数匹だそうです。

この魚は美味しいのにあまり流通しないタイプですね。というのも、まとまって採れないからまとめて送ることが出来ないタイプ。わざわざ一匹だけで送ると送料や手間で赤字になってしまいます。

なので鮮魚セットの1魚種や、知る人ぞ知る美味い魚として変わった魚を扱うお店なら好んで仕入れる事があるかも知れません。

経験談でカンパチとして入荷してきたものが本種だったという事がありましたが、まずほぼその場面に出会う事は少ないのでカンパチの中から紛れているものを探すのは得策ではないでしょう。

 

総合的に見るとブリそっくり!という訳ではありませんが、白身魚としてかなり美味しい部類だと思います。

 

珍魚というものは狙ってもなかなか手に入らない、そんな楽しさがあります。

普段見ないような魚でも絶品!ということもあるので、この機会に試されてみては如何でしょうか♪

 

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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