“脂ニシン“をご存知?サンマだけじゃない!秋に美味しい青魚!
こんにちは!夢海です🐟️
突然ですが、皆さんは秋に美味しい魚といえば何を思い浮かべるでしょうか?
近年高騰気味のサンマ、イクラも食べたい秋鮭
この時期のカツオは戻りガツオとして食べられたりしますね。
そんな美味しい魚が多い中、この時期に”呼び名が変わるほど美味いやつ”がいることをご存知でしょうか?
目次
脂ニシンの特徴
今回用意したのはニシンという魚。
かつては年間漁獲量が100万トンと、北海道で山のように獲れる魚でしたが1990年代~2000年代にはほぼ漁獲はゼロ。
幻の魚なんて呼ばれるほどその姿を消しました。
しかし、近年では徐々に漁獲量が増えてきており、直近のデータでは1万トンを超えるなど、かつての1%ほどにしか満たないものの増加傾向にある魚なんです!
名前は知ってるけどどんな魚か詳しくは知らない、なんて方も居るかと思います。
お正月に食べたいプチプチ食感の数の子はニシンの卵ですし、
小学校で踊った事のある方も多いのではないでしょうか、
「ソーラン節」はニシン漁を歌った歌でもあります。
知らなそうで意外と触れたことのある魚なのではないでしょうか。
さてそんなニシンの旬は卵や白子を抱える春先と、
秋のニシンがこれまた美味しいんです。
この時期のニシンは卵を持たないのですが、その代わりに身に栄養全振り。
通常でも濃い脂がさらに強くなり、「脂ニシン」として流通します。
なのでこの様にでっぷり身が丸く、厚みもあります。
今回のものは北海道厚岸産。
毎度お世話になっている上野吉池さんにて購入しました。
1尾¥380
デブロク(大きさのバラつき)も少ない魚なので、重量でなく1尾単位で売られる事が多いのは、他にサンマやアジ、イワシなどの青魚全般に言えます。
鮮度は抜群!鱗が落ちやすい上、主に刺し網で漁獲されることが多い為体はつやっとしています。
重さは350グラム前後。
キロあたり¥1000として考えられます。だとすると安い。サンマを重量で換算すると、2022年9月はこの2~3倍の相場です。
3枚に開きました。脂がとにかくすごい。
皮と身の間に脂が多く、皮もツルッと引けてしまいます。
脂たっぷりの旬のニシンをおいしく頂いちゃいましょう!
脂ニシンの料理
脂ニシンの刺身
まずは…生で!
ニシンは主に加熱して提供されることが多く、生で食べられる事を意外に思う方は少なくありません。
今回、一度も凍結していない純生の状態ですが、寄生虫(アニサキス)のいる可能性のある魚なので、生食の場合は5日以上冷凍してから喫食してください。
近年寿司屋でも提供されることのある脂ニシン。漁獲が増え、この魚の美味さが認められつつあるように感じます。
今回はわさび醤油で。生姜にも合うのでお好みで。
ちょんと醤油に付けるだけで溢れる脂!
口へ運ぶと途端に溶け出します。
広がる青魚の旨味、とてつもない程の脂。
脂ののった魚が好まれる昨今。
しかし一方で、単純に脂が強すぎるとよいという訳でもなく、脂肪の多い魚は飽きが来るのが早いもの。
このニシンも見た目でお腹いっぱいなんて方もいるかも知れません。しかしこれが不思議とマイワシより食べやすいものなのです。
脂の濃度が違うのか、ベッタリまとわりつくのでは無く、サラサラに感じて後味はスッキリします。
ニシンフライ
脂の多い魚を揚げたらギトギトになりそうと思う方はいると思います。僕もそうでした。
しかしこれがちょうどいい美味さなんですよ!!
水分が幾らか飛んでしまう分、身の脂がジューシーさを保ってくれます。
そして今回のネタはニシンという青魚。
旨味たっぷりでジューシーと、こんな美味いフライでごめんなさい。というレベル!!
脂ニシンの塩焼き
骨切りして焼きました。
しかしこの骨切りが驚く結果をもたらしました。
焼きはじめて3分ほど、バチバチと音を立て始め火事が起きんじゃないかというほど豪勢な音を立てながら待つこと7分。
上手に焼けました~!
コンロを開けると、青魚の焼けた旨味を含んだ香りがぶわっと広がり部屋中に蔓延します。
脂がバチバチとはじけており、半分揚げ焼きのような状態に。
骨切りして骨を露出させたからなのか、その揚げ焼き状態で骨がカリッと揚がってしまったのです。
ふわふわな身の隙間から、香ばしいかおりと共にカリッとした食感で存在感を出してきます。
一番太い背骨を残して、鰭までうまいうまいと食べ尽くしてしまいました。
さらさらでキツくない脂。
まるで水で薄めたんじゃないかというくらいに粘度の低い脂ですが、甘味がしっかりあります。
脂ニシンの煮付け
最後は煮付けで!
醤油で甘辛く煮付けたニシンが大好きで、仕上げにゆずのペーストを入れ風味豊かにしています。
身はふわっと柔らかく炊き上がり、脂が汁にまで溢れ出ています。
脂ニシンの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・・☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・価格は高くない魚。1尾幾らと売られるのはデブロク(大小の大きさの違い)があまりない青魚によく見られる売り方。ケース当たり幾らと競り場に並ぶが、これをキロに換算してもキロあたり¥1000に届くことも少ない。
コスパ
・ニシン目の魚は、悪くはないものの意外に身が取れないという勝手な印象。腹周りに骨が発達しているのはイワシやヒラも同様。
珍しさ
・決して珍しいものではない。しかし脂ニシンを求めるのであれば季節に気をつけたいところ。脂ニシンは秋に出回るもの。安価なため扱いやすく、スーパーでも普通に並ぶ。
味
・脂こい魚が苦手という方には薦められないほど脂が強く、旨味も濃い。脂も雑な味でなく上品なさらりとした質。
今回は秋に美味しい脂ニシンと呼ばれるものを購入してみました。
やはり脂のノリが違う…!!そしてイワシよりも脂がサラサラとしており、飽きが来ません。
秋の青魚といえばやっぱりサンマ!しかし今年はなかなか高いです…。
そんなサンマに打って変わって扱えるのがこの脂ニシンと個人的に思えます。
漁獲量がやや復活しつつはあるものの、それでも最盛期の百分の一程度の水揚げ量。
同じ歴史を辿らないようにするためにも、水産資源とはどういうものなのか、改めて学びたいですね。
お刺身も絶品ですが、個人で調理される際はくれぐれも冷凍をお忘れずに…。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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