縁起のいい!?一富士ニ鷹三茄子を食材で揃えて調理してみた

新年明けましておめでとうございます。

今年も夢海をどうぞ宜しくお願い致します。

 

さてさて、新年一発目ということで、今回は縁起の良さそうなものを作りたく食材を買い揃えて来ました。

 

一富士ニ鷹三茄子ということで、フジッコさんの昆布、タカノハダイ、茄子はそのままナスをチョイス。

食材で一富士ニ鷹三茄子を揃えてみました!

 

2022年、初捌きはこれにすると決め見かけなければずっと魚が捌けないなんて縛りを導入しましたが、思いの外早めに見つかってくれて一安心。

魚屋や市場などで探しましたが、「ない、ない。」と何周もぐるぐるぐると回りました。

ようやく見つけた三重県産。大きさもまずまずで厚みがあり良さげな個体に巡り会えました。

 

キロあたり¥700、まあ妥当な価格かな。

産地ではより安いのだろうけど。

 

身ににおいが付きやすく、夏場なんかは特に美味しくないという評価で元は未利用魚とよばれる、活用されることの少ない雑魚の類でした。

しかしこの冬場には脂がのり臭みも薄れる為探すならこの冬場。

他に"タカ"の付く海産物を探すも一苦労なので、このタカノハダイがいてくれて助かりました。

 

"実は3尾買わされてニ鷹じゃないんだけどね"

 

「残り3本だから買ってくれ」と。

週末の店じまい最中の為在庫を吐き出したかったのでしょう。

幾らか値引いてくれました。

 

お店の為にも、魚の為にもなると考え買ってきました。

日持ちもするので白身は調理法が広いので、いくらかあってもそれほど困らないしまあいいか。と。

 

タカノハダイは鱗が非常に硬く、自動の鱗取り器ですらビクともしない強度の持ち主。

なので私は基本鱗付きで調理しています。

 

身は白濁しているしっとりとした身質。

野締めなので血が回り、もう少し赤みがかった見た目を想像していましたが予想よりも良さげな個体です。

 

内臓なんかが臭い事の多い魚ですが冬場の個体はやはり上物。

におわなければ身質も上々。いいタイミングにいいものを買えると嬉しいものです。

 

今回はとりあえず一富士ニ鷹三茄子を使い、作りたかったものの仕込みに取りかかります。

 

まずはダシ取り。タカノハダイの中骨を薄い塩をふり焼き上げます。

焼きあらをじっくり30分、昆布や酒と煮込みじっくり抽出。

 

見事黄金色のダシの抽出に成功しました。

このサラサラの脂と焼いたあらの香ばしさが詰まった汁を使い鍋にします。

 

オープン~

 

黒い食材が多く彩りが感じられませんが…

これが考案していた一富士ニ鷹三茄子鍋!

 

タカノハダイはダシだけでなく、なんとかして鱗を落としたタカノハダイの切り身を一度焼いてから入れています。

ナスも色が汁に溶け出してしまうので焼きなすにしてから鍋へ。

 

フジッコの昆布は器に入れてから添えます。

 

これぞ究極の縁起物!年明けてから10日ほどかかりましたがやっと、やっと作れました!

 

焼いたタカノハダイは厚い皮がパリッと食感になり、脂が溶け出しています。

純粋に茹でるよりも下処理として加熱まで行った方がより美味しさを感じられる魚です。

焼きなすも美味けりゃ鍋に昆布も悪いもんじゃないな。なんて考えつつあっという間にペロリと。

 

美味い残り汁は雑炊にします。

冬場はこれが楽しみで頻繁に鍋物を作ります

 

こちらには鰹節と昆布も忘れずに散らして完成。

薄味で仕上げた汁に昆布を乗せれば程よい塩気で食べやすいです。

鍋は濃い味の食材を添えてみてもよく合いますね。

新しい発見と共に、めでたい縁起物を頂きました。

 

タカノハダイの天ぷら

続いて天ぷらを頂きましょう!

見栄えが美しいのですが、ほんのり残る血合いがやや茶色くなってしまうので切り方に工夫が必要です。

 

味の方はやや磯の風味が出てしまいますが、気になる程ではないのに重ね、瞬時に適正な処理を行えば問題のないものと思います。

正直これといって特徴があるかと言うと、割と無難な白身の天ぷらです。

 

タカノハダイの刺身

色に違いが見られますが、どちらも同じタカノハダイ。

個体によって違うのか、純粋に血が身に回ってしまったようにも思えますが刺身で食べ比べてみようと思います。

 

右の赤みがかった方はあっさり。見た目も半透明で、旨味のすくない印象。

 

一方で左の白いほう。これは予測する方も多いでしょうが脂でした。

一体なんの差なのか、味わいも全く異なります。

磯の風味があるない、といった違いも特別感じられず、ガチャ要素の強い魚である気もします。

ただ3尾いたうち1尾は痩せ気味だったような。

 

タカノハダイの握り

先ほどの刺身は背を使い、こちらはシャリの甘さと口いっぱいに広がる脂の甘味を合わせたいと思い腹を使用

 

近年では扱う寿司屋もちらほら見かけます。

特に白身ネタの多いお店だとエンカウント率が高いんじゃないかな。

 

味はというと寿司でちょうどよい旨味と甘味。夏のしょっこ(カンパチの若魚)を思い出すような身質で、こってりとしたウニやマグロばかりを食べるなら間に挟んでリセットしたい、そんな魚です。

白身といえばタカノハ!というような王道的ポジションにはいないものの、色んな地魚扱ってるよ!なんてお店で見かける顔ぶれです。

 

タカノハフライ

最後はフライにしました。

余った白身は最後にはフライにしてしまいます。

 

タルタルで頂きました。

美味しかったです。

 

小学生の夏の日記みたいですが本当にそれ以上てもそれ以下でもない普通に美味しいフライ。

高級魚に登り詰める事はなくとも、未利用魚として無視して扱わないのは勿体ないそんな魚です。

 

 

タカノハダイの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・まずは価格から。主に西の産地が多く、関東近郊でまとまるとすれば千葉の南の方。あとはポツポツとしたまとまらない水揚げで、基本的には混じりで売られていたり。

 

コスパ

・頭が小さく、また身もふっくらした体系で可食部は多い方。あらもダシが出るので捨てずに利用して欲しいです。

 

珍しさ

・未利用魚という立場上、流通に乗ることの少ない魚でしたが"実は美味い"と認められつつあり、見かけることも増えました。買うなら冬がオススメ!

 

・夏と冬で評価がガラッと変わる魚。加熱すればほかの魚と遜色ないものの個性も少ない。是非冬場の新鮮なものか手に入れば生食でいってみてほしい。☆3つでは物足りないとも思えたところからも、☆3.5~4。

 

今回は演技のいい、一富士ニ鷹三茄子を再現すべく、タカノハダイを中心に買い揃えてみました。

ほかの魚で代用するとなるとなかなか見当がつかないので、再現するのであればタカノハダイは適役でしょう。

 

来年の新年一発目、魚捌きにタカノハダイは如何でしょうか。

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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