衝動買いしたくなる大きなトモメヒカリ

こんにちは、夢海です🐟

 

2023年は魚関係の繫がりで多くの方とお話する機会がありました。

 

その中で、

「いつもどのような魚を選んで買っているのですか?」

という質問を多くいただき、その度に

「8割は衝動的に購入しています。」

と返していました。

 

というのも殆どが衝動買いのようなもので、「これは食べておかねばならぬ。」という個体として良いものや、「この種は久しぶりに見たor初めてみた」という種類として良いものの2択。

当然入荷に左右されるわけで、願ったものが入るのであれば今頃1000種類以上は食べている事でしょう。

ちなみに残りの2割は大衆魚や季節ものです。(秋には筋子を買い、冬にはブリの柵を買う。)

 

さて、こんな前置きにどんな意味があるのかと言うと、間もなくクリスマスだの年末だので世間や市場がソワソワしだす12月中旬。

スキマ時間を見ては魚屋に繰り出している私はいつもと変わらず、吉池さんへ立ち寄っていました。

 

 

トモメヒカリの特徴

 

今回、衝動的に買ってしまったものは島根県産トモメヒカリ。

産地としても珍しいのですが、何よりも面白いのがそのサイズ感。

メヒカリというとパック売りで、大体10尾前後入って1000円しないくらい。1尾25g稀に大きいものが混じって50gそこら。

そんなものが多いな中、今回のトモメヒカリは2尾でパッキングされており、1つあたりの内容量が300グラムを超えているという驚きのサイズ感。

 

これは一番大きいものから買ってくしか無い!と、魚のサイズとグラム表記を見ながら2パック買ってきました。

 

↑購入した中で最も大きかった個体(26.6cm・202グラム)

メヒカリどころか用途や大きさが近いシロギスと比較してもかなり大きいです。

 

今回はそんなトモメヒカリを2パック、4尾分購入してきました。

 

緑色の"光目"

アオメエソは小さいため可愛らしくも思えますが、ここまで大きいと不気味さも覚えます。

 

トモメヒカリ自体、入荷は珍しくなく市場でも稀に見かけます。

しかし殆ど「めひかり」として扱われ、その目光としては異様なサイズ感からか、本種アオメエソに比べやや安値で扱われます。

 

しかも嬉しいことに今回の個体は鮮度がよろしい!

これは色々と試したくなります。

 

 

トモメヒカリの料理

トモメヒカリのお造り

鮮度よし、ならば当然刺身で!

味を知るにはまず刺身から。という意見もありますが、味を知るには焼きが一番。刺身はあくまで身質を確かめるものだと思います。

 

つまり購入した魚を美味しく食べるのであればまずは刺身にして身質を見るべし!ひとまず生で食べてから他の調理法は考えましょ。というのが私の魚との向き合い方になります。

 

 

ところがどっこい、この刺身が想像以上に美味でした。

味そのものは淡白ですが、深く深く汲み取ると、トモメヒカリの爽やかな香りがあり、舌触りはしとっとした脂の混じった旨味を感じます。

 

トモメヒカリの握り

刺身がなかなかに美味かった為、1尾分を寿司しました。

 

メヒカリとして流通するアオメエソを生で食べたのは、もう5年も前に那珂湊近くの寿司屋にて。

 

沖から戻ってきた船が競りにかけられてすぐのものを握りで頂いたことがあり、鮮度ゆえのもっちりと反発する肉の食感と、水揚げ後すぐとは思えない非常に強い甘みが感じられるという面白いものでした。

 

しかしトモメヒカリはまた違った美味しさがあり、脂こってりではなくほんのりとした甘さと爽やかさがあります。

そして根気よく抜いたつもりが、残っていた小骨のお陰でよりサヨリのような繊細な青魚らしさも感じられ、合わせるべきはわさびでなく生姜であったとここで気がつきます。

寿司にすると白身というよりも青魚に近い印象を持ち、この魚の面白さにより深く触れました。

 

トモメヒカリの一夜干し

メヒカリの一夜干しというと丸干しかドレスの状態のものを干した姿で売られることが多いですが、ここでは開きにしてみます。

 

身は真っ白だが透明感があり、脂は少ない様子。

表面がしとっとしてきたら焦げないよう焼き上げていきます。

 

一般的なメヒカリの一夜干しは、1尾ではまず物足りないサイズなものの、トモメヒカリは1人前には十分な大きさ。

 

一般的なメヒカリ(アオメエソ)に比べると、やはり脂は少なめ。

このおかげでトモメヒカリそのものの繊細な旨味がハッキリと味わえます。

 

食感もまた身の色のように、淡雪のような軽い食感。肉の繊細が口の中でほどけていく様子がわかります。

繊細ながら存在感があり、しっかり美味い。安かったので沢山購入し、干したものを冷凍しておいても良かったかな。

 

トモメヒカリフライ

最後は1尾を開き、豪快にフライにしてみました。

単価を考えればなかなかに高級なフライとなりますが、これが惣菜的な意味で抜群にうまし。

(金額的な観点を置いておき)手軽に食べられる美味しさがあります。

 

身は柔らかく細かな繊維質で、ふわっと軽い仕上がりになりました。

アオメエソと比較すると魚の脂が少なく、揚げても油と合わさり重たくならず、軽やかな仕上がりになります。

揚げ物にするには、個人的にはトモメヒカリの方が美味しく仕上がると思いました。

 

 

トモメヒカリの評価

 

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

価格

・それほど高くない。単価を見ると通常のメヒカリ(アオメエソ)よりもやや安い事が多い。

 

コスパ

・小振りな魚なので歩留まりがよい。頭も大きくなく、しっかり身が取れる。

 

珍しさ

・探せば入手可能。豊洲でも度々見かけはするが、どれほどの方が区別出来るか興味がある。

 

・可もなく不可もなく。一般的な"めひかり"に比べると脂が薄く味わいに掛ける。一方で揚げ物にするには断然こちらが美味いと思う。

 

 

今回は大型のメヒカリ、トモメヒカリを購入し食べてみました。

メヒカリ(あおめえそ)と比較したくなるところですが、これはまた別の魚として美味いという捉え方が正解なのではないかと思います。

一般的にメヒカリを生で食べるという事が少なく、そんな比較対象がいて話題性があり、食材として面白い魚だと思います。

 

見かけた際は大きめのものを選んでみるべし!

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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