初食いのスナガレイは食べ方いろいろ
こんにちは、夢海です🐟
私はこれまでに600種類以上の魚を食し、多い時には年間で100種類近く食べることもあります。
当然それだけ食べていれば、未食のものになかなか出会えなくなり、今回の魚は2ヶ月ぶりに入手した未食魚になります。
目次
スナガレイの特徴
今回の魚はスナガレイというカレイの仲間。
一見、何の変哲もない平凡なカレイに見えます。
実際カレイ類は見分けるポイントが乏しく、よく見慣れない方であれば「どれも背は茶色く腹は白い魚だ。」という印象でしょう。(実際そうですが…)
この魚、個体数的に見ると決して珍しい訳では無いものの、小ぶりであり単価が安いなどの理由で流通に乗ることが少ないため、なかなか出会えません。
そんな素晴らしき魚をどこで入手したかというと、日本の台所豊洲や築地ではなく、近頃見つけた優秀なスーパーでした。
さて、イシガレイは石のような鱗があるからイシガレイになった。というのは過去にもご紹介した事があったかと思います。
では砂もまた鱗由来なのか。というとこちらは模様が砂模様だから。とされています。
(カレイはみな砂柄をしているんじゃないかというのもさておき)
所々色褪せてしまっていますが、細かい班があり、確かにサラサラとした砂のような模様です。
他のカレイ類と比べると体色もやや淡く、名前の由来がなんとなくわかる気がします。
↑マコガレイ
このカレイの特徴は口がニュッと長いこと。
頭は尖り、細い顔つきをしています。
裏返してみると、マガレイのような黄色いラインがヒレを縁取り、尾鰭基部で繋がります。
顔の細さも無眼側の方が目立ち判別しやすい。
裏面は黄色いライン以外は特にこれといって特徴が薄いです。
鱗は薄く剥がれにくく、裏面は目立たないため調理前は要確認。
皮を剥がしてしまう、揚げるなどであればそれほど気にしなくても問題はありませんが、煮つけなどで残っていると、美味いものでも鱗が気になり台無しになってしまいます。
卸してみると他のカレイと同様かやや遅い産卵期のようで、タラコのような鮮やかなオレンジ色をした卵を抱えていました。
カレイの卵は無眼側を見れば腹が薄っすら赤くなっているのが確認でき、子持ちだし煮つけにするか。なんて判断も出来ますが、この派手な色をしていても皮が厚い為か外見では判別できませんでした。
この卵を残したままの半身(無眼側)を骨付きで調理、外した半身は刺身にしてみます。
スナガレイの料理
スナガレイのお造り
今回は単に刺身で。
昆布締めにしても良いでしょうが、見切り品であったこともありいち早く消費してしまいました。
2枚あったうちの、より身に厚みのあるものを卸しました。
本来惣菜魚用のもので刺身ではまず食べない魚でしょうが、鮮度感は悪くなく、初魚種というところもありとりあえず半身は食べておくという判断で造りました。
北に多い魚であるため身は水分が多いものの、脂の甘味がほんのりとあり不味くはありません。
しかしこれといって存在感が強い訳でもなく、どことなくぼやけた印象。
小型のカレイらしい雪のような淡い味わいで、存在感は薄いものの個性がある刺身でした。
塩をして水分を抜く、昆布〆にするなど、ひと手間加えてあげれば刺身としても優秀な魚です。
大型のものが手に入れば試してみる価値はあります。
スナガレイの唐揚げ
1尾は頭と内蔵を落として切れ込みをいれ、丸ごと唐揚げに。
揚がったものに塩を振り、お好みでレモン汁を垂らすという一般的な食べ方で。
程よく身に水分を含み、これが抜けてカラッと鰭も身も軽く揚がります。
中骨は流石に硬く食べられないものの、ザックザクと豪快に食べられ非常にうまい。
(近年は流通網の発達や仕立てが良いものもあり一概には言えないものの)この手の北の魚は鮮度がよろしくない事もあるため、本来こういった魚はこんな食べ方をするべきなのなも知れません。
サイズ感や厚みからしても、このカレイは特に唐揚げに向くと感じました。
スナガレイの一夜干し
最後は一夜干しに。
皮は硬く身は柔らかく、箸では少々食べにくいのでこちらも手で持ってはかぶりつきます。
これがほどける時に香り立つのではないかと思います。
カレイ類はまさにそんな魚で、今回のスナガレイもまた細かい線維で香りが際立ちます。
半身だけでの調理なので身が薄くなってしまい、食べごたえというものは弱いですが、皮そのものにも旨味があり、背骨からベリベリと剥がしたらほぐしながらかぶりつきます。
"おかず"というよりはスルメなどの"つまみ"的な美味しさがあり、千切ってはちびちび食べる楽しさがありました。
おかずであれば単に塩焼きでもよし。
塩をして少々置いておくのがオススメ。
スナガレイの評価
価格 ・・・・☆
コスパ ・・・☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格
・非常に安い。魚体も小さいため単価も
コスパ
・小型魚であるため歩留まりは良くない。身も薄いため卸して使用するよりも姿で使いたい。唐揚げに適している。
珍しさ
・個人的には珍しい魚なのではないかと思う。市場で見たこともなく、今回並んでいるのを初めて見かけた。個体数的には多いであろうものだが、安い魚であるため流通になかなか乗らないようだ。
味
・淡白で無難な美味さ。刺身で食べるよりも干物や唐揚げが良い。餡掛けにしてもいいし、惣菜的な魚。しかし繊細な旨味があり香り立ちがいい。工夫次第でいくらでも変幻自在に扱える。
今回は初めて入手したスナガレイを堪能しました。
一般的に流通する魚は一通り食べてしまったつもりではあるので、未だ出会えていない魚にふと出会えた時の舞い上がる気持ちは今も昔も変わりません。
次入手する未食のカレイはよく似たハナガレイかな。それとも南方のダルマガレイ系かな。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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