遠い遠い南米からやってくるラプラタユメカサゴを食べてみた

2023年2月25日

こんにちは!夢海です🐟️

今回は遙々地球の反対側からやってきたお魚を入手したので美味しく頂いていきます😋

 

 

ラプラタユメカサゴの特徴

今日のお魚はラプラタユメカサゴ。

すらっと言われると思わず聞き直してしまいそうな聞き慣れない単語がならんでいます。

 

一つ一つ紐解いていくと、「ラプラタ」は南米を指す言葉。アルゼンチンの都市の一つにもラプラタという街がありますが、由来はいずれか。

今回の個体はアルゼンチンと同じくウルグアイ産になります。

 

外見はいわゆる赤魚と呼ばれる魚の類いで、分類学で見ていくと日本にも生息するユメカサゴの仲間。

 

比較して見てみると似てはいますが、実は鰭の位置が異なったり、体色の個体がある種類ですが模様の雰囲気も異なります。

 

今回はこのラプラタユメカサゴを4尾購入。

どれもセミドレスと呼ばれる加工を施されており、鰓と内蔵、鱗の取られた状態になります。

 

そのため調理をする上では加工がし易く扱いやすいため、業務用で輸入されることもしばしば。

聞き慣れない魚でも、昨晩のディナーに使われていたのが本種、なんてこともあり得なくはありません。

 

折角なのでセミドレスについて少し触れましょう。

セミドレスの「セミ」とは半分を意味する「semi」からきており、ドレスという状態も存在しています。

ドレスの意味はというと、「ヘッドレス」。直訳すると頭を取ったという事で、意味もそのまま。

普通、頭だけでなく内蔵、鰓と鱗もセットとなっており、

 

ヘッドレス="頭だけ"を落とした状態で内蔵はそのまま。

なんてことはなく、基本的にはそのまま調理に使える状態です。

 

文字だけでは分かりにくいかと思うので画像付きで再度説明すると…

 

鱗は全く付いていない状態で、肛門からカマに届くところまで開き、内臓、鰓が抜かれています。

ここから頭とカマを取り除くとドレスとなる訳です。

 

水産系のお話はここらで、ラプラタユメカサゴの観察を続けましょう。

 

日本国内では、ユメカサゴを「のどぐろ」と呼ぶ地域があり、その名の通り黒い喉をしています。

 

ここで気をつけたいのが、うまいうまいと世間で騒がれる「のどぐろ」との違い。

このユメカサゴものどぐろと呼ばれる魚ではありますが、メディアで紹介される"のどぐろ"といえば「アカムツ」の事を指します。どちらも赤い体色で呼び名も同じ、ややこしいですが脂のノリが全然違い、価格も倍以上違う事も多いです。地方名として根付いているので「偽装」や「詐欺」ではありません。

しかし、脂の乗った「のどぐろ」を期待して食べてガッカリしない為にも、見分け方に軽く触れておきましょう。

 

こちらが有名なのどぐろのアカムツと呼ばれる魚。

顔が上下対照的で、口が顔の真ん中に来ます。ウロコが大きく、光沢があるのも特徴です!

 

一方でユメカサゴ。こちらは色彩の差があり、濃い赤色をしたものや、ややオレンジ色の見た目のものなどもいます。

目が大きく、口が下よりに付いており、新幹線のようなシャープな顔つきをしています。

太平洋側、主に深海魚漁の盛んな静岡や、太平洋側の地域で売られている干物の「のどぐろ」はユメカサゴの場合が多いです。

 

今回は少し漁業的な面もお話してみましたが、今後もこういった“タメになる情報“を仕入れた際はどんどん書いていこうと思います。

またまた話を脱線してきたところでラプラタユメカサゴに話を戻しましょう。

 

背鰭の棘が日本のユメカサゴに比べてやや多く、体高も低いです。

 

顔はシャープな顔つき。大きな可愛らしい目は日本産のものとにています。

 

身はややスポンジ状。

卸しにくいことからも、姿のまま使うべきものですね。

 

 

ラプラタユメカサゴの料理

今回は4品作ってみました!

一つ一つ紹介~

 

ラプラタユメカサゴフライ

まずはフライから!

うにクリームコロッケを添えて洋風に。

 

ソースをかけて頂きます!

 

身はふっくらふくらみ、旨味も凝縮されています。

生の状態でもユメカサゴと同じような身質なのであれば、水分が多い魚なのでしょう。スポンジ状の身は水分が多い魚を冷凍したときによく見られます。

しかし食べる分には問題なし。寧ろ水分が抜けることにより、旨味が凝縮されて味が濃いです。

 

ラプラタユメカサゴの煮付け

和食からは煮付けを選出。カサゴと言えば煮付けですよね!

 

ラプラタユメカサゴもまたその対象から外れておらず、細かな身がプリプリとはじけ、その隙間に甘辛い汁が吸い込む様子はどのカサゴの煮付けにも劣りません。

薄いながらも腹周りに混在する甘い脂は煮汁と相性がよく、合わさることで深みが生まれます。

 

ラプラタユメカサゴの塩焼き

これがとても美味く、長いこと冷凍保存され水分が抜けたことで旨味がつまり、塩がそれを引き立たせます。

身はぷりんとしており、食べ応えは抜群!

干してないのに干物のようにうまさが凝縮感されたような感覚でした。

 

ラプラタユメカサゴのアクアパッツァ

最後はアクアパッツァ!

大きな広島産の牡蠣と桜エビを散らして魚介の旨味を閉じ込めてみました。

野菜はナスと春らしく芽キャベツをチョイス。

 

仕上げにチーズを散らしてバーナーで軽くあぶります。

 

ちょっと豪華な朝食の完成!

コーヒーとよく合う魚料理だと個人的に思います。

 

大ぶりの広島県産カキも贅沢に投入!

いつも使う食材を少し変えてみても面白いですね。

煮込み料理のアクアパッツァは特に個性が浮き出てくるため、色々と試してみたくなります。

 

 

ラプラタユメカサゴの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

価格

・赤魚の類で、冷凍のものは非常に安い。チルドのユメカサゴに安さを求めるのであればこちらをオススメしたい。

 

コスパ

・過食部は多いとは言えない。☆2,5クラス。姿料理に使いたい。

 

珍しさ

・外国産ということもあり、業者向けで取引されることが多く、スーパーなどにはあまり出回らない。水産関係でないと触れる機会は少ないが、知らずに外食で食べたカサゴが本種である場合は考えられる。

 

味わい

・冷凍魚だが劣化があまり見られず、旨味が凝縮している。このクオリティのものが安定供給出来ていると考えると、素晴らしい評価。無難にうまい。

 

こんなところでしょうか。

今回は日本からみて裏側、南米の海で獲れたユメカサゴ、ラプラタユメカサゴをご紹介しました!

 

実は昨晩レストランで食べた魚が海外で獲れた珍しい種類。なんて事は有り得なくない話です。

“赤魚やカレイといった食材として“の名前ではなく、どんな種類なんだろうと紐解いていくと意外にも身の回りには多くの魚がありふれています。

どこ産のこの輸入された魚はこんな種類が多い、なんて情報をまとめた自由研究とか楽しそうな気がします✨

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

広告