旬調査!人生で2度目のムラソイ
こんにちは、夢海です🐟️
いきなり寒くなった11月中旬。
そもそも本来はこの程度の寒さが普通の時期なのか。いや、よく分からない。なんてボヤきながら寒い寒い市場で手をこすりながら歩いていました。
目次
ムラソイの特徴
今回の魚はムラソイ。
荷の中のムラソイはどれも立派なもので、持つと重量感が伝わります。
オウゴンムラソイはやはり小型の種のようでやや小さく、同じ産地のものでも差が見られます。
岩手普代からやって来たもので、水氷仕立ての箱に9匹ほどで入ってやって来ています。
中にはオウゴンムラソイも混じっている様子でしたが、今回は通常のムラソイを選択。
稀な入荷なので意外に食べる機会が少なく、以前食べたのが3年ほど前に那珂湊の一番で活魚を〆ていただいたものを食べたきり。
かれこれ人生で2度目となります。
腹は膨れており、触るとゴツゴツしているので少し嫌な予感はするな。と思いながらも一番大きいものを購入。
持ち帰り仕込んでいきます。
持ち帰り腹を開くと膨れた胃袋と、小さめの肝が現れます。
触った時にゴツゴツと感じられたのはこの胃袋の内容物に触れていたからでしょう。
↑開けてみるとチゴダラが2尾入っていました。
まだ辛うじて原型はあるものの、表面が溶けかけていて食べるには少し消化されすぎてしまっているので今回は断念しました。
気になる胃の内容物も分かったので身は卸してしまい、この見るからにおいしそうなムラソイをささっと卸し、半身は皮を引き昆布締めに仕込みます。
もう片方は焼き用として使います。
この寒さなので煮付けもいいな。鍋もいいな。
なんてアレコレ考えていたものの、1尾ではどうこう出来ない量なので、考えを無にして食べたいものを欲望のままに作るとします。
ムラソイの料理
ムラソイの昆布締め
まずは昆布締めから。
ムラソイは比較的ソイ類の中でも身がしっかりしている印象。硬い質なので、案内内側まで昆布の旨味が染みていなかった。なんて思いもしましたが、ほんのりとした昆布の香りが返って心地良いものにもかんじます。
これをもみじおろしで頂きます。
汁や鍋で魚を食べることが増えてきたと思えば、刺身もまたソイなんかを昆布締めにしてもみじおろしで食べるなんて、こちらも冬らしくなってきたと感じられます。
筋は当たらずゴリッという食感はないものの、それに近い硬めの食感。
昆布の香りのあと追うようにソイのほのかな風味がありますが、基本は味が薄いもの。
塩で〆るなど、もう一工夫してもよかったかも。
前回ムラソイを食べた際は活〆を翌日に食べたので、身が硬くて当然といったものですが、氷〆と思われる今回の個体を食べたのは昆布締めに仕込んだ日数も考慮し水揚げ後3日は立っています。
それでも身に硬さがあり、残りの半身も5日は余裕でまだまだ寝かせられそうな様子。
ソイの中でも特に硬い身をしているものである印象を受けました。
ムラソイの肝味噌焼き
続いては残り半身に味噌と肝をたたいたものを塗って焼き上げた、名付けて肝味噌焼き。
肝が出てきた。煮付けるか。
なんて安直な調理しかできていなかったので、変化球を投げてみたく思いつき閃きのままに調理しました。
まずムラソイそのものの味は基本的に淡白。
皮付きにすることで風味がまして美味いものの、塩焼きにするならば干物にして凝縮させた方が圧倒的に美味い。と感じられるものです。
しかしここへ味噌の塩味と、肝から感じられる海の香りという天然の調味料が調和し、これが加わる事でムラソイの身の美味さが際立って感じられるようになります。
思いのほか肉汁があり、焼くことでジューシーさも十分。
皮は香ばしく焼き上がり、この硬めの食感が混じることで飽きさせません。
ここまで美味いとは思わず、気がつけば半身をペロリ。
七味やゆず皮を散らしてもよいなと考えたのは食後でした。
ソイの肝の使い道、新たに発見。
ムラソイの味噌汁
肌寒くなってきていたことに加え、アラだけが残っていたことを考えると味噌汁にしよう!と考えるのにはそう悩みませんでした。
アラは熱湯に一度落として汚れや鱗を取り除き、酒と昆布で合わせて煮出す。
仕上げに味噌を溶いたら合わせる野菜はお好みで。
今回は安くなり始めた三つ葉を選択。
ゴボウなどの根菜もあるとより臭みが抑えられ洗練された味となります。
ソイあら骨からいい出汁が取れ、おまけに頭部には肉が多く思いのほか食べられる場所が多い。
茶色い皮目は食欲をそそるのにいい見た目で、汁に浸かっているのを見るだけでも嬉しくなります。
今回は身と合わせて使ってしまいましたが、ここへ肝を溶いてもコクが生まれ美味なこと間違いなし。
久しぶりで1尾買ったことに満足してしまいました。
ムラソイの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・・☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格
・価格は安い部類。姿形はソイと名のつくものの中でも非常にカサゴに似ているものの、質の違いなのかカサゴほど高くはならない。2021年に茨城で買い求めたものも活魚でも比較的安かった。
コスパ
・歩留まりは頭が大きい分可食部はやや少ないもの。ほほ肉など頭部の周りにも肉が多くついているので活用したい。
珍しさ
・決して珍しいものではないが入荷は稀。まさに今回の産地である三陸や常磐が関東へ入荷する主な産地と思われる。西日本の産地のものを未だに見かけたことがない。
味
・味の大きさで言えばもの足りなさがあるが、それを補う硬い身質、肝などが特徴的。薄く造り肝和えといった方法も考えられる。加熱して美味。これまで見た中では寒い時期に流通することが多いように思えるので、汁や鍋に、煮つけも美味だ。ずんぐりとした体形で身が厚いので、温まる料理を作るのには適している。
冬の入り口が見えた市場で見つけたムラソイを食べてみました。
試し買いした貴重な1尾を大事に調理する中で、肝を身と焼くという美味しい方法を見つけられたので品数以上に満足しました。
しかし身の厚みを考えると煮つけ、鍋もまた美味いのだろうと想像つきます。
肝の大きさなどを見ると購入日の翌々週、12月中頃まではきっと最盛期のはず。また入ってくる事を静かに願います。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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