沖縄の代表”クマササハナムロ”を食べ尽くす

こんにちは!夢海です🐟️

今回は遙々南の沖縄の綺麗な海からお魚が届いていますのでこちらをご紹介していこうと思います!

 

 

沖縄代表の魚

今回ご紹介するのはこちら!!

 

真っ赤っかな如何にも南の海にいそうなお魚です。

この魚の名前はクマササハナムロと言います。

赤いお魚に見えますが、実は赤い魚ではないのです。

 

というのも、生きているときは水色や青に近い色合いで沖縄の青い海に溶け込みます。

 

ところで皆さん、県魚というものはご存知でしょうか??

県の花、県の鳥などがあるように、魚も制定されている地域があります。

例えば東京ではムサシトミヨというお魚が埼玉県と同じく都の魚となっています。

他にも県によっては複数種類が制定されていたりと、県魚というものは実に多種多様です。

 

このクマササハナムロはその県魚と呼ばれる、いわゆる沖縄代表のお魚です。

厳密には沖縄の方言でグルクンと呼ばれているタカサゴというお魚が県魚です。

このクマササハナムロは同じくタカサゴの仲間なので混同されている事もあるのだとか。

見た目はそっくりですが尾鰭の模様が違います。

 

△クマササハナムロ

 

△タカサゴ(ニセタカサゴ)

 

他にもササムロという魚やニセタカサゴというものがいたり、一見難しそうでも見分け方を知っていると簡単に区別出来るような種類がいるのでお時間があれば是非調べてみて下さい!

沖縄を訪れてみると飲食店では当たり前のように名前が載り、大衆魚として愛されているのが分かります。

 

本州でいうアジやサバなどのポジションですね。

沖縄ではマサバは獲れず、マアジもいるようですが圧倒的に数は少ないようです。

 

そして今回やってしまったと思ったのが、どうやらこの魚は産卵前の時期だったようです。

 

△丸々としたお腹からは立派な卵巣と精巣が…。

 

漁獲されてしまった時点で私が買おうとも買わなくとも結果は同じ。というご指摘も頂きましたが、個人的に拘りを持っている点なので後悔はやはり大きいです。

魚類の中には卵や白子を積極的に扱う魚種もいますが、そういったものに比べると資源量の管理も行き届いている訳ではないのでこういった思いは大事にしていきたいです。

それに卵などを抱えてしまうと身のポテンシャルも一番良いとは言い切れません。

今後はこの時期を避けて買おうと思います。

 

 

クマササハナムロの捌き方・調理

今回は生食と焼き、揚げ物で作って行こうと思います!

 

グルクンは沖縄でも刺身で食べたことがありません。

鮮度のオチが早いのだと思われます。今回の個体もほとんど内臓が溶けてしまっていました。

その中から腹がまだ固いものを選んで生食用に仕込みます。

 

2匹分生食で取り、それぞれ1匹ずつ刺身と寿司で食べようと思います。

 

皮を引くと素晴らしい白い脂の層が。

かなり柔らかく身が割れやすいので慎重に慎重に仕込みます。

寿司は片身2貫、刺身は片身3貫で切れば仕込みは完了。

 

次は揚げ物に参ります。

 

残りは4匹を片面剥がして片面は背骨を取り除いき尾鰭は残します。

 

こちらは天ぷら用に。

 

これの剥がした身は一口大にカットして唐揚げにします。沖縄でよく見かけた調理法はこの唐揚げでした。宿泊したホテルのビュッフェにも並ぶほど。

 

ひたすらビュッフェではタカサゴと海ブドウばかり食べていた思い出です。笑

こちらに塩を振って浸透圧で臭みを抜きます。

水分が出てきたら拭き取り、ニンニク醤油みりん酒生姜の唐揚げ5点セットに漬け込み、180度の油で二度揚げしていきます。

あとは表面がキツネ色になるのを待つだけ!

揚がればレモンを添えて完成です。

 

 

沖縄を食べ尽くす

クマササハナムロのお刺身

わさび醤油で頂きます。

 

口に入れると意外にもあっさりとしていて、大きめの血合いが美しい見た目ですが、味わいになるとそれも目立たないほどのあっさりとした白身魚といった味わいです。

食感はかなりもちもちとしており、上質な白身魚であることがわかります。

 

皮目の脂の層に期待していましたが、脂の旨味はそれほど強くなく、薬味などで風味を補って食べるようなお刺身です。

握りにしたら間違いなく美味しいお魚です。

 

クマササハナムロの握り

見た目の美しい、バランスのいい寿司になりました。

 

味わいも上質な天然白身魚といった感じでシャリと溶け合い消えてゆきます。

魚価としては安めで、送料を引いて1匹あたり¥130、そこから4貫分取れるのでかなりコスパ良しな魚です。

本場沖縄でもなかなか食べることの出来ない1貫だと思います。

 

クマササハナムロの塩焼き

今回は炭火を使いました。見た目では伝わりませんがいつもよりもよりお腹を空かせるいい匂いを漂わせています。

ポン酢もかけず素直にこのまま頂きます。

 

アルミホイルで脂が落ちないように包み焼きにしたので非常にジューシーです。

脂が少なく水分の多い身質なので冷めてしまうとパサついてしまいますが、焼きたては格別に美味いです。

そして先ほどのお刺身では感じられなかった”青魚らしい”旨味もやってきました。

分類で言えば白身に近いものですが、あの大きな血合いに旨味が含まれているのでしょう。

 

同じ魚と言って、お刺身と焼き物で並べて出してみると驚く人もいるんじゃないかな。

 

クマササハナムロの天ぷら

少し縮んだとはいえ、天ぷらダネにしては大きめなので食べ応えは抜群です。

今回はザクザク食感の衣に仕立て上げました。

天つゆとレモン塩の食べ比べで頂きます。

 

まずは天つゆですが、こちらは当然美味しいです。

そして脂で揚げる為パサつきが抑えられ、血合いの旨味が脂と共にはじけ出します。

天つゆだとこの旨味が強調され、旨味の重たいパンチをズドンと喰らうような感覚です。

風味は青魚、それもサバなどに似ていて香りと味のバランスが非常によく取れています。

 

続いては塩レモンですが、こちらは先ほどの旨味の強烈なパンチに比べ、華やかさがありレモンの酸味と塩気で鋭く尖った旨味がパチパチと弾ける印象です。

レモンの果汁で魚の旨味をまろやかにして、爽やかさを演出しています。

個人的に天ぷらといえばお塩か天つゆ、稀にレモンといったイメージがありますが、塩レモンは最強の組み合わせです。

旨味がダイレクトに伝わる天つゆももちろん美味しかったのですが、今回は圧倒的に塩レモンに軍配が上がりました。

 

クマササハナムロの唐揚げ

こちらは定番中の定番メニュー。タカサゴ類を入手する度に必ずといって良いほど作るのがこの唐揚げです。

このこんがりとした見た目と香ばしいニンニクの香りがなんとも食欲をそそります。

 

アツアツの出来立てに国産レモンをじゅわっと搾り、冷まさずそのまま口へ入れてはほふほふと食べ進めていきます。

 

ニンニクのじわ~とした風味と生姜のピリリとした香りが魚の旨味と共にやってきます。

味付けはお好みで大丈夫ですが、何をセレクトしても魚はその味わいに着いていけます。

南方系の魚の唐揚げではかなり美味い部類だと思います。

特別グルクンだから美味いというよりは、先入観からか食べるだけで大満足なそんなメニューです。

 

 

クマササハナムロの評価

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格は非常に安いです。

コスパは内臓が溶けてしまっている個体が多く、少し腹を削らないといけない事が多いです。漁獲されてすぐかつ適切な処理をされれば問題ないと思います。

珍しさは沖縄では見かけるものの本州では漁獲されず並ぶこともあまりありません。

味わいは何にしてもよく合います。ほかにも今回ご紹介出来ませんでしたが沖縄の魚料理、マース煮やバター焼きに向くような身質をしています。干物にすれば旨味も凝縮されてより美味しさUPしてそうです。

 

今回は沖縄の県魚、グルクンことクマササハナムロを調理しました。

夏が待ち遠しいと言うことで沖縄の鮮魚を取り寄せましたが、この時期は卵巣、精巣を抱えた産卵前だったようです。

漁獲されてしまった時点で変わらないのかも知れませんが、私は資源枯渇を防ぐ為に産卵前の魚は買わないと心がけています。

カレイやマダラなど、卵や白子を食材として頻繁に扱う種であれば多少資源量の管理も行き届いてはいると思います。しかし、海のものというのはなかなか全体量を把握するのが難しく、正確な数値ではなく推測でしかありません。

多種多様な魚が生息する沖縄の海は狙って獲ると言うのが難しいかも知れませんが、我々消費者も買うもの、時期を選び心がけていきたいですね。

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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