ヨコシマサワラを丸ごと買って調理してみた【南国の海の巨大魚!】
こんにちは!
夢海です🐟️
今回は少し珍しいサワラを入手しましたのでご紹介していきます!
目次
ヨコシマサワラの形態
今回紹介する珍しいサワラとはこのヨコシマサワラ。
名前の通り、横縞模様があるのが特徴です。(魚の模様は頭を上にした状態で横縞、縦縞と見ます。)
サワラに比べると体高があり、太い印象。
5月中旬に長崎で漁獲された個体を、いつもお世話になっている印束商店様で購入させて頂きました。
重さは3キロ。
一般家庭で調理するには十分過ぎるほどの大物ですが、まだまだ大きくなる魚。なんと最大2メートル、30キロ近くまで成長する大型の回遊魚です。
サワラだとサゴシと呼ばれる小型の個体が一般的に出回りますが、このヨコシマサワラはこれでも小さい方。
小型の個体の方が珍しかったりします。
取り扱い易いサイズと言うことで迷わず即購入!(笑)
右下のオレンジ色の小さなお魚はキンメモドキといいます。
オマケで付けて頂きました(笑)
それでは細かく観察していきましょう!
同じくらいの大きさのサワラに比べヨコシマサワラはゴツい顔つき。
小型のサワラには感じられない貫禄があります。
サワラの仲間は細かく鋭い歯が一列に並んでいます。
これがまるで鋸のように作用するので、サワラ類を扱う時は要注意!
口を開かせるととてもカッコいいです✨
回遊魚は遭遇率の低い獲物を確実に仕留める為に口が大きい種類が多いです。
今回のヨコシマサワラやカマスサワラといった、細長い身体の魚は尾鰭を切られて出荷されることがあります。
ヨコシマサワラの捌き方・調理
では、捌きつつ観察していきます。
胃袋は細長く、マグロ類にも似ています。
今回は内容物は空でした。
ヨコシマサワラの鰓弓(さいきゅう)
小さな凹凸があり、さわり心地はザラザラしています。
身は柔らかく、薄肌色でしっとりとしています。
サワラの仲間は骨が固く身は柔らかいので、捌くのが好きな魚です。
血合いの色は鮮やかな赤色をしており、メリハリがありとても綺麗な身をしています。
一般家庭にはかなり大きい魚体なので、生食以外は切り身にして幾らかは冷凍しておきましょう。
大きめな切り身でも十分な枚数取れました。
これで数日間は魚に困りません。
お刺身は焼き霜に。
腹のところを使い、縮まらないよう串打ちをします。
ここに軽く塩を振りバーナーで焦げ目が付くまで炙ります。
あら熱を取ってから切りつけて刺身の完成!
続いては切り身を使います。
このままフライにしてもよし、焼いても煮てもよし。
味醂に付けて一晩冷蔵庫の冷風に当ててみりん干しにしてもいいでしょう。
仕込みも終わったところで、食べていきましょう!
ヨコシマサワラの料理
ヨコシマサワラの刺身
まずは卸したてをそのまま刺身にしてみました。
半透明に鮮やかな赤い血合いのハッキリとしたコントラストがとても綺麗です。
わさび醤油で頂きました。
漁獲から3日目の新鮮なヨコシマサワラ、頂きます!
口に入れるとトビウオのようなねっとり食感に、ほんのりと旨味が感じられます。
すっきりとした味わいて、わさびだけでなく生姜なんかにも合いそうな味わいです。
どこか物足りなさもあり、そこがまた良いのかも知れません。
ヨコシマサワラの天ぷら
続いては天ぷら。
切り身を豪快に使い、大ぶりの天ぷらとなりました。
こちらは旨ダシ塩で頂きます。
皮付きにしたのが正解だったのか、皮目から青魚のようなじゅわ~っとした旨味が溢れ出てきます。
身は水分が少ないため、ややボソッとしますがチキンのような感覚です。
絶品!とは至らなくとも、「美味しい魚の天ぷら」にはなったと思います。
ヨコシマサワラとキンメモドキの唐揚げ
続いては醤油風味に味付けしたヨコシマサワラの唐揚げと、オマケで頂いたキンメモドキを唐揚げにしました。
キンメモドキは内蔵も鱗も取らずそのままで、内蔵のほろ苦さ、骨までサクッと食べられる軽い食感がとても美味です。
まとまって手に入ればとても嬉しい魚です。
さてさて、本題のヨコシマサワラ。こちらは味付けでタレを含ませた為、天ぷらほどぼそつかず歯切れのよい食感になりました。
こちらも旨味を引き出すため皮付きで揚げています。
天ぷらは魚によって個性が出てきますが、唐揚げは味付け次第でだいぶ似てきてしまいます。
特記する事もないような、美味しいけど平凡な唐揚げでした。
ヨコシマサワラの焼き霜造り
先ほどの仕込んだ焼き霜の柵をすしネタと余った端材をお刺身に盛ってみました。
やはり見た目はとてもよい魚で、盛り合わせの中でも個性が生きてくると思います。
柔らかい身に炙った香ばしさがプラスされ、旨味が引き立ちます。
サワラは刺身で食べる時は皮を活かさないと勿体ない。と断言出来るほど。
基本的に淡白な味わいなので多生の"味つけ"をすれば素直に美味くなってくれます。
ヨコシマサワラの焼き霜握り
先ほどの焼き霜の握りです。
つけ合わせは山葵、素直に醤油で頂きます。
とろける柔らかい身は寿司にするとシャリと溶け合い非常にマッチします。
程よい旨味もあるのでシャリに負けず、上ネタと言えます。
少し物足りないのはジュレポン酢やネギ、大根おろしなどと合わせてより美味しくなります。
ヨコシマサワラの塩焼き&みりん干
塩焼きはイマイチでした。
旨味はあるものの、とにかく身がパサパサとしていて水分が著しく少ないです。
味はいいだけに少しもったいなく思います。
身が柔らかい魚ではありますが、水分が多くて柔らかいというよりもコラーゲン質のような柔らかさなので、焼いて水分をより飛ばしてしまうとパサパサ食感になってしまいます。
そこでみりん干し。タレに漬け込み水分を吸わせます。
干すことで旨味をギュッと閉じ込め、焼き上げると中はふんわりとしてくれる筈…!
さあ、どうだ!
味を付けているので当然ですが、淡白さは塩焼きよりも緩和されこちらの方が味は美味いです。
ただどうしてもぼそぼそしてしまい、口の水分があっという間になくなってしまいます。
普通のサワラはまだジューシーさが残るので、ヨコシマサワラよりもおいしいです。
ヨコスカサワラのよこしま海軍カレー
…失礼、間違えました。
ヨコシマサワラのよこすか海軍カレー
サワラはフライにしてカレーのトッピングに。
閉館してしまった油壺マリンパークへ訪れた際に購入したレトルトのよこすか海軍カレーです。
粉チーズをトッピング。ピリ辛のカレーにまろやかさが生まれます。
そこに合わさってくるのは今回の主役、ヨコシマサワラ。
フライにすると水分も逃げずパサつきは収まりました。
青魚の風味を含んだ白身魚といった印象を覚える旨味がカレーにも負けず、シーフード感を演出。これにはスプーンが止まりません!
皮付きで揚げたことにより、皮目の旨味を堪能出来ます。
焼き物よりもフライの方がより美味しく食べられる魚です。
ヨコシマサワラの包み焼き(和風かつおポン酢、ジャガチーズ)
最後は今回のヨコシマサワラの中でも一番のオススメメニュー。包み焼きです!
調味料や野菜と蒸し焼く事でパサついてしまう問題はクリアー。
和風と洋風を用意して食べ比べていきます。
まずは和風から。白だしやポン酢で味付けし、オクラやナスといった夏野菜などと合わせています。
口いっぱいにカツオの風味が広がり、爽やかなポン酢とサワラの旨味が混ざり合い一体感のある味わいに。
蒸す事で旨味も閉じこもり、ヨコシマサワラの旨味を最大限に堪能出来ます。
オクラやゴボウと合わせても味が良く、ヘルシーな和食のおかずにぴったりです。
調理法も簡単なのでぜひお試し下さい!
続いては洋風の方を頂きましょう!
こちらは雰囲気ががらりとかわり、白身魚を使った洋食のような味わい。
魚の旨味を引き出して楽しむ和食とは異なり、味付けで魚も素材の一つとして調和している様子。
チーズの甘みの中にピリッと香るスパイスの刺激がいいアクセントになります。
ホクホクのジャガイモと甘味の強い人、そしてサワラとそれぞれ食感が異なり食材のチョイスもいいものを選べました。
パーティー料理の一つにあっても嬉しい一品です。
ヨコシマサワラの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・☆☆☆☆
珍しさ ・☆☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
価格
・大きい魚の為、丸ごと購入するとやや高め。単価はサワラほどの評価で知名度に比例して安いとも言い切れない。
コスパ
・サワラ類は歩留まりが良いように思える。
珍しさ
・ヨコシマサワラは珍しい魚の一種。南太平洋では重要な食用魚とされているが、日本では漁獲量が少ない。
味わい
・個体差があるかもしれないので何とも言えない。時期的なものもあるのか、脂は思っていたほどなかった。
・単純に焼くとパサついてしまう。揚げ物か素直に生で食べる方がおいしいと感じた。
南の巨大魚、ヨコシマサワラを購入して食べてみました!
日本ではあまりみられない魚ということで、やはりロマンを感じます。
海外で加工されて冷凍食品として輸入されている事もあるようですが、それを丸ごと買い調理するというのはとても幅の広がる事で、そんな素敵な体験をさせて頂ける漁師様、魚屋の皆様には感謝してもしきれません。
なので私は捕ってきて頂いた魚の魅力を最大限に引き出してこれからも発信していければと思います!
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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