やたらと多い宮城県産マツダイ【鮮度よし上物】
こんにちは、夢海です🐟
需要回復やら円安やら様々な要因が絡んでいると考えられるものの、魚がやけに高く購入を躊躇う場面も多かった2023年の夏。
そんな中でも例年より価格が下がっているものもあり、普通であれば市場でそれほど見かけないマツダイが今年はやたらと安かったのだ。
目次
マツダイの特徴
マツダイは過去にも紹介しているため、細かな特徴などは割愛します。
今回のものは宮城県石巻産。
海流に乗って、秋には函館でも漁獲される魚で、宮城県で漁獲されるということは近年ではそれほど不思議な事ではありません。
が、今回異常だと感じたのはまだ7月であり、市場内のいたる仲卸に並べられているほどの量の多さ。
彼らがやってくるにはやけに早いし、まとまって漁獲されるような魚でもないため、見られればラッキー、程度の魚です。
普段であれば「そんな時期かぁ」と素通りするところ、値札もやけに安く、おまけに活〆された上質なものがよく目に入ります。
「これは狙い時だな?」
なんて思いながら、2キロには届かないものの手頃なサイズのものを選ってきました。
〆てあるものの為か、黒っぽい体色のものが多いマツダイですが、今回並んでいたものは鈍い光沢があり、薄いねずみ色のものばかりでした。
長崎やその他太平洋側の産地で幅広く漁獲されるものですが、それらの産地は輸送で時間が取られてしまい、やってくるまでに日にちが経っているものが多いです。
白身の中でも特に日持ちのするものですが、やって来た頃にはエラが茶色くなり、目もくすんでいるものが多く、今回の個体のような鮮度感のいいマツダイはなかなか見かけません。
鮮度的な面をみても、今回の宮城県産のものは買いだったのです。
皮を引いてみると身には張りがあり、桜色のきれいな血合いも見られます。
脂が乗るような魚ではないため、包丁はベタつきません。
身の厚いヒラメか天然のマダイを卸しているような感覚でした。
マツダイの料理
マツダイのお造り
まずはお造りから。
身が赤と白のコントラストで綺麗だったため、薄く切ったマツダイで波を再現するように盛ってみました。
脂がのる魚ではないのでサッパリと淡白な味わいで、その奥に感じられる繊細な旨味。これがマツダイの特色です。
食感は柔らかく、噛みしめる事で微かな酸味、鼻を抜けてく優しい旨味が感じられます。
刺身ではメインディッシュ的な美味さと言うよりも、前菜の一つに欲しくなる控えめなうまさ。
薬味やつけダレを何種か用意してしゃぶしゃぶも面白いでしょう。
マツダイの西京焼き
刺身用に取った柵の端材が余ったため、皮を引いてしまっているものですがこのまま味噌に漬け込みました。
身はキュッと硬く締まり、繊維質の身に味噌の香りが魚の旨味を閉じ込めます。
切り口に対して垂直に繊維が入り、噛むほど旨味がほのかに感じられることからどこか貝のようなうまさがあります。
皮は厚みがあり加熱すると縮むため、皮付きで焼き上げる際は曲がらないよう工夫が必要です。
マツダイの松笠焼き
マツダイはウロコを取らず皮を付けたままのマツダイを切り身にし、オリーブオイルとサラダ油をブレンドし、同じ量フライパンで熱したところに皮から置いてパリパリになるまで揚げ焼きにします。
火が通ったら皿に取り上げて、バジルソースと飾りを添えて完成!
以前ウロコチップスが上手く作れたため、綺麗な松笠焼きになるだろうなんて考えていましたが、思ったよりも鱗が立ちませんでした。(古代植物の幹みたい)
それでもしっかりと揚げ焼きで火が通り、香ばしさとザクザクな食感と共にマツダイの上品な味が口いっぱいに広がります。
いつの間にか期限が切れていたバジルソースを発掘したため、これを飾り兼味付けでかけてみました。
これがよりマツダイの旨味を引き立てており、クセのないホクホクとした香りが出てきます。
マツダイの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・全体的に入荷量の少ない時期にやってくる為か、やや高級な魚。連日まとまった入荷があり、2023年はやや安かった。
コスパ
・歩留りは普通。日持ちするため、少量ずつ扱えるというのが良い点。
珍しさ
・まとまって入荷しない魚であるため、見かけた際は買うようにしたい。しかし今後数が増える事も考えられる。
味わい
・珍魚であるにも関わらず、一定の値が付いているのは扱いやすさと味の良さからなのだろう。淡白だが旨味があり、脂が多い魚でない為、味付けて焼き上げるソテーにも向く。汎用性が高い。
今回は安くなっていたマツダイを食べてみました。
本種は数年前から北海道でも水揚げされる事をしっていたため、それほど驚きはないものの、この数の多さ、時期の早さには疑問を抱いてしまいました。
美味しいものが獲れて安くなる事は嬉しいですが、南の魚が北上している昨今。産地は気にしておきたいものです…。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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