マツダイは枯れ葉のような高級魚!?

皆さんこんにちは!夢海です🐟️

今回はまるで古代魚のような、しぶ~い見た目がカッコいい魚のご紹介です!

 

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マツダイの形態

今回の主役はマツダイという魚。

見る人が見ればシーラカンスみたい。とかアマゾンにいそう。といった感想が聞こえてきます。

実際私もこんな渋い見た目の魚が大海を泳いでいるのはなんとも不思議な見た目をしています。

 

しかしこの見た目をしているのはちゃんと理由があり、それはこの幼魚を見れば納得できます。

(画像はSorariさんからお借りしました。)

私自身が出会った事はありませんが、海流に乗り枯れ葉のように漂う生態をしています。

枯れ葉に擬態しているらしく、他にもツバメウオの仲間も枯れ葉のような見た目をしています。

 

海なのに枯れ葉の擬態、かけ離れた環境ですが真似をするというのは興味深いです。

海に枯れ葉(有機物)が流れるということは、陸地が海に栄養を送っている証拠でもあります。

森と海は緊密に関わり合っているので、海だけでなく山も綺麗にしたいですね✨

 

さて、生態を紹介したところでじっくり観察していきましょう!

 

まずはこの古代魚のような風格、実に格好いいです。

 

形態だけでなく、深緑を汚したような体色がとても渋くて格好いいです。

尾鰭はまるで3つあるように見えることから、英語でトリプルテールとも呼ばれます。

シーラカンスの尾鰭と似ているところから古代魚らしさが感じられるのかも知れませんね!

 

胸鰭は半透明で抹茶とミルクを混ぜたような色合い。

 

密着していて色落ちしたのか、鰭の体色が色褪せています。

 

外見からは分かりにくいですが、先端がやや丸くなっている歯が綺麗に並んでいます。

 

↑過去に捌いた個体を標本にしました

 

頭のアップ写真。鰓の外縁に白いラインが通っています。

前鰓蓋骨(画像赤いライン)と呼ばれる骨の後縁がギザギザと鋭くなっています。

私も魚屋時代にこの骨で指をよく切ったものです。(笑)

 

産地は大分県佐伯産、購入は吉池さんにて。

価格はキロ¥2000程でした。市場で見かけてもそれくらいかそれ以上。ここまで高い魚という印象はありませんでしたが相場はそれくらいなのでしょうか。

 

 

マツダイの調理

まずはいいマツダイの選び方から。

ハリがあり目が澄んでいるもの、そして〆のもの(締めた跡があれば丁寧に扱われていて鮮度も申し分ありません。)

 

↑〆の跡は魚の頭の右側にあることが多いです。

魚図鑑の魚が左向きなの同様、魚屋さんでも左向きで並べることが多いです。

そのため陳列されていたら分かりにくいのでお店の方に聞いてみるのも良いでしょう。(忙しそうな時に話しかけてしまうと良く思われないのでタイミンを見計らって訪ねましょう)

 

それでは捌いていきます。

まずはカッコいい頭を落として、標本にするため冷凍しておきます。

 

標本にするかしないかはお好みで…(笑)

あまり身は多く無さそうですが、煮付けたりあら汁にしても良さそうです。

 

固い鱗を落として三枚に開き、切り身にしていきます。

 

切り身にしてしまったら黒鯛と見分けがつかないという意見をどこかで見かけましたが、これには納得。

やや濁った白身に黒い皮、鱗を剥がしたところは白い皮に覆われていて、黒鯛と瓜二つです。

触った身の質感もまた似ています。

 

 

マツダイの食べ方

マツダイの西京焼き

まずは西京焼きから。

しっとりなめらかな身と西京味噌の香りの相性は抜群です。

焦げないよう慎重に焼き上げます。

 

クセのない淡白な身に味噌の旨味がしっかり詰まっており、しっとりとした食感でパサつきません。

松の名に恥じない、高級な西京ネタだと思います。

 

マツダイの握り

続いては握り。よく見かけるタイやハマチなどの白身というよりは、少しぼんやりとした色の血合いがマイナーな魚を連想させます。

ヒゲソリダイとかこんな見た目だったかな?なんて考えながら口へ運びます。

 

んん~ん、最初に広がる脂の甘味!これは美味い!

身質もまた程よく、血合い周りは食感があり周りは溶けて消えていきます。

シャリとの馴染みもよく、旨味こそ少ないものの上ネタです。

 

マツダイのカマ煮付け

カマは煮付けに。今回標本にするのは頭だけにした為に食べることが出来ます(笑)

 

こちらも脂が感じられ、ふんわり軽く柔らかい食感が煮汁をたっぷり吸い込み大変美味です。

御坊などの根菜と炊くとより旨さが際立ちそうです。

あら炊きや汁物でも美味しく仕上がりそうです。

 

マツダイの刺身

初夏が来た!という並びに盛り付けてみました。

左がマツダイ、続いてイサキにウメイロ。

 

血合いの鮮やかさはやはり控えめに思えます。

主役という派手さは無いものの、味覚では決して負けません。

 

醤油は香り付け程度にちょこんと、ほんの1,2滴つけば十分です。

 

舌の上で溶ける食感、決して強くはないものの上品な香りが鼻を抜けるのを楽しむのがマツダイの味わい方だと個人的に思います。

ウメイロもイサキも濃い旨味を持った上質な白身なので並びとしては霞んでしまいますが、それでも単体で出されれば満足の旨さです。

 

マツダイの天ぷら

最後は天ぷらで頂きましょう!

 

加熱するとふんわり柔らかくやはり美味しいです。

天つゆに付けると奥までじゅんわり染みて出汁の旨味をたっぷり吸い込みます。

サクサクの衣と共にじゅわ~っと溢れる旨味がたまりません…!!

マツダイの天ぷら、超オススメです!

 

 

マツダイの評価

価格   ・☆☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格は決して安くはなく高級魚と言えるでしょう。見かける相場でキロ¥2000といった所。ここまで高いイメージのなかった魚ですが、これを割れば安いと思います。

コスパは普通。頭に肉が少なく、鰭まわりは薄く可食部は普通。

珍しさも珍しい類ではありますが、変わったものを扱う店であれば稀に入荷するのでは?といったレアリティです。

味わいは何にしても美味く、万能な魚である反面、マツダイならではの目立った個性はあまり感じられなかった為☆4つです。

鱗も美味しいみたいなので松笠焼きなど試してみても面白そうです!

 

今回は枯れ葉のような高級魚、マツダイを調理しました。

とてもカッコいい見た目で飼育もしてみたい!なんて思う、魅力溢れた素晴らしい魚です!(しかも美味しい!)

見かけたら是非手に取ってみて下さい🐟️

 

鰓蓋のトゲには要注意です(笑)

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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