久しぶりのひげだら(ヨロイイタチウオ)

2025年12月18日

こんにちは、夢海です🐟️

今回のものは目当ての魚が入ったBOXを買い、一緒に入っていたものである。

旋網で獲られたごちゃ混ぜのBOXで、どれも食べ頃な大きさのものばかり送っていただいた。

 

その中から今回はヨロイイタチウオを紹介する。

 

 

ヨロイイタチウオの特徴

ヨロイイタチウオは市場での価値が意外にも高く、全く手が出せないという程ではないものの、今度でいいやと、なかなか手を出せていなかった一種でもある。

大きさは44.8cm716gと、市場ならそこそこの値がつくものである。

別名"ひげだら"と呼ばれ、流通上、知名度としてはこの名のほうがよく知られている。

 

"たら"と付くのは、マダラなどを連想させるような模様に体色からであり、実際にはタラ目とは全く関係のない、あくまでもアシロ目魚類である。

そのため皮からはタラ類特有の香りがしてこない。

しかし似ているのは模様だけでなく、身質も近しい。

 

ただ本種では旨味に欠けるので単に刺身にするよりひと手間加えると美味しい。

 

 

ヨロイイタチウオの料理

ヨロイイタチウオのちり鍋

ヨロイイタチウオは半身と頭を使う。

 

頭は非常に硬く、ヨロイの名が付いている理由がよくわかる。

もしヨロイイタチウオの調理例などで本記事を訪れた方がいれば、トンカチで包丁を軽く叩くなどして割るか、割らずに煮付けなどに使うと良いだろう。

ヨロイイタチウオのあら骨と昆布で出汁をとり、生姜を溶いた汁に白菜、ネギ、ヨロイイタチウオを入れる。

 

火が入るまでじっくりと煮込む。

 

ひげだらと呼ばれる所以は決して模様がまだら模様というだけの共通点ではない。

味も鍋にして嬉しい、タラと同じ使い方ができるのである。

 

皮目にタラ特有の香りがないのでこちらの方が食べやすいという方は多いのではなかろうか。

椀に掬い、かけるのはポン酢、胡麻ダレ、なんでもいける。

身は上品で物足りないかというと、後から旨味がじんわりこみ上げてくる。

 

身は硬くなく、食感もふんわりと心地良い。

丸い胴の魚なので切身をそのまま切っても食べ応えがある。

半身しか使っていないのに、一人前を満足させるには十分である。

 

ヨロイイタチウオの刺身

ヨロイイタチウオの刺身は非常に淡白である。

 

ずっと昔は昆布締めなんかやった記憶だが、圧倒的に美味かったのだ。

今回、昆布締めにしなかったのはいい昆布が手に入っていないので、致し方なく単に刺身にした。

半分は焼霜にする。

 

非常に淡々とした味わいで、正直、面白みに欠ける。

 

ただ身の質感は良く、マダラとも似ている部分がみられる。

これを炙ると香ばしさと、皮の少し硬い食感が生まれ、面白みが増す。

こちらはポン酢、もみじおろしで合わせたい。

 

ヨロイイタチウオのフライ

ヨロイイタチウオは尾に近いところを大きめに柵を取り使う。

 

片方はオカムラギンメのフライ。これはまた次回。

 

ヨロイイタチウオの味は美味しいのだけれど、やはり上品すぎる味わい。

淡い味なので、ソースでは埋もれてしまう。

 

味付けに気をつけさせられる繊細さの持ち主である。

洋風にトマトや玉ねぎを刻んみ、タイムなどで香り付けしたドレッシングのようなソースなど、トマトやハーブ類の方がよく合うかも。

色々創作意欲を掻き立ててくれる。

 

味を思い出したところで、次回は1キロあるちょい高級な個体を狙ってみたいところである。

 

 

ヨロイイタチウオの評価

価格　　　・・☆☆☆

コスパ　　・・☆☆☆

珍しさ　　・・・☆☆

味わい　　・☆☆☆☆

 

価格

・やや高級ネタ。安くはない。小型のものであれば入合に入るといった程度。食卓に上がることは少ないが、

 

コスパ

・歩留まりは意外に悪くはないが、尾が細いのでタイ系に比べると劣る。

 

珍しさ

・多くはないが、珍しくはない。一般的な食用魚として扱われる。関東では産地が近くないため、見られる場所は市場や高級店などと限られる。

 

味

・白身として非常に美味しい魚。生では少々味気ないが、加熱すると隠れていた旨味が出てくる。生で食べるならばひと手間加えるべきである。

 

今回は久しぶりのヨロイイタチウオを頂きました。

まだまだ未熟者だが、昔初めて食べた時に比べると、存分に味わえたのではないかと思う。

冒頭でも書いた通り、高い魚であるためしばし食べれていなかった。