海よりも青いウメイロモドキ

 

こんにちは、夢海です🐟

今回は沖縄からの鮮魚便で届いた子を紹介していきます。

 

 

ウメイロモドキの特徴

内容はお任せのBOXを発注し、何が来るかと首を伸ばして待っていました。

他の魚を仕込んでいたところに届き、そのまま発砲の蓋を開けると3種入っており、その中でもひときわ目立つ青い魚が入っています。

 

「こ、これは、、!!」

その青い魚は長いこそ、長年探し求めていたウメイロモドキでした。

 

この青い発色のいい魚は個体数としては少なくないものの、関東住みの私にとってはあまりに遠くに住む魚なので、なかなか出会えずにいませんでした。

ガラス細工のような、作りもののような色味で鮮やかさでこの魚に勝る種はそういないのではないでしょうか。

 

胸鰭は赤く、背びれは黄色い。

 

↑自然光で撮影。

青い魚は蛍光灯などよりも自然光で撮るとその美しさを漏らさずきれいに撮れます。

 

尾びれの後縁は赤く縁どられる。

 

生息する水深も違うので混同する機会は少ないと思われるが、フエダイ科のウメイロとはここでも見分けることができます。

生時ではここまで目立たなかった気がした為、入手した後に水族館へ確認をしに行きましたが、やはりここまでハッキリはしている様子はありません。

他のタカサゴ類は興奮時や絶命時には体色が赤く変わる種がいますが、原理はそれと同様なのかな、と推測しました。

 

まな板に乗せるとよりその鮮やかさが際立ちます。

 

青い魚は一般の方にとっては、綺麗で観賞用。という認識が強く、ふつう食と紐づけて考えるものではないかと思います。

しかしこの個体は身が膨れて張りがあり、かなり良いものであることがよく分かります。

身の触った感触もまた食欲をそそる、しっかり締まったムチムチな身をしています。

 

持つとずっしりとした重量を感じる。

全長は計測したものの、重量を測り忘れてしまうという大失態をしました。

おおよそ650グラムあたりかな。とも思いますが、これはまた出会えた時に確かめることとします。

 

卸すと身はタカサゴ科らしさが伺えます。

身がしっとりとし筋肉の節の間隔狭く、割れやすい質感です。

この皮を炙り刺身として使います。

残り半身は皮つきで使用します。

 

 

ウメイロモドキの料理

ウメイロモドキのお造り

まずはお造りに。

見栄えが美しく、青色は食欲が、、、という法則を無視して美しい見た目となります。

身もまた血合いの色が濃く、それでいて鮮やかで美しいです。

 

単に刺身ではなく、半身の皮を炙り焼霜にしました。

身の旨味が薄いタカサゴ、ニセタカサゴなどのグルクン類を刺身にする際は、味を補う為にも大体焼霜にするため、それに倣って炙りました。

 

…が、どうやらウメイロモドキは皮が厚いようで、皮下に脂肪があまりなく皮はかなり縮み、硬さだけが残りました。

味わいは淡白。皮目に南方種の独特な香りがあり、身は淡白。

特徴はあるものの、イマイチパッとしないかな。と、

純粋に刺身として美味いものの、特記することがない、そんな印象です。

 

ウメイロモドキの焼霜握り

刺身用に柵取りしたうちから先に寿司ネタとして大きめに切りつけます。

これを握り、表面に醤油を塗ってやれば完成。

わさびでいただきます。

 

身は柔らかいものの、食感として残る皮の存在がかなり浮いて目立ちます。

 

いっそのこと皮を引いてしまい、北と南の海産物の思わぬ出会いとして昆布締めにしてみるのも悪くないかと思います。

研究しがいのあるネタですが、とても1尾では試しきれないのでまた必死に探すこととします。

 

ウメイロモドキの塩焼き

骨つきの半身をグリルで焼き上げます。

骨付きならばさすがに皮は縮んでも身は返らないであろう、、なんて考えていましたが、皮は想像以上に硬いようで、取り出すときには身がグルンと丸まってしまいました。

 

皮下にコラーゲン質のような層があり、若者は気にしなくてもいいであろうと思われるが、虫歯の治療跡が多い私にとってはギリギリ噛みきれるといった程に硬く、食感もゴムのようでお世辞にも美味いとは言えません。

しかし身は淡白ながら旨味があり、レモンなんかを搾ると味に華やかさが感じられます。

 

脂が薄いため少々ぼそっとしますが、つまみにするには丁度いいのではないでしょうか。

身離れが少々悪い点、皮が硬い点を除けば非常に使い勝手がいい魚です。

 

ウメイロモドキの唐揚げ

沖縄のグルクンといえば唐揚げが最も一般的。

同じタカサゴ科であるウメイロモドキも同様に唐揚げとして試したくなるものです。

余った身を適当にカットしていき、カマの部分は骨付きで揚げていきます。

 

脂の薄い魚であるため、油を使った調理に向いているのは沖縄など南方の浅い海に生息する魚であれば幅広く当てはまると思います。

唐揚げにするとさすがに皮は噛みきれる程になり、それも食感として残るため、邪魔な存在ではなく特色へと変わり美味しく思えます。

本家グルクンこと、タカサゴやクマササハナムロに比べるとやはり皮は強く残りますが、身の繊維質な様子はかなり似ています。

 

 

ウメイロモドキの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

価格

・価格は安いものと思われる。

 

コスパ

・身に膨らみがあり、体は丸い体系。内臓の重量も重たくなく、コスパは良いと思われる。

 

珍しさ

・関東への入荷は非常に稀。殆ど入らないと思われる。産地から取り寄せる、現地へ向かう等が必要。

 

・平凡。旨味に脂は程々であり、調味することで美味くなる。単に素材の味ではやや物足りないが、身質はとても良い。皮目に香りがあり、活用したいが厚く加熱すると縮む。

 

 

今回は長年探していた念願のウメイロモドキに出会えました。

南方種なので、やはり味を物足りなさを感じたものの、この魚の特性を食べたことで知れました。

やはり知るということで一番重要なのは実物に触れること。

手にとって質感を触感で確かめ、視覚で色合いを楽しみ、味覚で味わう。

種類が多い上、身近な生き物である魚は食という触れ方も手軽に出来るので、奥深いジャングルを冒険するような気分で日々探索しています。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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