嫌われ者の魚”ダツ”の美味しい食べ方
こんにちは!夢海です🐟️
まもなく夏!夏といえば海水浴なんかしたい季節ですよね。しかし海には危険生物も生息している為油断が出来ません。
そんな危険生物の一つにも数えられてしまうダツ。ダツという名前を聞くと皆さんはどんな生き物を想像するでしょうか?
鋭い歯が危ない、釣り人の方からは骨が多く美味しくないなどあまりいい評価とは言えない声が多く聞こえてきます。
今回はそんなダツのカッコいいところ、実は食べておいしいダツの魅力を余さずお伝え出来ればと思います!
目次
テンジクダツの形態
今回はダツの中でもテンジクダツという種類になります。
ダツ目ダツ科の魚をまとめてダツと呼ばれる事が多いですが、実は何種類かいます。
標準和名ダツは未入手の為お見せする事ができませんが、主な違いとしては尾鰭が湾入しているかいないか、背鰭と臀鰭の位置関係の違いなどで見分ける事が出来ます。
尾鰭が湾入して背鰭と臀鰭が近いものがテンジクダツという種類。
ほかには頬に青黒い模様のあるオキザヨリや体の尾鰭に近いところに薄ら斑点のあるハマダツなどもいます。
このダツ、何故嫌われているのかと言うと冒頭でも紹介した鋭い歯。
まるでワニやガーに似た細長い口をしています。
そこには鋭い歯がびっちりと。小魚と間違えキラリと光るアクセサリーなどに反応してこの歯を剥き出しにしたまま突進してくる為危険視されています。
しかし青く反射する口はカッコいい見た目をしています✨
生き物として強そうな見た目はやはり惹かれるものがあります。
体の大きさが何十倍もある人間にも恐れられる生き物、そう考えるとダツという魚の強さを感じてカッコ良く思えてきます。
鰭はそれぞれ半透明。胸鰭は根元が青くなっていてグラデーションが綺麗です。
ダツ目の腹鰭はほかの魚にくらべかなり後ろの方に付いています。
△捌く時には突っかかりとなり邪魔になってしまうこで、最初のうちに落として起きたいです。
そしてこのダツ目というグループ、日本人なら馴染み深い身近なあの魚が属しています。
まずは秋の味覚の代表のひとつ、サンマ。実はサンマもダツに近い仲間、ダツ目に属しているのです!
そしてもう一つは飼育された事のある人も多いのではないでしょうか。
なんと驚きのメダカもダツに近い仲間なのです!
空を400m滑空すると言われているトビウオもまたダツ目に属しています。
危険という印象を持たれている事の多いダツですが、実は身近にも存在している多種多様なグループなのです!
テンジクダツの調理
まずは選び方から。
基本的に魚は共通して腹がしっかりしたもの、堅いものを原則選んで頂きたいです。
そして尾鰭付近まで太いもの。身に張りがあるものを選んで下さい。
鮮度は見た目のキラキラと輝いているもの・鰓の色は赤い鮮やかなものを選びましょう!
今回は並んでいたものの中でも一番いいであろうと思われるものを購入してきました。
△マツダイと並べてみた。これだけ大きさが違くとも、重さはダツが僅か400グラム重いだけなので細長い事がよく分かる。
やたら細長いので頭、胴の所で筒切りに3等分に。
こうすれば捌きやすくなります。
断面図はこちら!
血合いとやや濁りの混じった半透明の筋肉をしています。
そしてダツの特徴は浮き袋にもあります。
このプチプチした白い膜状のものが浮き袋。
石鹸なんかの泡を掴んでいるのではないかというほど軽く繊細です。
初見の時は病気の個体かな、なんて思ってしまいました。
実は浮き袋だけでなく骨にもダツならではの秘密があります。
内臓と血合いを綺麗に洗い流したら大名おろしで三枚に開きます。
大名おろしだと背骨に身を残してしまいますが、今回はスプーンで掬い取って調理するので問題ありません。
背骨に隠されたダツの秘密はこちら!
青い背骨です!
これはビリベルジンと呼ばれる胆汁色素というものが付着して、骨や鱗が青や緑色に見えます。
これはサンマにも見られます。
背骨からはいい出汁が出るので湯がいていきます。
三枚に卸したら皮と骨を残して身をスプーンで掬い取ります。
こうすることで厄介な小骨は避けられて調理がし易くなります✨
これを薬味と味噌を混ぜつつ擂り身にしていきます。
このまま食べるものをなめろう、今回は焼いて山河焼きにしてみます。
山河焼きはハンバーグのように平たく叩いて、片面に大場をのせて焼くだけ。
サラダ油でも美味しく仕上がりますが、香り付けにもなるのでゴマ油がオススメ!
テンジクダツの料理
テンジクダツと甘えびの天ぷら
今回はオマケで甘えび付き!
お寿司で美味しい甘えびですが、殻ごと唐揚げにしてもエビ天にしても美味しく頂けます。
今回の主役はダツなのでエビはこのあたりで。
ダツの天ぷらはオススメしたい調理法の1つです。
青魚らしい旨味が血合いに詰まっており、ささみのような食感とクセのない旨味でシンプルな味わいが美味しい魚です。
天つゆに付けてしまうと素材の味を殺してしまうので、味付けは塩だけで食べたいネタです。
あの厳つい顔つきからは想像出来ないような繊細な味わいです。
体の後ろ半分には小骨があまり入っておらず、三枚に卸せばそのまま天ぷらや刺身で使えます。
ダツは脂の少ない魚なので加熱するとパサついてしまいがちです。そこで揚げ物など、油を使う調理法だとより美味しく食べる事が出来ます!
テンジクダツの山河焼き
焼けた大葉とゴマ油の香りが漂い食欲をそそります。
山河焼きとは、実は海辺の漁師めしでは無く山で食べられていた料理。そのため感じにすると山河と書きます。
魚により食感が変わり食べ比べをしたくなってしまうほど違いが現れます。
テンジクダツは先ほどにも紹介した通り、脂が少なくパサッとし易いです。
しかしゴマ油や味噌を練り込んだ事によりプリップリに仕上がり、まるで粗挽きの鶏肉のハンバーグかのような感じ。
筋肉が発達した身なので食感がとにかくいい!
小骨も気にならず、ダツらしさ(魚の旨味)も残したまま食べられるので調理法としては最適解なのではないでしょうか。
テンジクダツのつみれ汁
続いては同じく擂り身を使った料理、つみれ汁になります。
テンジクダツの背骨から取った出汁に、臭み消しの野菜とダツのつみれを入れて加熱します。
仕上げに味噌を溶かして今回は味噌汁にしてみました。
つみれにする事で気になる小骨がなくなり、山河焼き同様に食べ応えのある肉団子のような食感に仕上がりました。
そして繊細な出汁の旨味、筋肉質なプリプリの身の両方が堪能出来ます。
ダツの出汁と良質な肉、良さを最大限に引き立たせて一つにまとめられたと思います。
もう未利用魚だなんて言わせません!
テンジクダツの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・・☆☆☆
まずは価格、基本的には安価です。
未利用魚とも言われるだけあり、そもそも流通に乗らない事が多いです。
コスパはまずまず。小骨が多いので骨切りなどの自信がない方は紹介した擂り身にして食べるのが良さそうです。しかしそうなると大きめな頭、骨と筋肉の筋に皮を残してしまう事になるのでどうしても過食部は少なくなってしまいます。
流通に乗ることが少ない為珍しさは稀に見ることが出来るかといった所。時期は初夏頃に見られるようになるといった様子です。
味わいは脂が少なくかなり淡白な味ですが身の質はとても良く、紹介しませんでしたがお寿司などでもおいしく頂けます。
今回はこれまた未利用魚と呼ばれている魚の代表グループに入るような不人気のダツを紹介しました。
私の目指している事は未利用魚を減らす、大きく言えば未利用魚を無くす事です。
この記事を読んで下さった方の中に、小骨が原因で今まで食べるのを敬遠してきた方がいらっしゃったら是非掬い取ってつみれにしてみて下さい。
釣り人の方にとっては、「なんだよ、ダツか。」と思われる方が多いと思います。
しかしこの記事で紹介した調理法を試して頂いたら間違いなく見る目が変わると思います!
美味しい!と感じて頂いた方はどんどんシェアして頂けると幸いです✨
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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