小タチウオを活用しよう!

 

こんにちは、夢海です🐟️

 

今回は三陸から取り寄せた鮮魚セットの中身の紹介。

市場で神奈川県産の小さいものを見かけたのが8月で、その日は結局家に色々あり購入せず。

それから大型のものの入荷は見るものの、大型のものは値が高くなる傾向が強い魚であるため、なかなか食べられずにいませんでした。

 

 

タチウオの特徴

そんな魚はタチウオ。

大きいものは、入荷量があっても高値安定な印象です。

食べてみたいものの、日頃色々な水産物を買い漁っているので経済的に余裕がないし、小型でも存分に美味いことを知っているため、そんな背伸びをしなくてもいいや。となります。

 

今回のタチウオは86.4cmTL.351gでした。

定置網ものでも擦れが少ないのは、脂が最盛期ではない為なのか。と思わせます。

 

とりあえずこれを4等分にしてから内臓を取り出し、それぞれの用途に加工していきます。

 

 

タチウオの料理

当然涼しくなった9月中旬。

冷えた外の空気の香りに漂う焼けたサンマの香りを感じたくなり、購入してきたサンマと一緒に焼き上げます。

 

タチウオの塩焼き

隣にはサンマ、サンマの隣には焼いたタチウオ。

なんて贅沢なんだ。と心を躍らせながらいただきます。

 

タチウオは味が強い魚で、単に焼いてもその真価を発揮できます。

脂でしとっとした皮で身を包み、口へ運ぶ。

広がる焼魚の香りと後から後からじわじわ強くなる旨味、サンマと交互に食べると感じられる繊細さ。

 

脂がなくとも旨味が青魚に負けないほど豊富で、個性が強い一品。

小さいタチウオは擦れていても残念がらず美味しく食べてほしいものです。

 

タチウオの炙り握り

皮目を炙った切り身を握りにします。

 

味付けは塩とすだちで。

皮を上にするもの、シャリの面に合わせるものをつけました。

タチウオは皮が丸まりやすく、寿司にするのであればシャリに皮目を面した状態でつけると綺麗に整えられます。

 

そして驚くのがこの2つのつけ方で味が変わるということ。

表面に炙った面がある方は、口へ入れた途端に香ばしさがあり、そこから酢の香り、タチウオの甘味へと移行していき、終いにはタチウオの脂が残るような印象です。

 

一方でシャリに皮目を付けた方は、まずはシャリとタチウオの甘味がぶつかり、焼霜である事を忘れさせるような甘みで始まります。シャリが崩れると焦げた脂の香りが現れるという時限爆弾方式。

このインパクトが焼霜であると分かっていても、おお!となる面白い一貫です。

つけた後に炙る事が多かったり、炙ってあるんだよ、というのにアピールする為に皮目を上にするのが一般的ですが、あえてこれを隠すのもまた味の変化が楽しめて良いのではないかと思えました。

 

タチウオフライと骨煎餅

尾に近いところをフライに。

天ぷらは店名を忘れてしまったが、蒲田の居酒屋で2018年末に初めて食べた記憶がある。

 

これがよっぽど美味しくて印象に深く刻まれたため、これ以降はタチウオを入手する度に必ず天ぷらを作っていました。

今回は油が使い終わりかけでそのまま捨てるだけの状態であったため、パン粉のカスを掃除する手間もかからないや。ということでフライに挑戦してみました。

尾に近いところを開いて中骨を抜き、バッター液にくぐらせてからパン粉をまぶして揚げます。

 

やや厚みに物足りなさを覚える薄さであった為、これは天ぷらのほうがやはり向くのだな。という発見があったのと同時に、タチウオはフライでも個性が発揮できるというこの魚の用途の広さも再認識出来ました。

香ばしいパン粉に負けない旨味がないと、それは"白身魚のフライ"としかなりませんが、個性ある味がある魚を使うと、この魚種でなければいけない理由というものが見えてきます。

フライは手軽に食べられる料理だからこそ、あまり原価の高いものを使いたがらない風潮があるのは飲食店を経営される方と話しても感じられますが、工夫や魚選び次第でいくらでも可能性のある料理でもあります。

 

骨は握りで使った部位と今回のフライで抜いた中骨を使用。

密度が軽いので揚げてサクサク食べられます。

また、旨い出汁が出るので今回は一部を焼いてから干す焼干しにし、汁にしていただきました。

 

可食部が多く内臓は小さく、終いには骨まで美味しく食べられるという嬉しい点が多すぎる魚です。

 

タチウオの西京焼き

最後は西京焼き。

 

味噌に漬け込み、真空して冷凍保存しておいたものを解答していただきます。

骨ごとぶつ切りにしたものを漬け込んだので、中心部まで味が染みわたるかな?と半信半疑で焼き上げたものの、繊細かつ細い身の奥まで染みていました。

芳醇な味噌の香りに負けないタチウオの強い味。

 

細かい筋肉の節をちびちびとつまみながらゆったり食べすすめていきます。

味が濃いからか、小さいのにこんなにも満足感が大きいのはタチウオがそれほど旨い魚であると物語っているようです。

 

 

タチウオの評価

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・・☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

価格

・小型のものは比較的安く買い求めやすい。

 

コスパ

・歩留まりがよく、また調理もしやすい。無理に骨から外さなくとも小骨が気にならず、美味しくいただける。

 

珍しさ

・一般的。大型のものは高く、小売ではオマーンなどからの冷凍品なども並ぶ。小型のものは比較的安く、買い求めやすい。

 

・大変美味。雑味のない脂があり、皮目に旨味があり多彩な調理で活用できる。

 

今回は小型のタチウオを美味しくいただきました。

大型のものは紛れもなく食材としても高価な生き物ですが、特に小型のものは安く、煮付けや塩焼きであれば調理も簡単なので一般のご家庭でもぜひ活用していただきたい魚です。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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