腹太スズキを食べるのが春の楽しみになっているかも

こんにちは、夢海です🐟️

年末に購入して食べたものを書きまとめつつ、買い逃していたものを食べ調べるという日々に追われている1月中頃。

ちょうど一昨年もこの時期のスズキはどうだろうかなんてまとめた事が記憶にありますが、今回はまた産地を変えて。それも腹太の大型のものを見つけたので購入してきました。

スズキの特徴

今回のスズキは京都舞鶴港で揚がったもの。

年末は宮城や神奈川などの荷が目立っていたものの、年明けになると京都からまとまって来ているのが目に入るようになりました。

1入の細長く平たい発泡に伸び伸び詰められたスズキは3〜4キロほど。大きいものは4.5kg前後あるなど、かなり大型です。

スズキは晩冬〜春先にかけて産卵をするために集まってきて、これがまとまって揚がるため、旬とされる夏以上に見る機会があるし、単価も控えめで買いやすくなります。

しかし産卵期真っ只中なだけあり、白子や卵に栄養を持っていかれる時期であるため、身は痩せていたり、シラタと呼ばれる白く濁りブヨブヨとした状態のものが多く見られる時期でもあります。

関東へ入ってくるスズキの主な産地は千葉〜宮城にかけての常磐と、瀬戸内、そして稀に日本海といった肌感で、時期的な調査の意味と冬季の日本海産スズキは未食であったため 購入するに至りました。

持ち帰り、久々の大型魚の鱗取りが終わると捌いていきます。

あまりに魚体が大きく、まな板に乗り切らないので肛門のところで切り分けてから作業をします。

見た目から分かるように腹には立派な卵が入っており、空っぽだろうと予想していた胃袋には、ほぼ溶けて原型が分からないコノシロと思われるものが入っていました。

頭部はなくなっていましたが、恐らくは全長30センチほどはあるもので、脂のある餌を摂っている筈ですが、思いのほかスズキには脂がそれほど入っていない。

腹が膨れていたのはどうやらこの卵と内容物のようです。

脂は当然なく、内臓を触っても指にベタつくものがありません。

身もサラサラとしている様子で、冬のスズキらしい質ですが、身は生で食べても良さそうな具合です。

スズキの料理

スズキの刺身(尾の身、腹身)

まずは刺身をひとつまみ。

腹の身と、筋が強すぎない程度の尾寄りの身を頂きます。

まずは腹の身。

浜〆(産地で水揚げの際に締めること)なので柔らかく、脂っぽさはないけれど、旨味が豊富で味のボリュームが大きく感じ取れます。

しかし尾の方はさらに旨味が豊富に含まれ、肉も引き締まってなんとも美味い。

味や食感などを見ても、より万人に受けるであろうものは尾の方だと思えました。

スズキの刺身(背の身、尾の昆布締め)

続いては背の身と尾の付け根を昆布締めにしたもの。

購入から3日目、漁獲からおおよそ4.5日目だと思われる。

初日よりも味が増し、よりコクが深いものとなった。

数日寝かせても腹側は脂はやはり薄い。

昆布締めは最高の出来となりました。

スズキのカマ塩焼き

塩をして一晩置き、翌日の昼食にしました。

塩が馴染みスズキの洗練された旨味がひと口目から脳にまで響き渡るような旨味に襲われます。

こう焼いてみると大型個体らしく繊維がしっかりし、脂もあることが分かります。

繊維が太く強く、貝柱を食べているような食感が感じられ、大型だからこその良さがよく伝わってくる。

気がつけば茶碗一杯、カマひとつで食べきってしまいました。

ひとつというのは片身分になるので、ご飯2杯、カマ2つと汁の晩ご飯でした。

スズキの幽庵焼き

幽庵地に一晩漬けたものを焼き上げる。

調味料などで味の入った切身は焦げやすいので、様子を見ながら丁寧に焼き上げる。

今回の幽庵は調味料を変えてみたり、柚子果汁も生のものを使うなど変えてみた結果非常に美味しい仕上がりとなった。

仕上げの柚子皮も色味と香り付けに何役も買っており、地の果汁とは違いフレッシュな香りが味をだらけさせない。

下戸だけど、熱燗で一杯やりたいねと思わせてくれる一品でした。

もちろん、おかずにも合うけれど今日は辛めの白ワインで。

スズキの水炊き

寒い時期は鍋に使えるというところで、この時期には嬉しい魚です。

生では隠れていたうま味があらわれ、火が入ると本当に同じ魚なのかと思うような味の変化が見られます。

近海魚の豊富なうま味、特に皮目の脂の混じった部位は非常に美味。

冬スズキは火を通してなんぼのもん。なのかも知れません。

身に混じる脂は梅雨が強く、身のものは薄くなるものの皮目に集中しています。

ポン酢を垂らし、野菜と合わせて頬張ると飛んでいけるような美味しさ。

これでいて安いのだから、刺身用として考えなければお得だな♪と思います。

今回は腹太スズキを調査購入してみました。

大型のスズキは調理数色々と作れるので有り難いものです。

さて、肝心の卵ですが、作ったこともないカラスミを本種で代用してみよう。と作っていました。

塩漬けし、乾かしている最中に卵巣の中に虫のような硬い針金状のものが出てきた上に、水分もよく抜け切れておらず、失敗となりました。

からすみ作りはさておき、時期を見てもスズキの卵はまた来年までお預けかな。

スズキの評価

価格   ・・・・☆

コスパ  ・・・・☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

・価格

盛夏の時期は非常に高価だが、

 

・コスパ

 

・珍しさ

一般的。関東では千葉のほか、京都や瀬戸内など西からの入荷も見られる。

・味わい

白子や卵は冬ならでは。この時期だからこその鍋という楽しみ方もある。

 

今回は腹太スズキを調査購入してみました。

大型のスズキは調理数色々と作れるので有り難いものです。

さて、肝心の卵ですが、作ったこともないカラスミを本種で代用してみよう。と作っていました。

塩漬けし、乾かしている最中に卵巣の中にハリガネのような虫が出てきた上、水分が抜けておらず、結局台無しになってしまいました。

今年はカラスミ作りを学び、来シーズンこそはボラでカラスミ作りをやってみようと、2025年の目標も与えてくれる1尾でした。

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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