アカシタビラメで有明海に思いを馳せる

こんにちは、夢海です🐟️

2024年はありがたい事に、初食べの魚種と出会える機会が多い1年となりました。

今回の魚は瀬戸内淡路島からやってきた底モノ。

その奇妙な姿に思わず誰しもが三度見するのではないでしょうか。

アカシタビラメの特徴

今回の魚はアカシタビラメ。

ムニエルなどで知名度のある舌平目と呼ばれる魚の一種になります。

豊洲へは、主に千葉〜三陸にかけての産地からクロウシノシタ、今回のように瀬戸内からのアカシタビラメ。そして僅かですが、千葉からシマウシノシタなどが代表的に見られます。

コウライアカシタビラメという種もありますが、こちらも未食。アカシタビラメの荷に混ざってやって来ている可能性も高いので、恐らく4種前後が流通する種でしょう。

アカシタビラメ含むシタビラメ類はまだまだ自分の中で色々と食べられていない魚種。

というのも、安定した入荷がなかったり、あったとしてもやはり家の冷蔵庫に魚が多数居たりと、欲しい時に仕入れられないという自分で撒いた難題がありなかなか調べられていないものでした。

寒い時期に流通量が多くなるため、今シーズンは本種含めシタビラメ類を調査したいところです。

アカシタビラメは、高級フレンチの食材でしょ?と思いきや、身近なデパ地下の鮮魚店さんなどで見るなど、意外に身近なところで出会える機会が転がっていたりします。

ラウンド(加工前の丸の状態)はもちろん、皮がむかれてそのまま調理できる状態のものも見られ、丁寧な加工がされていて感心。なんて思うこともあります。

今回は3尾入手。

正箱の中から一番大きいもの、平均的な真ん中のもの、小さいものを選択。

群れる魚でないため、底引き網でゴソッと獲られるシタビラメ類はデブロクがよく見られます。

2尾は内臓を抜いて皮を剥く。

皮はしっかりしているため、簡単に手で剥くことができます。

1尾は塩・ハーブ類・カレーパウダーをまぶし一旦置いておき、1尾は5%前後の塩水に漬け込み30分置いておく。

鮮度が良く身も悪くなっていないので1尾は生食でいただきます。

アカシタビラメの料理

アカシタビラメの昆布締め

まずは昆布締めから。

2024年はじめに食べたクロウシノシタは見た目にやや濁りがありましたが、本種は身に透明感があります。

これが驚くべきことに、昆布の旨味だけでなく舌平目そのものにも味があり美味かった。

昆布締めにしてもアカシタビラメの香りがあり、風味豊か。

もちっと反発する食感も実に良い。

今回、ポン酢と薬味で頂きましたが、これは刺身でわさび醤油につけてもありだなと感じられました。

身は透明感があり、鮮度がいいものは刺身用の魚としても重宝しそうです。

アカシタビラメのムニエル

アカシタビラメは皮を剥いでおき、塩と刻んだ生バジル、カレーパウダーで味付けをしておく。

小麦粉をまぶしたらバターを敷いて熱したフライパンでこんがり焼き上げる。

付け合わせは今回じゃがいもを使用しました。

バターの芳醇な香りと、表面が香ばしく焼き上がったアカシタビラメ。

フレンチな筈だけど、ポテトを食べるとブリティッシュ、生バジルが香るとイタリアンと、とりあえず余っていた食材をあれこれ使ったのでまるで気分は欧州旅行♪な一皿に。

バターの芳醇な香りと、表面が香ばしく焼き上がったアカシタビラメ。

鰭までパリッと食べられ、この香ばしさと食感がアクセントとなります。

おまけに血合い骨などの小骨も少ないので気にしないで済むし、フィレにしたら骨が全く当たらない。

身のきめ細かいうま味と質は、バターなどでソテーするのに間違いなく向きます。

アカシタビラメの干物

最後に干物で締めます。

焼き上がりはしっとり。

カレイって、干物が美味しいよなー。とここ最近強く感じられるようになり、年取ったんかなー。と、自分より年上の人を敵に回すような事を思ったり。

それはさておき、アカシタビラメはクロウシロシタに比べて筋肉の繊維が細かいように思える、とここでふと思いました。

自分で見た相場観では、産地が違えどクロウシノシタよりもアカシタビラメの方が高く感じられ、体色よりもこの細やかな身の質が好まれての価格差があるのでは、と思いました。

鱗の処理のしやすさや、皮の剥ぎやすさ等も確かにアカシタビラメの方が加工もしやすい。そんな気がします。

アカシタビラメの評価

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

・価格

やや高値安定。洋食などでの需要に対してまとまって揚がらないという点が考えられる。一方で漁獲されるサイズもまばらな為、数尾だけ揚がった場合は産地で消費されるものだと思う。

・コスパ

歩留まりは悪くない。頭は小さく、内蔵も大きくないので可食部が多く感じ取れる。

・珍しさ

頑張れば手に入る魚種。都内のデパートなどにもむき身で並ぶことは比較的見られる。

・味わい

一般にはムニエルが定番とされるものの、古くから焼いたり煮たりして食べられている魚。どんな調理法でも美味しい。

 

シタビラメ類はここ数年、三陸からクロウシロシタを度々送って頂いてるザッコの中に紛れるのを頂く程度で、アカシタビラメは今回初調理、初食べとなりました。

 

なかなか市場でもタイミングがないと手に入らなず、並んでいても意識しないと普段買わない、というより、「買わなくともたまに見るから今度でいいや。」というような魚になってしまっていたので、年間を通して気にしてみる、という年を近く設けたい。

さて、スーパーのラベルなどを見てもムニエル用と印字されているなど、首都東京では(需要のせいで単価も高いため)一般的にはムニエル用の魚だ、という認識が広く知れ渡っていますが、有明海周辺地域の"くつぞこ料理"など、ムニエルよりも先に知るべき食文化がある、という事もいずれどこかでお話出来たら、と思います。

有明周辺へはまだ訪れる事が出来ていないので、近く、特に賑わう春先になど行ってみたいものです。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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