初食べオオシロアナゴはマアナゴには劣るが味のいい魚

こんにちは、夢海です🐟️

 

今回は鹿児島県内之浦からやってきた魚の記事になります。

 

初めて取り寄せてみた鮮魚BOXに入っていた魚は全部で5魚種おり、そのうち3魚種が未食のものであったという大変満足な内容でした。

これまで食べた魚は631魚種(24年7月現在)。

これだけの種の魚を食べていると、市場で未食のものを探すには限度が感じられるようになりました。

 

そのため普通では流通しない、流通させられない魚を取り寄せるべく今は各地の産地から直送で入合箱を取る事に注力しています。

 

送料が余計に付いてしまう点を考えると、市場で買い集めるのに比べコスパは良くはないものの、思いがけない出会いもあるのでメリットの方が大きく感じられます。

 

 

オオシロアナゴの特徴

今回の魚はオオシロアナゴ。

 

久しぶりのニョロニョロ系であり、久しぶりの検索図鑑の出番となりました。

 

ただでさえニョロニョロ系の同定は苦手なので誤同定の可能性もありますが…

 

尾鰭は黒く縁取られ、肛門前側線孔数を数えてみると52という特徴から、恐らくオオシロアナゴであろうというところで落ち着きました。

種類的に画像からの断定は難しいものですが、もしお分かりになる方がいらっしゃればご教示いただければ幸いです。

 

非常に見た目の似たシロアナゴというものも居ますが、魚体が細いためまあ特徴が薄い。

 

腹まわりは白いなぁとなりますが、目立つ模様などがある訳でもなく、まあこれといった特色が少ない種です。

 

銀色のものや細いものなど、こういった魚を相手にすると、カラフルな魚であるほど見分けるのは容易だと思います。

色がある分、種類も多いように感じられますが、身近な生き物の仲間を見分ける方が難しいと感じられます。

 

今回、調理法としては背開きにし、頭と背骨を外します。

ここまでは通常のマアナゴと同様。

 

身の質を見ると、やや透明色で脂は薄く感じます。

打ち身をしておらず身に血が回っていないいい状態のものが届きました。

 

頭とあら骨はアヤトビウオの骨と合わせて出汁用に使います。

 

 

オオシロアナゴの料理

オオシロアナゴの天ぷら

残念なのが、珍魚でありまとまって獲れるものでないため、1本しか届かない時は調理法に悩むものです。

 

白焼きか、煮穴子か、悩みに悩んだ末、今回は手頃にできる天ぷらを選択しました。

開いて軽く湯をかけます。

ぬめりをこそげ取り、天ぷら粉に付け揚げます。

 

マアナゴに比べると脂が薄い印象。

あっさりした後味ですが、臭みはなく品のある底棲魚といった味わい。

食感こそ違えど味わいはアナゴよりも、長いメゴチでも食べているんか。といったような素直な白身をしています。

皮はやや厚みがあり脂がないため縮みやすい性質をしています。

そのためクルンっと内側へと縮みましたが、これがより食感を感じさせる役割をしており、特色が感じられます。

 

オオシロアナゴとアヤトビウオのだし汁

オオシロアナゴと別で紹介予定のアヤトビウオのあら(中骨)から出汁をとり汁にした。

酒と水にあら骨を入れて煮出し、少量の塩で味を整える。

アクを取りながら、仕上げにお好みでネギを散らして完成という単純なものですが、これが足の先まで染み渡る美味さでじーんと余韻が感じられます。

 

マアナゴに脂のりでは間違いなく劣るものの、さすがはアナゴ。腐ってもタイならぬ真なる種でなくともアナゴ。

奥深い旨味があり、脂がいい意味で薄く邪魔をしないので素直な美味しさが感じられます。

 

 

オオシロアナゴの評価

価格   ーーーーー

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

価格

・今回は入合であった為評価不能。地域的なものとして産地で消費が主かと思われる。

 

コスパ

・小ぶりではあるもののマアナゴ同様、食べごたえがある。

 

珍しさ

・なかなか出会えないものだと思われる。

 

・美味。マアナゴに比べ脂が薄い点を考えるとやや旨味に欠けるようにも思えるが、味は品があり良い。

 

 

おまけ(クロサギ)

内之浦は国内の産地でも南方に位置し、クロサギ類は南に行くほど種類も多くなります。

ダイミョウサギあたりかな、なんて期待をして調べてみたところノーマルのクロサギである事が分かりました。

 

ここ数年続けて秋頃に関東近辺の産地のものをよく食べているため、種類としては珍しいものではありませんが、初夏の鹿児島のクロサギという初めての出会いでもあるため、喜ぶべき出会いです。

 

↑鱗が剥がれやすい種なので網ものはほぼ擦れてしまっている。

 

口は下方へ長く伸びる。

 

クロサギの料理

クロサギとイトヒキアジの握り

同じBOXに入っていたイトヒキアジと合わせて握りにしてみました。

 

クロサギは右上のこちら。

 

皮目を炙り焼霜に。

小ぶりでありながら豊富な味わいが楽しめる魚ですが、皮を活かすことでこれまたグンと美味くなります。

身は特色が少ないものの、皮に旨味があるので湯引き(試したことがないので皮が硬いかも)か焼霜で使いたい魚です。

炙ると黄色い脂が浮き上がり、強めに火を入れることで風味がグンと増します。

 

 

クロサギの評価

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・安くはないが、高くもない魚。

 

コスパ

・歩留まりは悪くない。小ぶりな魚であるため、加熱する場合は下手に卸さず骨についた状態で扱うとよい。

 

珍しさ

・市場ではあまり見かけないが珍しいものでもない。釣りの外道としても稀に釣れる。高くもない上味もいいので、興味のある方は見かけたら買うべし。

 

・特に皮目に脂があり美味。風味も皮下が強いため皮を活かして調理したい魚である。

 

 

今回は鹿児島からやってきた魚を2種ご紹介しました。

 

実に面白いBOX内容でした。これはリピート確実です。

なかなか南の方面へ行けていない分、こう暑い日が続くと体は南の魚が恋しいと思います。

次回もまた面白いものがやって来た際には、皆さんにご紹介しようと思います!

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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