魚類最強!?猛毒魚オニダルマオコゼを捌いて食べる
⚠️⚠️⚠️はじめに⚠️⚠️⚠️
※今回の記事は非常に危険な魚を扱います。
※紹介の中で、素手で触っている場面がありますが、皆様は決して真似しないで下さい。
※法律上は禁止されていませんが、魚の知識がない方は出来るだけ扱わないようにしてください。
以上を了承の上でどうぞお楽しみ下さい。
こんにちは!夢海です🐟️
時化や海水温が下がり、面白いものがないなぁ。なんて市場を彷徨っていたある日、出会いました、出会っちゃいました。
デデン
石じゃありません。魚です。
水族館でも擬態の達人として人気のある種、
『オニダルマオコゼ』
です。
隠れ上手なだけでなく、
魚類界でも最強クラスの猛毒の持ち主であり、危険生物としても知られています。
こんなのが沖縄などの浅い砂浜に周囲に溶け込みながら寝転がっているわけですから、それはもう危険です。
※絶対に真似しないで下さい。
外見上はそこまで背鰭の毒棘はあまり目立ちませんが、鰭を立ててあげると鋭く長い棘が倒れて隠れています。
鬼達磨の名を持つこの魚。顔面はまるで「鬼」の形相。
では何故ダルマなのか?
今回は分かりやすいように、普通の「オニオコゼ」も比較用に用意しました!
このオコゼと呼ばれ流通する「オニオコゼ」という魚。見た目の割に味が良く、なかなか値段がするので小さめを選んできました。
こちらは鋭い棘が剥き出しになっており、また人が海水浴などで出会うような浅い海にはめったに現れず、そこそこ深い海底に棲んでいる為オニダルマオコゼほど危険視はされていません。
以上の点からも、オニオコゼはオニダルマオコゼより優しい(?)ですね!
そしてオニダルマオコゼの「ダルマ」。それはオニオコゼに比べて体格が丸く、まるでダルマに見えませんか!?
魚の中でもこんな姿の魚はめったに居ないことからも、ダルマの名が相応しく思います。
ちなみに名前から鬼を取ったダルマオコゼという可愛い顔の魚もいます。
さて、オニダルマオコゼに話を戻し毒のお話をしましょう。
この背鰭にその毒液はあり、「ストナストキシン」と呼ばれる毒を貯めており、背鰭を立ててスイッチが入ると勢いよく噴出される、なんとも恐ろしい構造です。
そしてこの「ストナストキシン」、毒性で言うと青酸カリやサリンよりも強力なもので、1尾の保有する毒だけでなんと成人男性約3~4名ほどの致死量を含むと言います。
熱帯の海に遊びに行くときは、岩には触れない事。
もし刺されてしまっても、タンパク質由来の毒の為40℃以上の加温で毒性は失われる為、熱めの湯に患部を付けて応急処置をしてお医者さんに問い合わせましょう。
全長37cm、幅25cm、高さ11cmの巨体は持ち上げてみるとなかなか迫力があります。
歯は細かく、鋭い牙が生え揃っていそうな見た目に反して、あまりは目立った武器ではありません。
そのため素手で持ち上げてもあまり痛くはありません。
腹鰭は団扇状。鰭膜と皮膚覆われ、左右の鰭がくっ付いているようにも見えます。
全体的に皮膚がぶよぶよで、摘まむとこの通り。
明らかに身を包む面積よりも、皮のほうが大きいです。
薄い黄色をした苔が体中に付いているため、調理前はこちらを丁寧に落としましょう。
この苔がエグ味の元となり、美味しい料理も台無しになってしまいます。
開いてみると大きい胃袋や肝が入っていました。
残念ながら胃袋の中身は空っぽ。熱帯魚なんか出てくると面白いななんて考えていたため少し残念。
ニガ玉も大きく、過去に捌いたものだとオオモンカエルアンコウに近い印象です。ゆったりする生活感やブヨブヨの皮も似ていますね。
肝の様子もまたオオモンカエルアンコウを彷彿とさせます。
皮をある程度剥いたらいよいよ解体していきます。
ブヨブヨの分厚い皮の下にはこんなに長く頑丈な毒棘が埋まっていました。
仮に毒を持たない魚だったとしても危険であることに変わりはなかったでしょうね💦
解体して食べる部位を集めました。
ほぼアンコウと同じような部位になりました(笑)
違うと言えば身の水分量。
アンコウはぶよぶよの身ですが、こちらは水分が少なく硬めの印象。
触った感じでもしっかりした身である事がよく分かります。
目次
オニダルマオコゼの料理
オニダルマオコゼの刺身
まずはお刺身から。
綺麗な白い身をしていて、血合いもほぼなく南方の魚らしい色合い。
無難にわさび醤油で頂きます。
コリッと弾け、その食感は皮目にゆくほど強くハタ類に近い印象。
臭くはない程度にやや磯の香りがあり、ハタには劣ってしまいますが普通に美味い魚です。
オニオコゼはあまり生では食べないので、大きさ故に堪能出来るのは嬉しいところ…!
オニダルマオコゼの握り
これを寿司にするとどうなるのかというと、繊維に沿って刃を入れればなんとも柔らかく、スズキやコチのような夏の魚を彷彿とさせる食感に。
香りの強い酢で仕立ててしまえば魚の存在感が霞んでしまいます。
旨味はというと薄いものですが、これはこれでアリだと思います。
オニダルマオコゼ鍋
続いてはお鍋!
南方の魚とはいえ、調べて出てくる人気料理はこの鍋でした。
加熱しても身はやや硬く、大きめにぶつ切りにしてやれば食べ応え抜群。
とても筋肉質のタラのような、引き締まった少し硬くしたような印象で、歯ごたえ抜群。
オニダルマオコゼの天ぷら
最後は天ぷらで締めましょう!
揚げでも白く綺麗に仕上がり、岩のような外見からは想像も出来ないような美しい仕上がり。
味付けは塩とすだちでシンプルに。
旨味を引き立てつつ、柑橘の香りを付けて爽やかにしてみたいと思います。
オニダルマオコゼの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・・☆☆
珍しさ ・☆☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・価格は高い魚。今回は野締めだったが、これが活魚となるとより高価になるだろう。
コスパ
・見た目通り非常に悪い。今回は骨格標本にするため調理に使用しなかったが、頭も割って汁物にすると良いだろう。
珍しさ
・関東では非常に珍しい。産地である沖縄でも流通量は少なく、食材として希少価値が高い。
味
・実に美味。そうでないとここまでの値段は付かないだろう。と納得の味。オコゼというよりもハタ類に近い印象。
関東では非常に希少価値の高いオニダルマオコゼを食べてみました。
名前や毒性から有名ですが、食べられるという事、そして高級食材であることを知る人はきっと僅かでしょう。
なかなか巡り会えることは少ないですが、もしも出会う機会があれば、調理して頂いたものを食べてみて欲しい魚です✨
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします!
Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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