希少なボラの仲間メナダは品のある美味い魚

こんにちは、夢海です🐟

 

これまで一度しか食したことがない。情報をより集めたい。といった魚をリピートする事に徹しているこの頃。

何度か見かけてはいたものの、タイミングが悪くなかなか買えていなかった魚を入手してきました。

 

 

メナダの特徴

今回の魚はメナダ。

パット見はボラのような姿ですが、メナダは目が小さく、体が細長くなります。

 

このメナダ、過去には北海道紋別の個体を2018年に一度食したきりで、またどこかで味を確かめたいと考えていました。

今回の個体は長崎県島原産。

海で言うと有明海に当たります。

 

前回の北海道のものはかれこれ5年以上前になってしまうので、刺身は脂がありなめらかであった。程度の記憶しかなく、今回はそれを再確認することとします。

 

さて、まずは形態を細かく観察していきましょう。

ボラは大きいクリッとした目が特徴ですが、メナダはオレンジ色の小さな目をしています。

 

かわいらしい顔つきをしており、メナダのゆるキャラが居ないのが不思議なほど可愛いです(よね!?)

 

鱗は大きく剥がれやすい。

黒点などの模様があり、これが連なって網目を形成します。

 

ボラに比べ流通量がかなり少なく、見かける場所は限られてしまいますが、有り難い事にこの魚を度々置いている鮮魚店で購入してきました。

 

 

メナダの料理

メナダの握り

まず1品目は握りに。

 

ボラ類の身は色が鮮やかで、血合いの面積も広いためどこを切りつけても美しい見た目になります。

時期でないためか脂は薄く、やや透明感がある。

細かな黒い血栓が散りばり、沿岸魚らしい見た目です。

 

食感はやや硬く、噛み切る時にコリッと歯ごたえが感じられます。

すると爽やかな風味があり、しっとりした肌触りとほのかな甘味が感じられます。

 

今回の個体はやはり脂が薄く、以前いただいた個体の方が脂の甘味もあり美味しかった印象です。

それでも今回の個体もまた香り、味のある魚で大変美味しいもの。

昆布締めにしてもよし、湯引きも美味しんだろうな。なんて考えていました。

 

メナダの刺身

あしらいが少なく質素な盛り付けですが、血合いと身の紅白色が目を引きます。

 

メナダ単体でもその良さは十分に味わえ、1枚1枚の切身に面白い味が詰まっています。

夏前ということと、内臓の生殖巣をみた様子から産卵後であり脂は薄く感じられます。

 

身はしっとり、噛み切る時にゴリッとした食感があり、白身として万人受けしそうな印象です。

ボラに比べると色んな意味で上品過ぎるほど。

 

川の香りが混ざったようなボラ特有の味わいを想像して食べると物足りなく感じるかもしれません。

それだけメナダは雑味がなく

もし仮にボラに抵抗感がある方がいらっしゃれば、まずはメナダから入ってみると良いかもしれません。

 

メナダの煮つけ

頭に近いカマ下の部位を使用しました。

 

汁に腹回りに集中した脂が溶け込みキラキラと輝いています。

 

皮は柔らかく箸で簡単にほぐせ旨味があり、皮下の大きい血合いもまた味わいを引き立てる要素となります。

この美味い皮際のところと、脂の甘味が重なり非常に美味。

 

身の質感は細かい繊維質で、脂を含んで柔らかいソフトな食感をしています。

血合い骨や腹骨が特徴的な形をしていて、身は煮詰めすぎたせいか少々離れが悪いものの、皮目に川魚のような香りがあり、血合いに混在する脂の甘さが大変美味いです。

 

メナダの酒蒸し

骨付きのままカットした切り身を酒蒸しにしました。

水菜や豆腐などをお好みで使うとより華やかになります。

酒と昆布を敷いて、味付けは塩を軽く振りました。

 

煮付けとはまた印象が変わり、クセのない身は酒や昆布の旨味を吸い込み、淡白な中に近海魚らしい香りがあります。

 

刺身では感じられなかった"隠れた味"が火を通す事で表舞台に出てきました。

この酒蒸しが想像以上にメナダにあった調理法であると感じたので、次回はボラを入手し再び試してみたいと思います。

使った部位も旨味の強い尾鰭に近いところというのが良かったのかも知れません。

 

メナダの照り焼き

皮付きで適当にカットしたメナダの切り身をごま油でソテーする。

そこへ醤油やみりんなどを流して照り焼きに。

余ったタレを絡めながらいただきます。

 

皮から焼くことでカリッとした食感になり、これだけで満足感が高いです。

どこか背の青い魚らしい旨味も感じられるて、白身の中に様々な要素が見られて面白い味の魚でした。

皮目に旨味があり、表面に脂が感じられて滑らかな甘味のある層にコーティングされた淡白な旨味の中心部は、どこか川魚を思わせる豊かな香りがあり、メナダそのものの味の印象が途中で変わるという面白いものでした。

 

さて、ここで大変なことに今回のメナダのへそを紛失した話を。

間違いなくエラを取り除いて捨てた際に、とって分けておき、血を流して開いてバットに並べていたはずが消えていました。

 

まだまだ関東に雷様がやってくるには早い時期なのに、僕のメナダのヘソは一体どこへ。

ヘソ、美味しいんだけどな…。

 

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メナダの評価

 

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・ボラに比べるとわずかではあるものの、高いというのは言い切っても問題ないほど価格差が感じられる。しかし白身魚として一般的な価格帯。

 

コスパ

・歩留まりは悪くない。ただ腹回りは外見以上に身が薄く、可食部が少ない。

 

珍しさ

・やや珍しい。ボラに比べると圧倒的に見かけない。豊洲では今のところ目にしたことがない。

 

・風味豊かで実に美味。身質も加熱しても硬くならずに使いやすい。

 

 

今回は流通量面で希少なボラの仲間、メナダをいただきました。

汽水域に生息することから川魚の良さが混じりつつ、上品な白身で用途は多いです。

昔に食べたことがあるのが北海道紋別産のもので、魚体のハリや脂のりも今回の個体とは大きく異なっていたと記憶しています。

またあの北海道産のものを入手したいと夢見ると同時に、今回のヘソは一体どこへというミステリーを解決しなければなりません…。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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