名前からして高級魚?マルコバンは味も高級!
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします!
Twitter: @YUMEUMI27
ブログ: 夢海のまったり魚日記
こんにちは!夢海です🐟️
今回は、珍魚でもあり、高級でもある魚をご紹介致します。
目次
まるでコバン!?珍魚マルコバンとは…
今回ご紹介するのは‥マルコバンです!
初めて聞いた方は、大抵「それは魚かい?」といった反応をします。画面の前のあなたも、恐らく驚かれた事でしょう。
その名の通り、丸いコバンの様に輝く魚です。
その姿がこちら!
変わった形をしていますね。笑
名前だけでなく、とても面白い見た目をしています。こう見えて、なんとアジの仲間、アジ科に分類されています。
今回のマルコバンは、鹿児島は串木野という所から遙々やってきました。すっかりお馴染み、吉池さんより購入させて頂きました。
このマルコバン、東南アジアなどの海外では養殖もされていて、日本国内にも僅かながら輸入されていたりもします。
私としては、寿司屋で一度食べたことがあるものの、国内の天然ものは極めて少なく、ずっと欲しくても手に入らなかった魚です。
こちらが頂いたマルコバン。シマアジに匹敵、もしくはそれ以上の脂と旨味が凝縮されていました。
そんな珍しい魚がなんと、通い詰めている吉池さんに入ったということで、即電話して取り置いてもらいました。笑
それも2個体!本当に夢のようです。
2匹で¥5000くらいしました。これも、この魚の美味しさからでしょう。
珍しいのに高級魚、さてこの味わいは!?ということで、調理パートへ移行しましょう!
マルコバンの調理
今回は、握り、幽庵焼き、変わりもので生ハムを作っていきましょう!
まずは卸すところから。
まずは鱗を落としますが、皮膚に埋没していて、非常に剥がれにくいです。そういった魚は皮がしっかりしていることもあり、無理に鱗を落とすのではなく、皮を引いてしまいましょう。
1匹は加熱用にしたいので大ざっぱに落として、残りは調理前に熱湯をかけて落とします。
かなり飛ばしますが、卸すとこの様な感じに。やや赤みがかった身は、アジらしさを感じさせますね。
一見、あっさりとしてそうな身ですが、よく見ると脂が混在しています。
最初にご紹介した握りも、あれだけ真っ白だったので、期待感が高まります。
腹骨~
ここにも脂がしっかりと。美味しそうなので、こちらはあら汁にします。
皮を引くとこんな感じに。やはり、マルコバンは身体中に脂肪があるタイプですね。
一般的には、腹側がトロで脂があって美味い、などと言われますが、このタイプの魚は、正直どこを食べても脂があり、美味いです。
今まで捌いてきたものの中だと、ナガコバンなんかが近いです。これもマルコバンの仲間?と思われるかと思いますが、ナガコバンはコバンザメの仲間。コバンザメはサメではなく硬骨魚類、スズキ目の魚です。
ややこしいですね。笑
こちらがナガコバン。2枚目は、全体的に白みがかっていますが、これがその特徴です。
・・・ややこしくなりそうなのでマルコバンの話に戻しましょう。笑
引いた皮がこちら。アジの仲間は、比較的剥がれやすい鱗をしており、鱗が付いたまま皮を引けばポロポロと落ちますが、こちらはしっかりと皮に残ったまま。皮を標本に使う私としては、とても助かります。
あ、一つ宣伝ですがこの様なものを作っています。
販売もしているので、気になる方は私、夢海までご連絡下さい(笑)
さて、宣伝はこれくらいにして、、、加熱用、生食用と切り分けていくのですが・・・
この行程の写真がほとんどなく、かなり早く感じてしまうかと思われますが、一気に味わいパートへ飛ばします。モウシワケナイm(_ _)m
マルコバンの食べ方・味わい
今回は握り、幽庵焼き、生ハムを作りました。
握り
まずは握りのご紹介。
左2貫は握り、右は炙りです。
握りはわさび醤油、炙りの方は塩を振ってからバーナーで炙り、仕上げにすだち果汁をかけています。
まずは握りから。
見た目は、まるで脂の薄いイナダにも見えます。しかしこれが食べたら驚くうまさ!脂の強烈なパンチを食らいます。
アジの仲間では最強レベル。以前食べた事のあるカッポレとも張り合えるくらいです。
見た目はサッパリとしていそうなのに、食べると分かる強烈な旨さ。以前寿司屋さんで頂いた時を思い出しました。
これぞマルコバンです。
炙りは、熱を加えることにより、余計な脂が落ちてより食べやすくなります。
すだちの果汁を絞ってやることで、爽やかさが加わりマイルドな旨さへと早変わり。
そのままの握りだと、脂が強く、多くは食べられません。
一方、炙ってやるといくらでも食べられそうな握りに変身です。
幽庵焼き
続いては幽庵焼き。
みりんや醤油に柑橘系の果実をスライスして、半日~1日ほど漬けてから焼きます。
今回は、すだちを使用しました。
この状態で1日ほど寝かせます。
しっかりと汁を拭き取り焼きます。
こんがりと焼くことができれば、完成です!
味わいは、焼くことでアジのようにジューシーでホクホクな身を感じられました。そこに、漬けダレのアクセントと、ほんのりとしたかぼすの香り。ただ切り身を漬けて焼いただけなのに、高級な味わいです。
サワラなんかでも美味しいと思います。皆さんも是非、切り身でお試しあれ!
生ハム
さて、最後に生ハムの紹介です。
こちらは、刺身のように切り落とした身に、粗挽き胡椒と燻製塩をかけて、一晩干したものです。
しっかりと表面を乾燥させるように、網などに乗せるのがポイント。こうすることで、上手く作れます。
あとは、表面の様子を見ながら、じっくり冷蔵庫でラップをせずに乾燥させていきます。
でき上がったものがこちら。
見た目にも、かなり美味しく仕上がりました!少し前に、カマスサワラというサワラの仲間でも作ったことがありましたが、今回は脂の多い魚だったために、ジャーキーのような感じもします。
噛むと、脂の旨味がじゅわじゅわと出てきます。炙ると、またこれが美味い!香ばしさとカリカリ食感が加わり、脂もマイルドになるので、食べやすくなります。
マルコバンを入手された際には、是非試して欲しい調理法です!
まとめ
さて、今回は、珍魚にして高級魚なマルコバンを調理しました。
東南アジアで養殖されているだけありますね。
そういった国々から僅かながら輸入もあるようです。
なかなか食べる機会のない本種ですが、見かけた時は購入をオススメします。
今回のように、面白い魚をバンバン仕入れて行こうと思っていますので、今後とも是非宜しくお願いします!
ではまた🐟️
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