カンダイ美味い!と知れた1尾
こんにちは、夢海です🐟
さて、4月に入ったある日のこと。
気になる魚が千葉からやってきて、目の前に並んでいるではありませんか。
冷凍庫のものが多いよと、家の人に言われ鮮魚を買わぬよう釘を刺されてはいた為泣く泣く購入を控えた。
か、翌日になってもまだ並んでおり、やはり買うべきではないかと、キロ単価も安く思わず財布の紐が緩んでしまいました。
目次
コブダイの特徴
今回の魚は千葉県産コブダイ。
箱にはカンダイと書かれており、5キロ前後の水氷の箱に5尾ほど入っています。
果たしてコブが発達する前で、春を迎えてしまったコブダイ(かんだい)は何と呼ぶべきか。なんて疑問が脳裏をよぎりましたが、どうやらまだまだ旬の時期を外してないらしく、おまけに箱にはカンダイと書かれている為ここではカンダイとして呼ぶことにします。
そもそもカンダイは、寒い時期の旬で寒鯛だというのは正しい由来とも限らない為、ここらで無知な私はこの話を切り上げようと思います。
ものを見ると水氷に仕立てられていた為、目は白くなっていますが鮮度としては間違いなく、身はハリがありしっかりと硬直しています。
ベラ科は表面にぬめりがあるため、鱗を落とす前に一旦軽く水で洗い流しながら、ブラシなどで落とします。
この絶妙な深紅色と黒のグラデーションが非常に綺麗。
卸すと身はふくれており、上側に盛り上がります。
大型のベラ科はもちっと身が膨れ、割った時に盛り上がる様子が何とも美味そうに見えて仕方がないものです。
ここまで良いコブダイは入手が初めてであるため、持ち帰る最中は間違いなく電車でニマニマしていたことでしょう。
コブダイは大きくてもこの1kg前後のサイズしか購入した事がなく、それも鮮度がイマイチであったり、愛媛の刺し網のもので、身がやや傷んでいて火を通して食べたことがある程度。
今回はその真逆のような非常にいいものであるため、さてどう美味く調理しようか。と、ここ最近でも腕がなる個体でした。
カンダイの料理
かん鯛の刺身盛合い
まずは刺身から。
かんだいは皮を引いたもの、焼霜の2点を用意。
他は境港サーモンと、別のブログで紹介したイサキの焼霜のあまりを盛り込んでみました。
春の海藻の海を泳ぐコブダイをイメージし盛ってみました。
かんだいの刺身
単に皮を引いたもの。
皮目に感じられる脂の層があり、身は柔らかく瑞々しい。
後からじんわりと追ってくる甘味は余韻が長く、後味も淡白でクセのない品のあるもの。
刺身に使う擬音語としては微妙ですが、つるんっとしたなめらかな舌触りで喉をかすめていきます。
甘味がじんわ~と広がり、淡白な上に甘味が乗っかっているような印象。
レモン汁を垂らしていただくのがこれまた美味です。
かんだいの焼霜
表面を洗い、柵取りしたカンダイの皮を炙ったもの。
皮は厚みがあるため、強めに火を入れます。
これがなかなかにイケル味。
水分が多めの柔らかい身が締まり、香ばしい皮はゴリッと食感のアクセントに。
厚めに切りつけたため、身のふわっと感、弾力がより強く感じられ、これぞベラや!という食感の良さを堪能します。
単に刺身でも美味いのに炙った身はそれだけ贅沢なもので、淡白で奥深い味わいとなっています。
境港サーモン
刺身用に頂いたものがあったので盛り込んでみました。
境港産の養殖銀鮭で、国産サーモンらしく脂は控えめでサッパリと食べやすい。
筋肉質な身で柔らかすぎず、養殖サーモンとしては自分好みな味わいでした。
かんだいの握り
皮を引いたものを握りにしてみました。
カンダイの寿司は恐らく今回が初めて。
寿司屋でも食べた記憶がないのでほぼ間違いなく初実食でしょう。
刺身の質を見て、これは寿司で試さねばならぬ。というよりも寿司にしなければ気が済まぬ。となったため、急いで酢飯を用意しました。
今回は単にわさびで。あればジュレポン酢と合わせてネギ、紅葉おろしで食べても美味でしょう。
淡白な味わいの種が多いベラ科の中で風味が豊かで、シャリに馴染む甘味があれば、しこっとした食感で柔らかく反発する身を噛むほどに感じられるのは甘味。
やや旨味に欠けるものの、甘味があり食感がよく、思わず深く味わいたくなる。そんな一貫でした。
薬味と合わせてもよし。大型のベラは食感がいい!
かん鯛フィッシュ&チップス
刺身に取った柵の切れ端や、残った半身の皮を取ったものを一口大に切り分け、塩胡椒をしておく。
片栗粉をまぶし、芋と共にオリーブオイルで揚げ、きつね色になったら取り上げる。
筋肉の繊維と並行するようにカットし、その繊維がほぐれると旨味が漏れ出し香り立ちます。
身の密度が軽く、口当たりも食べられます。
単に塩コショウを振りこれを楽しむもよし。
お好みでケチャップやマスタード、サルサソースなどに付けてもよし。
かんだいのムニエル
半身を皮付きのままカットしてハーブ類や塩胡椒で味付けをし、オリーブオイルとバターを溶かしたフライパンで焼き上げる。
こんがりときつね色になったところで火から上げて完成。
大型のベラ科は身が厚い魚であるため、焼き上げた時の食べごたえは素晴らしいものになります。
柔らかくジューシーな汁が溢れ、節の大きい柔らかい身がさらに細かい繊維へほぐれ、そこから嫌味のない旨〜い香りが口に広がります。
お好みでバジルやチーズソースと合わせても美味です。
カンダイの兜煮
頭は梨割りにしておく。
砂糖を多めに入れ、甘めの味付けに仕立てます。
コブダイは若魚であっても、おでこの皮が厚くぷるぷるとした食感で美味であり、かつ煮汁も浸透しやすい。
頬やカマの柔らかい肉をちびちびとつまみ、クイッと日本酒で洗い流すというのも至福の時を過ごすもよし。
魚によって辛い・甘い・しょっぱいなど、煮汁の味も変えてあげると馴染み方も違い、より美味く仕上がります。
コブダイの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・色味も良いし味もいい割には安価。小型の個体は特に手が出しやすい。
コスパ
・歩留まりは悪くない。大型になるにつれ頭が大きくなり可食部が減少する。
珍しさ
・意外にも流通量は少なく、見かけるのは稀。大型の個体は度々目にするが、今回紹介したサイズ感のものがまとまって入る事は少ない。
味
・白身の中ではトップクラスのうまさ。刺身はもちろん、焼いても蒸してもいいし油との相性も良い。
今回は春先にやってきたカンダイを購入し頂きました。
文句なしに過去一でうまい個体であったと断言するとともに、様々な調理法でも試せた事が今回大きな収穫となりました。
市場から近隣の産地だからこそ鮮度感もよく、大変満足のいく1尾となりました。
いつか大型の雄個体も調理してみたいところです。
水族館で出会ったコブダイ
沿岸性の強い魚。水族館でもその見た目のインパクトから展示している施設は多いように思える。
時折、メガネモチノウオを指し”コブダイだ”という声を耳にする。
姿と一致していなくとも、名前としての知名度はかなり高い魚だと思う。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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