こんなに美味しかったっけ、ホオアカクチビの味を再確認

こんにちは、夢海です🐟️

 

時は7月下旬。いつものように豊洲をあるいており、夏枯れで魚が少ない日が続いていて、何でもいいから何か欲しいと思いながら歩いていました。

そこで目についたのが父島から来たであろうホオアカクチビ。

間違いなく止めもの(入荷当日でなく、数日間仲卸の在庫として残っている状態のもの)であろうと思われますが、ラスト1尾で悲しそうに並んでいたので思わず連れて帰ってしまいました。

 

 

ホオアカクチビの特徴

とはいえ、魚がなく致し方なく見つけて買ってきたという理由ではなく、ホオアカクチビという魚そのものが好きで久しく食べていなかった為購入してきました。

 

全長37.3cm体重648gと、ホオアカクチビにしては平均的。

中には1キロを超えるものもありますが、こちらはまだ未食なので、質などどのように変化するのかは知りません。

 

 

体色は岩色をしており、網目状の模様が現れる。

 

ホオアカクチビは頬が赤い口の美しい魚。

漢字で書けば頬赤口美で、由来を知った上で変換をすれば、どんな奇抜な名前の生き物もスラスラ言えるのではないでしょうか。

 

体表には網目模様が現れていますがフエフキダイ科は生時、色彩や模様がコロコロみるみるうちに変わって面白いので、これもまたホオアカクチビの一面の顔に過ぎないのです。

 

購入時からやや古そうな予感がしたので思い切って皮を引いてみることに。

フエフキダイ科などは皮に旨味があるのと同時に、古くなってしまっては味の"アク"の元になってしまいます。

 

思えばホオアカクチビは皮を炙る、湯引きにするなど、皮を使って調理した事しかない事を思い出しました。

次回は皮を活かした調理も試してみたいところです。

血合いは真ん中のみを通り、腹回りは白い皮が残ります。

 

 

ホオアカクチビの料理

ホオアカクチビの握り

まずは握りから。

 

柔らかい身質のフエフキダイ科は寿司にしてよく馴染みます。

単にわさびでつけて、煮切り醤油を塗り仕上がり。

 

豊富な旨味が広がり、シャリを包み込むような柔らかい質感のホオアカクチビを口へ放り込むと解けたようにシャリがバラけながら、ホオアカクチビの旨あじと溶け合います。

そして口からなくなるとホオアカクチビの味もスッと消えて、もう一貫!となるような、何貫でも食べれてしまいそうな恐ろしいネタです。

 

残念ながら今回は2貫のみ。

寿司ネタとして非常に優秀。これはリピートしたいです。

 

ホオアカクチビのお造り

続いてはお造りで。

元の姿が分かる、知るという事は重要であり、こんな姿のこの魚はこういう身をしているんだ。という事を伝えるために尾頭付きで盛ることが多いです。

ホオアカクチビは特に頭の部分さえあればこれが由来なんだ。と伝わるでしょう。

 

血合いは赤というより、やや濃い色をしています。

淡白や薄味という単純な表現では表せない、瞬間的な味わいが感じられます。

 

後味がスッキリしているというか、しつこくないと言うか。

でも舌に触れている時は確かに味が感じられ、そして旨い。

ホオアカクチビ、こんなに美味かったっけ。

 

ホオアカクチビのムニエル

皮を引いた切身にハーブ、塩コショウをして味付け。ここに小麦粉をまぶしてオリーブオイルでソテーします。

その間にトマトソースとバジルソースを皿に敷いておき、焼き上がればムニエルをそこに乗せます。

ダメになりそうだったアスパラをムニエルで使ったフライパンで炒めてこれも添えることで豪華さが増します。

 

皮は厚みがあり火を通すと硬くなりやすい魚なので、皮を引いた方が調理の難易度は落ちると考えられます。

 

当然、そのような魚は皮目に旨味が集まる事が多く、ホオアカクチビも味の濃さで言うと皮目が最も強いと考えられます。

ではその皮を引いてしまえば、その分旨味も薄まってしまうのではないかと思いますが、意外にもそんな事はなく火を通しても王道的な白身の美味さが堪能できます。

 

これはスティック状にしてフライなどにしても美味しい事でしょう。

どこかタラのような、減り張りがありハッキリした味わいです。

 

 

ホオアカクチビの評価

 

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・安くはない。知名度の割には値が高く付くが、食べてみるとそれも納得出来る。

 

コスパ

・歩留まりはいい。

 

珍しさ

・小笠原や琉球列島など、遥か南の海が主産地だが、関東であれば豊洲に入ってくる。稀に見かける。

 

・旨味があり質もよく美味。稀にフエフキダイ科特有の香りが強いものや、塩素臭がする個体に出会う事もある。外見では判別不可。皮には特有の香りがあるが、あーさ(青のり類)と合わせると美味。

 

今回は久しぶりのホオアカクチビを食べてみました。

本種は度々市場へと入ってくるものの、なかなかタイミングが合わなかったり、見た目のせいかイマイチぱっとしない印象で今はいいや。と、他のものを買ってしまったりという事が多かったのですが、まだまだ本種で試せていない調理法がいくつもあるのでより多く買い集めたいと思います。

夏枯れの終盤という事もあり、魚そのものを食べるのが久しぶりで大変美味しく感じられました。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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