たまには本マグロで贅沢したい【5月の塩釜産】
こんにちは、夢海です🐟️
市場を散歩していた5月のある日、よく顔を見知った方から「マグロいらない?」と声をかけられ、釣られてものを見に行けばそこには上質なマグロのブロックが置かれていました。
5月のものとは思えない、この素晴らしいものがどうやら余ってしまっているそうで、今回かなり安く買わせて頂きました。
目次
5月の塩釜生本マグロ
今回のマグロは塩釜産の天然本マグロ。
標準和名で言えば「クロマグロ」になります。
本来クロマグロというと、寒い時期に旬を迎え、産卵を控え春を超えた5月頃には脂は薄くなっています。
そのためかやたらに安いマグロを見かける機会が増え、消費者に取っては買い求めやすい時期でもあります。
冒頭でお話した通り、今回は市場で1kgあまりを格安で頂けることとなり、そこらの高級スーパーで100グラムも入っていないようなトロの柵を買うよりもよっぽど安く仕入れられました。
正確な元の魚体の重さこそ分かりませんでしたが、ロイン(魚を3枚に卸してさらに背中と腹で半分に割った状態)の重量から推測すると100kgは超えていた大物だろうとの事。
そのためか皮目にはサシが入り、触ると脂でベタつきます。
皮も血合いも外され赤身がむき出しの状態のため、それほど日持ちはしないためこの塊を2日で食べきってしまいました。
天然本マグロの料理
本マグロの握り
まずは無難に寿司からいきましょう。
赤身・トロと、筋の強いところを鉄芯にして鉄火巻きに。
♦赤身
脂が薄い分、赤身の濃い味の一強といった味わい。
鼻を抜ける酸味が半袖に着替えだした5月の気候にはちょうどよく感じました。
赤身が好きという方は間違いなく美味しく感じると思います。
一方で脂がほぼないためパサつくというか、少々粉々した質感も感じられました。
可もなく不可もなく。個人的にはもう少し水分がほしいかな。
♦中トロ
一方トロは瑞々しさが感じられちょうどよい旨さに。
脂が濃すぎても美味くないと考える人間であるため、実はトロはあまり好きでない。
やはり魚体から脂が落ちている為か、今回の個体はトロが最も美味しく感じられた。
脂にしつこさがなく、後味がサッパリ流れ落ち酸味だけが残る。
♦鉄火巻き
赤身の端材を鉄心にし、細巻きにしてみた。
まぐろと相性の良いわさびを多めに効かせ、鉄心を太めに取っておきます。
今回の赤身は単に握りにするには瑞々しさが物足りず、鉄火巻きやヅケにするのが正解でした。
柵の取り方が良くなかったのかも知れませんが、トロ混じりの柵が取れれば一番良かったでしょう。
本マグロのあら煮
コロで買うと嬉しい副産物があら。
これも身と同じ金額取られているのかと考えると素直には喜べませんが、今回は元々が格安。
これを砂糖多めで甘めの煮汁に仕上げてみました。
骨の形状から、頭に近い血合い骨のあたりでしょう。
骨まわりに付く少々筋っこく甘い身をむしゃむしゃとかぶり付くのが非常にうまい。
決して外では出来ない食べ方だが、そんなものを家で作れるというのが自炊の醍醐味であると思います。
本マグロの竜田揚げ
マグロの副産物というとあら骨以上に血合いは付いている事が多いでしょう。
よっぽど鮮度のいいものであれば生で食べることも出来なくはないのかも知れませんが、基本は加熱用へと回ります。
そこで定番となるのが竜田揚げ。
今回は血合いと表面の色変わりしてきている部位を使いました。
刺身
最後は単に刺身で。
時期はずれとはいえさすがは大型の個体。脂がしっかりと入り、舌の上で甘さを感じさせながらまろやかに溶けていきます。
酸味が鼻を抜け、このコクのある旨味はクロマグロがマグロの王様と言われる理由なのでしょう。
大味になっておらず、思い込んでいた5月のマグロのイメージとは大きくかけ離れています。
試し買いにはあまりに大きなものを持ち帰りましたが、いい経験が出来ました。安かったし大満足。
塩釜産本マグロの評価
価格 ・・☆☆☆
コスパ ーーーーー
珍しさ ーーーーー
味わい ・☆☆☆☆
価格
・今年(2023年)の梅雨時期は天然マグロが安かった。入荷にサイズもバラつきはあるものの、養殖ものよりもうんと安く入手出来るような状況であった。
味わい
・赤身は時期の為かややパサパサとしてしまい、水分も多くない。トロは瑞々しく美味。
今回の個体は脂の濃いトロが苦手で赤身が好きだといつ方にこそトロを薦められる。
良い本マグロを求めてしまうと、この上にごまんと居るが、価格を考えれば大変お得と考えられる。クロマグロのしっとりさがもう少し欲しかった為、赤身はマグロとしての評価で☆2.5。
※評価はあくまで今回食べたものに限る。塩釜産総ての評価には当たらないので要注意。
今回は本マグロをブロック買いし様々な調理で堪能しました。
夏を前にした普通であればまず買わないような時期のクロマグロを購入してみましたが、
「今はこの魚の季節じゃないよー。」
だなんて、試さず一蹴してしまうのはいけないと思うと共に、魚の獲れる時期であったり美味しくなる時期がこれまでの一般的な常識に当てはまらなくなってきていると薄々感じています。
とはいえ、どんな時期でも美味しい魚が食べられるということに嬉しい事に変わりはないので今日も感謝して頂きます。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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