スーパーに並ぶチダイにはこんなのも混ざる!珍客ヒレコダイ
こんにちは、夢海です🐟
突然ですが、早速クイズ!
こちらは小鯛のパックで購入しましたが、普段見慣れない魚が入っています。
この違和感に気付ける方は、かなりのマニアと思われます。
さてさて、わかったかな??
目次
ヒレコダイの特徴
仕事あとで帰りが遅くなってしまったある日、日課である魚屋通いの中でパックされた小魚類を探していた際にたまたま見つけたものになります。
小鯛のパックには普通マダイの小さいものとチダイ(ちこだい)が混じりパッキングされているものですが、最前列に並ぶこのパックのタイが怪しいと直感で思いました。
しかも元値でグラム78円、これが半額になりパックあたり150円ちょっとと破格ということもあり迷わず購入。
帰り道にて購入したものはなんじゃろな、とヒレコダイの特徴を調べつつ、比較しようとまた違う魚屋にてチダイを1尾買ってきました。
まずこちらが今回見つけた愛媛県産のヒレコダイ。
チダイに比べ体高があり、かなり丸々っとした見た目をしています。
特徴的なのは長い背鰭。チダイではここまで長くは伸びません。
鰓蓋にかかる赤い線が細い事もチダイと見分けるポイント。
こちらは同じパックに入っていたマダイ。
小さいものをチャリコとも、春先にはカスゴとも呼び、塩焼き・フライ・酢締めなどで好まれます。
続いては比較用に買ってきたチダイ。
…そう、チダイを買ったつもりでした。
なんと、チダイで購入したつもりの個体もヒレコダイだったのです‼
実は先程紹介した背鰭と鰓蓋の赤い線の他にも、体に散らばる青い斑点がチダイは散らばり、ヒレコダイは線状に繫がるという形質の違いを初めて知りました。
どちらも確かに青いラインが通っています。
チダイと食べ比べるつもりで居たので、嬉しいようなちょっぴり残念なような複雑な気持ちです…(笑)
ヒレコダイは過去に一度だけ宮崎の定置からやってきたものを食べたことがありました。
しかし当時はまだ魚屋に務め始めたばかり。魚の区別も図鑑での知識でしか見比べることが出来ていなかった頃であった為、果たしてヒレコダイであっていたのだろうか。と写真を見直しましたがしっかり本種でした。
しかしこの青いラインでも比較が出来るとなれば、これまでも幾度も機会を逃していた可能性が高まると考えるかなり勿体ない事をしていたと思います。
次からはちゃんと確認しよう…。
ヒレコダイの料理
ヒレコダイのお造り
鮮度はまずまず。購入した当日に卸し、内蔵で緩んでいる部分をちょい削り刺身にしていきます。
今回は皮を引いたものと湯引きの2種で。
大きかった大分産のものが皮引き、愛媛の小さいものを湯引きにしました。
このサイズのマダイではまず感じられない、かなりまったりとした甘みがあり、食感もねっとりとしています。
続いては湯引き。
こちらは小型の個体だったからなのか、湯引きで流れ落ちたのか脂はやや控えめ。
元の脂が多いことから、湯引きの方が食べやすくも思えます。
ヒレコダイとマダイの塩焼き
マダイの方は水分が多く、肉がしっかりしていてみずみずしくやや薄味な印象。
もう少し強めに塩をしても良かったでしょう。
それこそ今回の個体はチキンのような食感でした。
焼けた皮から香ばしい旨味が感じられ、十分にうまいです。
一方でヒレコダイは身が柔らかく軽い食感。
水分もよく抜けて味わい深く、キダイ(レンコ鯛)やチダイと共に、焼くと美味いタイの類に当てはめても間違いではないでしょう。
ヒレコダイの中華風蒸し魚
お造りに飾った半身の鱗を落として蒸し焼きにしてみました。
沸騰させた酒の上に、ヒレコダイと昆布を乗せた皿を置きます。
仕上げにポン酢とごま油を混ぜたものをかけ回し、仕上げに入ります。
身は柔らかく、水分を含んでいる為ふんわりというよりもホロホロな仕上がりに。
繊維が細かいため、加熱され出来た隙間にタレが染み込みます。
蒸しということで、元から身に含まれている水分が抜けず、捉え方によってはややベチャとしています。
焼いて程よく水分が抜け美味くなる本種では少々贅沢な食べ方なんじゃないかとも思いました。
ヒレコダイの評価
価格 ・・・☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・チダイと混同されており、価格も同様に安い。
コスパ
・歩留まりは普通。体高がある分他のタイ科に比べやや可食部が多い。
珍しさ
・探せば、というよりは見分け方さえ掴んでしまえば少なくないのではないかと思われる。チダイ、特にちこだいサイズの中から探せば見つけられる可能性はある。
味
・文句なしにうまい。小さいながら大型魚に負けない脂のり、雑味がなく素直にタイとして美味い。春子のように酢じめにして寿司にしてもいいだろうし、アクアパッツァなんかにも使える。
今回は購入した小鯛のパックの中から出てきたヒレコダイを食べてみました。
一般的に食べられている魚に珍しい魚が混じるということは、よく似た種類がいる魚種で稀にあります。
しかしヒレコダイを発見したのは、自分の中で今回が2度目。
青い模様が斑点で散らばるのではなく、線状になるという特徴を今回初めて知ったため見逃していたという可能性はやはり拭えません。
なんて本記事を書いている10月13日の朝、豊洲市場に並ぶ200グラムほどのチダイの箱の中から2尾ヒレコダイを発見しております。
勿体ない事をしていたという悔しさと共に、次回以降は見逃さずに行こう。そして出会える確率が思っていたよりも高いかも知れないということに胸を躍らせました。
副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません