焼いたヒオドシの味に感動

こんにちは、夢海です🐟️

 

6月下旬。

長崎から底物中心の鮮魚をあれやこれやと送っていただく。

メインは他にいたのだが、見事なヒオドシも入っていた。

 

本種で試したことのない焼物に挑戦してみる。

 

 

ヒオドシの特徴

今回のものは手元にやって来た3個体目のヒオドシとなった。

 

初めて知ったときは、"長い触角の生えた、見慣れない如何にもな珍魚"という立ち位置だったが、それでも年間を通して流通を見ていると比較的出回るような魚である。

全く珍しくないという訳では無いものの、産地と漁法をなんとなく知っていれば案外手に入るもの。ということを、水産の世界で知っていった。

そして、今回の個体はおそらく過去最大となる。(一番初めに来た個体の計測データがないので、触った感覚にはなる。)

 

 

面長で、顔が大きい。

目のやや後方直上から長い皮弁があるが、これは短い個体もいるので、必ずしも特徴にはならないので要注意。

 

身体に目立った模様はなく、一様に赤い。

この色素も古くなると色が抜け、段々と白くなっていくので、鮮度の見極めに使える。

赤く光り、触って硬いもの、腹もスカスカでないものが望ましい。

 

 

ヒオドシの料理

ヒオドシの干物

ヒオドシは塩水に漬けこみ、これをひと晩冷蔵庫で干す。

全長が34cmもあるので迫力はあるし、赤く見た目もいい。

これが美味すぎて困ってしまう。

 

皮はやや硬く、少し身離れは良くないものの、この皮からは少し甲殻類のような風味がする。

これは赤い体色の魚ではたまに味わえる。(ホウライヒメジ、キントキダイなど)

その下の身はしっとりしており、奥行きある味で満足感のある美味さ。

 

カサゴ類なんて焼いたってパサりとして美味しくないんや。なんて言ってたのが5年前頃。

もっぱら煮付けにしていたが、勿体ないくらいである。

骨は湯を入れて医者殺しにする。

 

少し生姜を溶いてやると夏でも美味い!となる。

 

ヒオドシの西京焼き

漬け込んで真空し、一旦冷凍。冷凍庫が溢れてきたタイミングで取り出し焼き上げた。

 

切身にすると物足りないなと思い、半身を焼き魚にしては大盤振る舞いなサイズとなった。

皮は厚いので丸まらないよう、ゆっくり焼き上げた。

仕上がりはまるで漬けた赤魚のようで、見栄えも素晴らしい。

 

脂に頼らない、白身の味で勝負といった味わいで、西京みその香りの後から追ってくる白身の味がいい。

そして皮もそれほど硬くなかったのだ。

 

食べやすさで言えば干物を圧倒している。

1尾あたり、取れてもせいぜい4切れ。

実に贅沢品である。

 

焼くという選択肢は賢かったなと、味を思い出す。

次もまた、焼く用の魚として買い求めたい。

 

 

ヒオドシの評価

価格   ・・☆☆☆

コスパ  ・・・☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

※過去にも先まとめたので簡潔に

・価格

本種だけの正箱を見たことがないほど数がまとまらず、流通の場でもたまに見かける程度。しかし赤い見た目が良いためあり安くはない。

・コスパ

頭が非常に大きいため歩留まりは良くない。フィレにしてアレコレ調理する、よりも兜付きで汁物や煮付けなどが無駄なく使える。

・珍しさ

やや珍しい。正箱ではまず流通しないので、漁獲される地域の入合などに入る場合が多い。

・味

生だと淡白でやや味気ない。生ならば湯引きか焼霜、昆布締めにし、肝があれば合わせたい。火を入れると旨味が現れ非常に美味。身離れも良く、皮もあまり縮こまないので選択肢は広い。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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