頭なしの正体不明海老”ヒメアマエビ”を食べる

こんにちは、夢海です🦐

今年は魚類だけでなく、貝や甲殻類にも色々手を出し、より季節の解像度を上げようと試みてきました。

するとこの水産物は入荷が多い。これは稀だ。と珍しさ度合いも何となく分かるようになり、発見のあった1年となりました。

12月頭、南蛮えび(ホッコクアカエビ。所謂甘エビ。)や、秋漁で揚がった桜エビが至る所で目に付き、小エビが食べたいという口になっていたところ。

桜エビのようなパックで小分けされているものの鹿児島県産の札が置かれ、そしてやけに安い。頭もないし、なんだこれは。という不思議なものを発見。

これは何ですかね。と尋ねると、ヒメアマエビなるものだとわかる。

恥ずかしながらこのエビを知らなかったので、試しにひとつ、もらって来ることに。

ヒメアマエビの特徴

今回のエビはヒメアマエビ。

エビの知識は乏しく、調べた情報とはなりますが、一般的な甘エビ(ホッコクアカエビ)とはタラバエビ科と科レベルでは同じ分類になりますが、ヒメアマエビはジンケンエビ属と属の異なる種類になります。

頭が取られているのは恐らくは手作業で取り除かれていることでしょう。

1尾2尾くらいは全身で入っているだろう…と探してみるもののみな綺麗に取り除かれています。

ちょっとだけ、このエビの全身の姿が見てみたかった気持ちはあるもの、この体長3cmにも満たないような小さい小さいエビを1尾ずつ剥いているのだと考えると、産地である鹿児島に足を向けて寝れないような思いになります。

殻も触った感じでは薄く、このまま火を入れても殻が気にならず食べられると見て、そっくり調理に使えうなので歩留まりは非常にいい食材でしょう。

ヒメアマエビの料理

ヒメアマエビ軍艦

まずは残った体の殻を剥いていきます。

鮮度の良さのおかげか、背ワタも指で容易に取れたので仕込み自体はそれほど苦ではありませんでした。

単体で食べてみて、あっさりした後味とやや甘味に欠けると感じたためマヨネーズを加えてそれ補い、チリパウダーを軽くかけて香り付けをします。

 

原価は安いものの、剥く手間と味わいを考えるとここまで手をかける必要もそれほどないと思えます。

味わいは普通。一般的に食べられるエビ類は甘くて美味いんだという事を考えられてしまう余裕がある程。

どこか無個性というか、物足りない薄味で、ひと手間加えた上に味もひと手間加えてあげねばなりません。

丁寧に頭だけを取り除かれているので普通は生で食べるものではない。と思えてきます。

小さくともエビの食感はあるので、これをボイルしてサラダに使うのはありかな。効率は良くないけれど。

ヒメアマエビのアヒージョ

ヒメアマエビは殻ごと塩をして汁気を拭き取り、オリーブオイルで静かに火を入れていきます。

水産界隈の方と集まるイベントがあり、そこで提供させてもらいました。

クラッカーとワインで合わせるというのが狙いです。

このエビの真骨頂は火を通してからなのだと気付きました。

味付けは最低限の塩やハーブのみだというのに、つまみになる強い旨味があり、パンチのあるエビの風味が香ばしいクラッカーと同時に弾けて口の中がレッツ・パーティーな状態に。

これを白ワインで流しても、まだエビの旨味が口の中をふわふわ漂い、しつこさの無い余韻が楽しめます。

ヒメアマエビの唐揚げ

ヒメアマエビに片栗粉をまぶし180℃の油で揚げていきます。

スナックの如く気軽につまめるこの絶妙なサイズ感がいい!

おかずというよりは完全につまみになる。

正直、生で食べるくらいならば殻ごと片栗粉をまぶして揚げるだけの唐揚げの方が美味しいと感じます。

エビなのにシャコパンチのような旨味のジャブを打ち出し、食べる手が止まらないこちらの様子もまたシャコパンチです。

軽やかな食感でひとつひとつも軽い。

サクッと揚がった殻と肉の間の層が食感を良くし、引き締まった身が感じられる。

恐ろしい早さで食べ続け、手が止まらぬまま晩酌は終了。

面白がって買ってみた頭なしの正体不明のエビは非常においしいものでした。

物量的に関東の小売に並ぶ事はあまりないかも知れませんが、調理の手間がかからないものなのでぜひ一度味わってみる価値あり。です。

ヒメアマエビの評価

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・☆☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・知名度が低く、産地も限定的であるため数あるエビの中でも買い求めやすいエビのひとつ。

 

コスパ

・硬い頭は取られているので火を通す調理であれば丸ごと使える。有頭の状態で流通するのか等は調査中。鹿児島に行った時に確認する事項がひとつ増えた。

 

珍しさ

・これまで関東で見てこなかった。安定すれば見る機会も増えるかも知れない。

 

・良くも悪くも比較的上品な味わい。生ではやや物足りなさがある。しかし火が入るとパンチのある味わいとなり、このエビの真骨頂が見られる。このエビは加熱すると圧倒的に美味い。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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