超高級魚!八角食べてみた【まるで孔雀!?】

こんにちは!夢海です🐟️

今回は北の海に生息するまるで孔雀のような魚をご紹介します✨

 

 

トクビレ(八角)の形態

今回ご紹介する魚はトクビレという魚。

恐らく、名前を聞いてピンとくる人は魚好きな方が多いと思います。というのも流通量はそこそこありますが、流通名としては八角(はっかく)と呼ばれる事が多く、水産業者の多くの方は八角と呼んでいます。

 

魚を扱う仕事をしていた時も、私がトクビレと言うと「なんて?」と返される事もしばしば…笑

標準和名で覚えてきたので私の中ではトクビレ呼びの方がしっくり来ます。

しかし両者とも姿を見せれば、「ああ、(八角・トクビレ)ね。」と分かるほどマイナー過ぎない魚です。姿が特徴的なのもあるかと思いますが…。

 

こちらがトクビレ。クジャクのような綺麗な斑点はないものの、どこか似通った魅力を感じます。

ちなみにこちらは雄個体。雌はこの大きな鰭がなく、そんな特徴も孔雀そっくり。

 

↑雌は小さく丸い鰭をしている。

 

巨大な背鰭の先はアンテナのように伸びています。

 

実はこれが避雷針の役割をしています。

※嘘です。

 

臀鰭は規則的に並ぶ楕円形の白い斑点があります。

端にいくほど黒くなり、生きているうちは色の薄い部分が反射してとても綺麗です。

 

尾鰭もマーブル模様のような白と黒が混ざりあった模様をしていて引き込まれる模様をしています。

 

ゴツゴツな鱗が体を覆っています。小さなトゲもずらっと並んでいるので扱いには注意です。

 

派手な他の鰭に比べて胸鰭は透明。

 

下の方は指のように発達しています。

 

一方で腹鰭は、鰭条(鰭を支える骨)が少なくとても細長いです。

 

背鰭には黄色い下地に白い絵の具で落書きしたような模様。

 

このくすんだ黄色がとても味があり好きなポイントです。

 

顔も白と黒のコントラストがハッキリした模様が入り混じります。

 

そして口元には10本の髭が…

 

割とダンディなお魚ですね!

 

 

トクビレ(八角)のさばき方・調理

観察はこんなところで、それでは捌いていきます。

ちなみに今回の個体は北海道産、キロあたり約¥4000の超高級魚です。

こちらの個体は0,6キロありました。トクビレの中では大型です。

 

今回はこの大きな鰭を活用出来る調理法でいきたいと思います!

 

まずウロコを落とす、と言いたいところですが、トゲトゲとした鱗が鎧のようにくっ付いていて普通の魚のように鱗を落とせません。

そのため最初に皮ごと剥いでしまいます。

 

その前に内臓を抜いてしまいましょう。

トクビレは内臓が弱く、あっという間に溶けてしまい臭いが出てしまいます。

今回の個体は新鮮な為、全く臭みがなく驚きました。

 

内臓を取り、皮引きといきますがやり方は簡単。今回は頭も骨に付けたまま残すのでカマの下に包丁を一本入れたら、背中とお腹を縁取るようにハサミで皮だけを切ります。

そのまま頭をしっかり抑えて皮を引っ張るとベリベリベリベリっと剥ぐことが出来ます!

 

こんな感じ。

 

身に銀皮も残りなかなか綺麗に剥ぐことが出来ます。

 

これを両面繰り返し、あとは三枚に卸します。

これが素晴らしいクオリティで包丁にもベッタリと脂が付き身は真っ白。

 

トクビレは高級魚だと言う方がいて、そんな事はないなんて思っていましたがこれを見て確信。今までは本気のトクビレを食べていなかったのだと思い知りました。

 

これは絶対美味い!そして値段も想定していた以上に高く、驚きましたがこれはいい買い物をしたと思います。

今回はハイクオリティで新鮮なトクビレを使ってお刺身とお寿司、そして焼き物でいきたいと思います。

 

トクビレはほかの魚にはない大きい綺麗な鰭が特徴なのでこれを活かして盛り付け中。

 

格好良くない魚なんていませんが、見た目のイケてる魚を盛るときはとにかく楽しいです✨

 

最後に脂のすごいあら骨を焼いて汁にします。

 

 

トクビレ(八角)の料理

トクビレの姿造り

まず一品目は姿造りから!

私自身かなり満足のいく完成度に出来て一安心。

久しぶりの姿造りでしたがそれなりに形になったかな?

 

潜水艦のようなゴツゴツの顔の迫力がすごいです。

 

身は真っ白。絶対うまい!!

早速食べていきましょう。

山葵ではなく紅葉おろしを醤油に溶かして頂きます。

 

柔らかい食感とコリッとした皮目の食感。強い脂の甘さに襲われたと思えば溶けてなくなる。

 

「んまいっ…!!!」

 

やばい、、美味すぎる!!トクビレってここまで美味しい魚とは思っていませんでした。

脂が凄く、中トロや大トロのような感じですが白身なのでしつこすぎずサーッと消えてなくなります。

上品かつ強い旨味がギュッと詰まりまさしく絶品。食通も満足するクオリティだと思います。

 

酢飯を用意して…

 

トクビレの握り3貫(なま、レモン塩、タレ)

握りで贅沢に!

厚めに切ってそのままつけたものと塩を振って炙ったところにレモン果汁を搾ったレモン塩、そして蒲焼き用のタレを塗りバーナーで香ばしい香りが引き立つまで炙ったタレと豪華に3貫盛りで!

 

まず生から、絶品のとろけるお刺身を堪能したあとだったので、楽しみで仕方ありませんでした。

 

めちゃ!くちゃ!うまい!

シャリと馴染みそうな食感、味わいなので美味しい事は必然と言ってもいいほど。

溶けやすい食感なので馴染みがよく、さらに甘い脂がシャリと合わさる事で引き立ちます。

 

Q, ここへレモン塩と炙りという最強の組み合わせを持ち込む事によりどうなるか

A, 美味しいに決まっている

 

炙る事で脂がよりマイルドになり食べやすくなった気がします。さらにレモンの爽やかな香りが追加されてしまうので、これこそ幾らでも食べれてしまう最強の握りの完成です。

そして身は程よくしまり、炙った表面はやや鶏肉らしい繊維の詰まったシャリシャリとした食感になりました。この食感はタレの方も同様で、まるでおしつけ(アブラボウズ)に似た握りです。

 

[アブラボウズとは、主に沼津などで水揚げされ、高級品として出回る大型の深海魚です。名前の通り、脂の乗りが凄まじく絶品です。ちなみにとある寿司屋で頂いた握りは1貫¥500と大トロ以上の価格。]

そんな絶品深海魚と肩を並べるほどにこのトクビレは美味いです。

 

トクビレのみりん干し

刺身で殆ど食べてしまい、かなり小さくなってしまいましたがあまりでみりん干しにしてみました。

 

トクビレは干物や塩焼きも美味しいと言われ、実際このみりん干しは今まで食べたものの中でも上位にくる美味しさでした。

干す事で旨味がさらに凝縮され、コクが深まり美味しさが倍増します。

1匹だけ買ってきたことが悔やまれるくらい、色々な調理法で試してみたかったと少し後悔しています。

 

トクビレの焼きあら汁

最後はあら汁で!

焼いたあらを入れることで臭みが抜けます。

さらに根菜類を入れて味を整えました。

 

まるで魚版の豚汁を飲んでいるんじゃないかという程に凄い脂!汁が脂でさらさら入ってきます。

そして溶け込んだ旨味も凄まじい程に深い味わいとなり根菜との相性もバッチリ。

クイクイ飲めてしまうのでお店で出るならおわかり自由だと嬉しいです(笑)

 

 

トクビレの評価

価格   ☆☆☆☆☆

コスパ  ・・・☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ☆☆☆☆☆

 

価格は立派な高級魚価格。

しかし網などでまとめて漁獲された小さな個体はザル一杯にのせて安く売られていたりもします。

漁法やサイズによって価格は大きく変わります。

 

コスパは尾鰭の方は細長くなっているのでどうしてもあまりいいとは言えません。あら骨からもいいダシが出るので活用して使い切ると満足感は出てくると思います。

 

珍しさは時期や店を選べば見つける事は出来ると思います。そこまで珍しいものでもなく、獲れる時はまとまって揚がるので1,2匹だけ入荷ということも無さそうです。

 

味わいはここまで美味しい印象はなかったので正直驚きました。

ようやく上物にたどり着けたといった嬉しさも感じました。

もちろん、小さな個体でも干したり焼いたりすれば美味しく頂けます。が、今回のトロのような脂を体験してしまうとなかなか忘れがたいものに感じます。

 

今回は北の海から絶品な高級魚を取り寄せてみました。

やはり市場はいいですね。面白いもの、変わったもの、そして何よりクオリティが高いものが集まるので見ているだけでも楽しいです。

 

本記事は、サテライトライターさんの記事になります。

ライター紹介

サテライトライター:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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