ゴマサバは夏に食べるべし!

 

こんにちは、夢海です🐟

 

ここ数年、これは良いサバだ!と見た目に感動するということがめっきり少なくなったなと感じていました。

何というか、全体的にほっそりと痩せているようであまり美味そうに見えないものばかり。

ただでさえサバは漁獲量が減り続けている中で、海中の餌までもが少ないのだろうか。なんて杞憂で終わって欲しい危機感を感じています。

 

と、ここまで話したのは主に秋冬に美味くなるマサバの話題。

今は8月上旬。全てが悪いとは言いませんが、秋サバと呼ぶにはまだ早いこの時期にマサバはあまり食べる気が起こらないものです。

 

そこで登場するのが夏に旬を迎えるゴマサバ。

市場で目にする機会が増えてきたのは7月中頃。

数があり安い上に、ものが素晴らしく良く、黒潮大蛇行の影響か、例年はせいぜい千葉あたりまでのものが北は宮城や岩手でも見られ、産地も豊富にあります。

冷蔵庫に眠る魚の残りを計算しながら、(今でない、今でない。)と我慢をしてきましたが、冷蔵庫のものを消費し切った翌朝にちょうど良いものを見てしまい、迷いなく購入してきました。

 

 

ゴマサバの特徴

今回のものは千葉県房総沖産。

関東近郊、特に千葉のものは水揚げ翌日に市場へ入る事が多いため、鮮度感が非常に高いです。

 

そのためエラが赤く、目も潤っており鮮度は抜群です。

体高こそあまりないものの、触った感触でこれだ!と確信しました。

 

マサバゴマサバの2種居ることは認知しているけど、正直見分け方がわからない…という方は恐らく一定数いらっしゃるかと思います。

ここで一度マサバとゴマサバの見分けをおさらいしましょう。

 

この写真を見せられて「なーんだ?」と聞かれても

(マサバか…?いや、ゴマにも見える)

と私も悩むこともあります。

 

まず見分けるポイントとして側面に並んだ丸い斑点とお腹のごま模様の有無。

ゴマサバの由来はこのゴマ模様から来ていると言われており、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

 

しかしこの模様は鮮度によっては薄れてしまったりと、あまり参考にはならず、お腹にまだら模様があるからゴマサバだ!と判断するにはちょっと早いです。

 

それではどこを見るんだ!というと、背鰭の棘の数を数えるとより正確に種類が分かります。

 

ゴマサバはこの棘の数が約11本に対してマサバは9本と、ややゴマサバの方が棘の数が多くなっています。

これもまた僅かな個体差があるものの、模様よりも正確に見分けられます。

 

↑ゴマサバ ↓マサバ

 

棘の数の違いから、ゴマサバはきれいな三角形、マサバはややカーブを描くような形になっています。

 

慣れてくると顔つきや、身体が縦に平たいマサバに対しゴマサバは丸みがあるため、触っただけでも分かるようになります。

とまあ見分け方の話はここら辺にして、旬のゴマサバを美味しく頂きます!

 

ゴマサバの料理

ゴマサバのお造り

まずは生のゴマサバから。

サバの生食は、アニサキスの寄生率が高く"あたる"確率が高い事から、飲食店などでは滅多に見られません。

 

提供したものを食べて当たってしまったというのであれば営業停止処分などになりかねず、当然そこまでのリスクを背負ってまで提供したがる店はおらず、あまり見られないものとなっています。

 

しかし個人的にマサバ、ゴマサバ問わず生サバは大の好物なので入手すると目視で確認しながら切って盛り付けていきます。

 

鮮度がいいから大丈夫!は通用しませんので、どうしても生で食べたい時は必ず冷凍しましょう。

 

なんて警告しておきながら、うまいうまいと言うのがわたくし夢海。

"あたる"まで、いや"あたって"も食べてしまうでしょう。

 

それもこのきれいな身をみたら納得して頂けるはず。

血合いと脂があると分かるクリーム色の身、そしてサバならではの青と銀色の皮目。

サバ好きには紛れもない絶景に見えてしまうのです。

 

口へ運んだ瞬間に青魚らしい濃い旨味、そしてこってりとした甘く濃い脂がズシンと舌に伝わり、そんな味の濃さとは反対に身はとろけてゆきます。

そしてサバの素晴らしいところは後味がサッパリしているところ。

しつこさがなく、サラサラと消えていきます。

 

ゴマサバのさんが焼き

残った半身をネギやミョウガなどの薬味、味噌とたたき、ごま油を敷いたフライパンで焼き上げます。

こんがりと焦げ目が付けば完成。

お好みで醤油やマヨネーズなどをかけても美味い為、カスタマイズが色々と出来る一品です。

青魚なので一度冷めてしまうと臭みが出てきてしまうのが1つの欠点ですが、魚が苦手なお子さんにもハンバーグ感覚で美味しく食べられるんじゃないかなと思います。

 

今回のゴマサバは脂があり、身が赤いもので作った際のボソボソ感がありません。

ごま油の香りで食欲をそそり、暑い夏にピッタリな一品と言えるでしょう。

 

ゴマサバの兜塩焼き

頭もしっかり使っていきます。

ふり塩をして30分ほど置き、汁気を拭いて焼き上げます。

 

今回のゴマサバは全身に脂が混在し、特にカマと頭周りはテカテカと輝き、出汁でもしようと考えていましたが、これは食べないと勿体ないと思い、焼きにしました。

 

焼くなかでパチリパチリと弾ける脂で香ばしく焼き上がり、コンロを開けると同時に広がる美味い香り。

サバの頭は可食部が少なく、頬肉と僅かな頭肉、カマの肉をほじくり、あとは皮をペリッと剝きながらつまむようなもののため、ご飯のともというよりもつまみにしてちびちび食べるべきものだと思います。

 

 

ゴマサバの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・・☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

 

価格

・価格は高くない。季節問わずマサバのが美味いという認識で根付いている為か、まだまだ評価の低い魚だと思う。

 

コスパ

・可食部は普通。身に丸みがあるため、歩留りは悪くない。頭部は薄く背骨は柔らかいため、揚げるとサクサク食べられる。

 

珍しさ

・一般的だが冬場はあまり見かけない。夏場の入会箱なんかには小マサバと混じりゴマも入っている事が多い。

 

 

味わい

・よく美味くないとは言われるが、魚の状態を見て調理法を選ぶ必要のある魚だと思う。よく太ってるかと思えば腹はちょびっとの白子だけがありスカスカ。身も脂がなく赤かったりと、外見での見極めも難しいため、柔軟に変える必要のある魚だと思う。しかし油を使う料理では状態問わず美味しく仕上がるので、揚げ物を最終手段で候補としておくのがベストだと思う。

 

今回は夏のサバ、ゴマサバを捌いて食べてみました。

やっぱり旬のものはとびきり美味いものです。

ゴマサバはスーパーなどでも半身カットされた切り身が売られている事も多いため、ぜひ旬の夏に試し食いしてみてほしい魚です。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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