また出会いたいアヤトビウオ

 

こんにちは、夢海です🐟️

 

ここ最近、市場に通いつつ様々な産地から鮮魚セットを取り寄せるという生活をしています。

今回は産地も会社もはじめてのところからセットを取り寄せてみました。

 

先に説明をしておくと、鹿児島県内之浦からやってきたトビウオの1種の紹介になります。

トビウオは種類が多く、酷似していてよく知らないと見分けが難しい種が多々存在します。

一般に流通上見かけるのはトビウオ・ツクシトビウオ・ハマトビウオの3種がメインになります。しかし、地域によっては沿岸性のもので中央卸市場までは流通しないものもあるでしょうが、基本的には産地周辺でしか食べられていなかったり、そもそも食用とされず飼料になっているものもあるかも知れません。

 

私はこのトビウオ類を開拓したとはまだまだ言えない集まり具合で、上記3種以外を探している最中でした。

 

今回、取り寄せたのは鹿児島県内之浦からのセット。

羽を広げる前はただのトビウオに見えますが、やけに寸詰まりでずんぐりとしています。

 

これはもしや…!

羽に模様があればきっと出会いたかったあの種類かも知れない!!

と鼓動が早くなります。

 

 

アヤトビウオの特徴

 

出会いたかったとは言うものの、トビウオ科の魚はこれまで一般流通するノーマル・ツクシ・ハマに加えホソトビの4種しか出会えたことがないため、これ以外であればどの種でも嬉しいことに変わりはありません。

その中でも今回のアヤトビウオは特徴が分かりやすいために調べずともパット見で分かりました。

 

全体的に寸詰まりでずんぐりとした体型。

羽(胸鰭)を閉じた状態でも、体型から一般的な種類と違うことがわかる。

 

そしてトビウオで一番大きい鰭である胸鰭に、アヤトビウオは大きな特徴を隠し持ちます。

 

どこか蝉のような、昆虫を思わせる派手な模様。

 

おろしたらひとまず冷蔵庫で寝かせておきます。

 

腹びれが突っかかるので先に削ぎ落としておき、皮を引きます。

 

ここまで卸してしまうと通常のトビウオと見分けがつかない。

そして通常の種類と同様に、一部に黄色いディディもゾイドと思われる寄生虫が見られます。

寄生虫の周りを削いでから切りつけていきます。

 

 

アヤトビウオの料理

アヤトビウオの握り

まずは握りを2貫。

片身2貫サイズでした。

これをつけてネギとおろし生姜をのせて醤油でいただきます。

 

この繊細な2貫が非常にうまく、あっという間に2貫続けてペロリ。

口へ入れると広がるほのかな酸味、滑らかな舌触りもまた特徴的でしょう。

 

この爽やかな握りが初夏に合い夏が来た!と思わます。

ちなみに味は、他のトビウオ類と味に大差があるように思えません。

ずんぐりとした体型の影響か、味は濃いようにも思えます。

 

そしてつまみながら思い返せば、今期初のトビウオになります。

昨年は寿司屋でちょろちょろつまみ歩いていたので、今年はあまり外食していない事になります。

春トビは明らかに買い逃していて、今も三陸などからちょろちょろ来てはいるもののまだ買えていない状況なので試しに買ってみるか。と思ってみたり。

 

アヤトビウオのお造り

トビウオは姿が面白く、さらには身の色も紅白。そして魚体も青い背に白い腹と、多彩な色味で造りにして見栄えがいい。

 

 

言ってしまえば今回は火を通さずに食べきってしまいましたが、寿司にするのと単に刺身で食べるのではまた印象が異なります。

これが正しい解釈とは限りませんが、寿司は割合の大きい素材と素材を組み合わせた料理であり、刺身は素材単体を楽しむものだと私の中では区別しています。

 

それでは握りと比較してどの様に印象が変わったかと言うと、ご飯に隠れていた繊細な味まで逃さず堪能できる点。

アヤトビウオを詳しく解説すると、まず感じられるのは酸味。これは血合いから来るものです。

そしてトビウオ特有のもちっとした弾力があり、舌に触れる事で感じられるほのかな甘味も本種にはしっかりと感じられます。

 

アヤトビウオとオオシロアナゴの汁

これは同じセットに入っていたオオシロアナゴと合わせてアラから出汁を取り、塩だけで味を整えた簡単なもの。

食後の一杯に大変嬉しいものでした。

優しい味わいとサラサラとした脂で喉越しが非常にいい。

 

骨まで愛せる優秀な子です。

 

 

アヤトビウオの評価

価格   ・・・・☆

コスパ  ・・☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・☆☆☆☆

 

価格

・今回はBOXのため分からないが、産地周辺で細々と食べられているものだと思う。

 

コスパ

・歩留まりは一般的。悪くない。

 

珍しさ

・個体数的には珍しくはないであろうものの、市場など流通上で見つけるのは非常に困難だと思う。産地周辺で探すか、産地から取り寄せる方が余程早い。

 

・通常のトビウオ同様に食べられる。味も遜色がないか、本種は肉が厚く味わいがより濃く感じられた。

 

今回は模様のあるトビウオ、アヤトビウオを実食してみました。

かなり大雑把に言えば、通常流通する種と遜色のない美味さ。

詳しく評価すれば、体型がずんぐりしている分、味わいが濃いように感じられましたが、そもそもトビウオが今シーズン初なので信憑性に欠けます。

とはいえ美味しい魚なのでまとまった漁獲があればぜひ流通の場でも出会いたいと思える魚です。

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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