世界最大級のカレイの仲間、オヒョウを捌いて丸ごと食べてみた

 

こんにちは!夢海です🐟️

 

世の中には魚だけでなく、様々な生き物で溢れています。

皆さんも必ずいるであろうお気に入りの生き物、その中でも“カッコいい“にスポットを当てると、

トゲトゲした子、堅い甲殻の鎧を持つ子、毒を持つ子など、色々な要素で魅力を感じることがありますよね。

 

そんな中でも“この分類で最大の種類“という大きさはやはりロマンの塊。

今回はそんな分類群の中で最も大きくなる魚を入手したのでご紹介していきます!

 

 

オヒョウの特徴

 

今回の魚はオヒョウ。

 

生物が好きな方であれば、一度は耳にした事があるのではないでしょうか。

調べると出てくるのは逞しい白人の漁師さんと並ぶ巨大なカレイ。

 

現地では“ハリバット“と呼ばれます。

このオヒョウ属のカレイは世界で最大のカレイとして知られます。

なんと約2.5メートル。

そんなカレイを丸ごと使って煮付けを作ったら何人前になるのでしょう(笑)

※補足を入れるとすると、最大の記録を持っている個体はタイセイヨウオヒョウという、日本近海生息するオヒョウとはまた異なる種類になります。

 

今回入手したものはそこまで大きくはありませんが1キロを超える、カレイとしては大物と呼べるサイズでしょう。

 

カレイにしてはシュッとした細長いシルエット。

遊泳力のありそうな筋肉で、尾鰭の付け根もたくましいです。

 

今回の個体は北海道産。細かい産地までは追えませんでしたが、おそらくは厚岸あたりだろうと推測。

過去に一度入手したことのある個体もまた厚岸でした。

なかなか珍しいものにも感じますが、季節によってはまとまってやって来ます。

 

今回はそんなオヒョウの中から、特に厚みのある肌のきれいなものを選びました。

 

表面には目立った模様はなく、茶色に深緑色を混ぜ込んだような、絵の具で作り出したような色をしています。

 

細かく皮膚に埋もれている鱗が体を覆います。

カレイの仲間は鱗が皮に埋没していることがおおく、鱗取りに苦戦する魚です。

 

裏側も他のカレイ同様に真っ白。

恐らくは刺し網での漁獲と思いますが、打ち身や傷のないきれいな個体です。

 

ここでひとつカレイの秘密を。。

 

獲物が上を通過するのをじっと待つヒラメに対して、カレイは底にすむ生き物を探し回って捕食します。

そのため口が裏側に伸びるような構造になっています。

 

 

鮮度落ちの早い北の魚。

しかしこのオヒョウは漁獲されてから日が経っていないのかエラはまた鮮やかと言えるでしょう。

 

内臓にややにおいはあったものの、胃の内容物によるもので、胆のう(ニガ玉)もあまり溶けておらず、ものとしては悪くありません。

 

フィーレ状にすると北の魚らしい身の質をしています。

 

カラスガレイやマダラなどに似ています。

 

どちらもフィーレ状にされたものが海外より冷凍で輸入されてきますが、見たことはないもののどうやらオヒョウもフィーレで入ってきているらしいです。

水分の多めな身なので脱水必須。足が早いのもこのためでしょう。

しかし皮目には強めの脂も感じられます。

どう調理していこうかな。

 

オヒョウの料理

オヒョウの握り

まずは寿司から。

 

オヒョウを寿司で出すところは私の知る中でも僅か。

そもそも漁獲量が多くないことに加え、北の魚は輸送に時間が掛かり、魚そのものも傷みやすい種類が多いです。

出回っても生食用にはできないような個体ばかりです。腹はやや胃の内容物でやや臭みが出ていたものの、身の方は打ち身もせず綺麗な見た目。

 

今回はそのまま握ったものと、昆布〆にしたもの、2種類を用意してみました。

旨味は薄いであろうという事は容易に想像がついたので、“昆布〆にして如何に効果があるのか“という検証の意味も込めてみました。

 

まずは素直にそのままつけたものから。

 

わさび醤油でいただきましょう。

 

カレイの生食というと、活魚を締めたばかりのものを薄く造るのが一般的。

しかしこのオヒョウは身が柔らかいので厚切りにしてみました。

 

身のふっくら感は非常に美味しいのですが…

旨味が無さすぎる。

 

淡白オブ淡白な味。もはや味と呼べるのか…?

完全に旨味というものをどこかへ置き忘れてしまっています。

間違いなくこの時期(秋頃)が旬であろうという身質は感じますが、かすかに脂を感じる程度。

やっぱり、そのまま食べてしまうのは勿体ないな。

 

それでは続けて昆布〆の握りを。

 

包んでた昆布を切り、もみじおろしと九条ネギを乗せてみました。

そのままつけたものと比べ、水分が抜け柔らかかった身も程良く引き締まりました。

それでも寿司にはピッタリな柔らかさです。

 

昆布の旨味を吸ったオヒョウは間違いなくうまく、ふわっと広がる軽い味に、もみじおろし・ネギを入れることでメリハリのある一貫に。

まとまりもあり、魚の値段以上の価値はあります。

お刺身で食べられる鮮度のオヒョウがあれば、昆布で締めてお寿司にするというのもアリなのではないでしょうか。

 

オヒョウの煮付け

カレイといえば煮付け!

カレイの仲間最大のオヒョウは果たしてその鉄則に当てはまるのか…

 

もちろんうまい!!

 

砂糖多めで甘口の醤油の煮汁とふわふわの身軽相性抜群!

うまい、うまいぞ!!これぞカレイの煮付けや🤤

肉厚なため切れ込み必須です。奥まで味が染み込んでいなかったので、煮汁を絡めつついただきます。

身離れ良好、本当にふわっふわな軽い食感で、いくらでも箸が伸びてしまいます。

 

魚の煮付けってなんでこんなにもご飯がほしくなる美味しさなのでしょうね。

 

オヒョウのフライ&鰭煎餅

揚げ物を贅沢に2品盛り合わせてみました。

カレイといえば定番のひれ煎餅と、フライはチーズと大葉を入れてみました。

 

とにかくこのフライが非常に美味いんです。

厚みがあるオヒョウの背中側の身をそのままフライ用の大きさにカット。

これを贅沢に揚げてみたので食べ応えがすごい!

 

そして中に入れたチーズがオヒョウの身に絡み、くさみと甘辛いソースが合わさります。

魚にくさみがほぼない為、ソースやチーズの味に素直に色付いてくれますね。

お好みでどんな味付けにも使えそうです。

 

オヒョウは加熱した事で水分が抜け、程よく硬くなります。

 

鰭煎餅には塩こしょうを振り、これを手で摘まんで食べるのがオススメ。

縁側部分の骨もバリバリ食べられます。

何もせず捨ててしまうなら一品、作りたくなってしまう美味さです。一口大にカットしてあんかけの野菜炒めに入れても美味しそうですね。

 

オヒョウのムニエル

続いては洋風に調理するとどうなるのかやってみましょう!

 

塩こしょうを振り水分を抜いてから小麦粉を付けてオリーブオイルで焼き上げます。

仕上げにバジルソースを添えてできあがり!

 

こちらもフライ同様に程よく硬くなり密度が増します。筋肉の塊が大きいので、ステーキのような食べ応えのある白身です。

身がしっかりしているのでフォークを刺しても崩れず、ソースを添えてそれをつけて食べる、そんな楽しみ方が出来ます。

意外にフレンチと相性のいい魚だと思います。

 

 

オヒョウの評価

 

価格   ・・・☆☆

コスパ  ・☆☆☆☆

珍しさ  ・・☆☆☆

味わい  ・・☆☆☆

 

価格

・価格は実は安い魚。珍しいので高値が付きそうではあるが、まとまって獲れること、鮮度落ちが早い事などで基本はキロあたり1000円を下回る事が多い。

 

コスパ

・肉厚でカレイの中でも歩留まりはいいのでは無いだろうか。大型の個体であれば頭部の頬肉なども存分に取れるのではないだろうか。

 

珍しさ

・北海道で水揚げされ、稀に流通に乗ってくる。粘っていれば見かけるチャンスはあると思うが、見たときに買うべき魚であろう。

 

・素材そのものの味で言えば殆ど無味。臭みがなく程よい水分量なので調理はし易く、加熱しても硬くなりすぎない。

 

今回は世界最大のカレイの仲間、オヒョウを捌いてたべてみました。

実際に手に入った個体はオヒョウの中でもかなり小さいもの。

それでも「まだまだ大きくなるんだぞ」という、他のカレイでは見られないような力強さを感じるたくましい筋肉がありました。

同じような環境にいる他のカレイと違いがあるのがまた面白いですよね。

 

最大種というのはやはりロマンがあり、なかなか出回らないというところに魅力があります。

なかなか入手機会の少ない魚ですが、見かけた際はぜひ食べてみて下さい!

 

ライター紹介

副管理人:夢海 未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記

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