安い!うまい!かっこいい!ミギマキ食べてみた
こんにちは!夢海です🐟️
今回は少し前に紹介したタカノハダイの仲間、ミギマキを手に入れたので紹介していきます!
目次
ミギマキの特徴
派手な見た目のタカノハダイよりさらに派手なミギマキ。
派手というよりも毒々しいという言葉が当てはまりそうです。(毒はありません。)
如何にも熱帯魚!といった見た目で、形も特徴的。
今回のミギマキは三重県伊勢産。タカノハダイの仲間3種(タカノハダイ・ユウダチタカノハ・ミギマキ)のうち、最も流通量が少ないとも言われますが、2022年秋にまとまって入荷している場面を何度か見かけました。
ミギマキ含むタカノハダイの仲間は胸鰭を上下逆さまにくっつけてしまったような見た目。
下の方が長く、指のように太くなります。
生きている個体を観察していると、この鰭で体を支えている様子も観察できます。
そしてミギマキはタカノハダイ同様にかなり体の全面に飛び出して来ている背鰭が特徴的。
この背鰭は頑丈な棘条(きょくじょう)で出来ており、刺さるとなかなかに痛いです。
ミギマキは、というよりタカノハダイ科は非常に似ていて見分けが難しいので、ユウダチタカノハを含めて3種類合わせて紹介していきます!
こちらがタカノハダイ。
模様に姿はそっくりです。
しかし尾鰭に注目すると白い水玉模様があり、縞模様はグレーとオレンジ色をしています。
続いてユウダチタカノハ。
タカノハダイと比べ、こちらの方が今回の主役ミギマキに近いのではと思います。
口の周りがオレンジ色でないのが特徴。
最後にミギマキ。ユウダチタカノハに似ていますが、口の周りがお化粧をしたように赤くなっています。そしてやや顔が細く見えます。
このタカノハダイの仲間の身は揃って水分が少なく、上質な白身をしています。
それでいて脂があるものですから、身の様子を見れば人気の高そうな魚にも思えてきます。
しかしこれが残念ながら利用率の低いお魚。
まず安定してまとまって漁獲されない。というのもあまり出回らない理由の一つ。
それでは使い手側もなかなかメニューに組み込めず、特に柔軟な動きがしづらいチェーン店の選択肢に入る事はまずありません。
続いて磯臭い身がどうしても好まれないポイントのひとつ。
海藻を主に食べる魚は餌のにおいが身に移り、これが臭みとして出るものが多いです。
しかしタカノハダイ科の3種は他によく上げられるアイゴやニザダイといった魚に比べ臭みは弱いと感じます。
皮を引くとこの魚が脂の多いものだという事がよく分かると思います。
これが敬遠されているだなんてちょっぴり勿体ない気もします。
2尾は3枚に卸し、1尾は剥製(身は食べます)
そして最後の1尾は背開きにして、贅沢に丸ごと干物にしてみようと思います。
10%の塩水に漬け込み、冷蔵庫で1晩干してみました。
真空パックされて冷凍で売られていそうな干物になりました。表面が硬くなってきたら食べ頃。
実際に海に近い道の駅なんかにありそう。
そういえば沼津港に深海魚の干物を売ってる店があったっけな…。
話が脱線してしまいそうなので、料理パートへ行きましょう!
ミギマキの料理
ミギマキの干物
焼いてる時にパチパチと素晴らしい音色が聞こえてきました。
焼き色もバッチリ!
非常に美味しそうです✨
実際懸念されていた臭味もあまり感じず、脂の香ばしさ、塩気でかき消されていたようにも思えます。
全身に脂が混在しているので、どこを食べてもジューシー。
噛み締めるごとに脂と濃い旨味もギュッと溢れてきます。
今回はたまたま個体が良かったのか、臭みが殆どなかったように思えます。
ミギマキフライ
続いてはフライ。
揚げれば大抵のものは食べられる。というのはあながち間違いではありませんが、磯臭みのある魚は例外。
実は加熱すると逆に香りが強くなってしまう事があります。
しかしこの個体も臭いが殆どなく、箸がどんどん進みました。
揚げるとふわっとふくらみのある身で、卸したフィレの薄さ以上に厚みを感じます。
ホッケやカレイ類のような繊維の入り方で、脂があることなどから味わいもどこか似ています。
ミギマキの和風包み焼き
皮と骨を取り除いた半身をそのままホイル焼きに。
長ネギと共にポン酢や鰹節などで味付けをしたものをコンロで焼き上げました。
口へ入れた時にふわっと香るかつお節に、こんがりと良く焼きあがったミギマキの切り身をポン酢の酸味とネギの甘味が上手いこと調和します。
その中でも甘い旨味を出し存在感が感じられるほどの味の濃い魚。
食べながらも喰らう飯テロです、食欲の永久機関です。
蒸し焼き状態なのでふっくら、旨味と水分が抜け出さず、ジューシーなためご飯のお供にぴったりではないでしょうか。
ミギマキの握り
血合いの薄いイサキのような、色のある非常に綺麗な寿司になりました。
しっとりとコラーゲンと水分がよい塩梅で混じり、やや硬めでコリッとした歯切れの良い食感がありコショウダイを彷彿とさせます。
ほんのりと磯の香りが鼻を駆け抜け、あとを追うようにシャリの甘味が追いつきます。
ネタとシャリの味は別々にやってきますが、それでも合わさった時は味のある美味い一貫。
ミギマキの評価
価格 ・・・・☆
コスパ ・・・☆☆
珍しさ ・・☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・利用率の低い魚。未利用魚と呼ばれるものに分類される類のもの。知名度の低さや見た目の派手さ、そしてまとまって獲れず安定供給の難しい魚のため非常に安価。
コスパ
・体で頭は小さいものの体が細く、内臓も大きいため空洞があるが歩留まりはそこまで悪くない。
珍しさ
・かなり限定的な魚。狙って買えるものではなく、入手はやや困難。見かけたら買いたいところだが、夏場の身が薄いものは臭いが強くあまりおいしくない。美味しいものは冬場が狙い目。
味
・特徴的な磯の香りさえなければ脂があり旨味もある優秀な白身魚。時期によっては香り付けや加熱方法などを考える必要のある魚ではあるが、敬遠されるほどでもないと思う。
という訳で今回は派手なお魚“ミギマキ“を紹介しました。
評価がどうしても低いのが寂しいところ。
確かにハズレの確率が高い魚で、一度経験してしまうと「もう一度食べよう」となかなかなれない気持ちも分かります。
しかしタカノハダイの仲間は、いわゆる磯魚の中でも食べやすい部類だと思うので、見かけた際は一度試して頂きたいです。
副管理人:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで550種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします! Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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