ヘンテコな名前のお洒落者!オシャレコショウダイを食べてみる
皆さんこんにちは!夢海です。
突然ですが、皆さんは"お洒落な"魚はなんだと思いますか?
カラフルな熱帯魚や光沢のない黒い体色の魚など、きっと思い浮かべるものはそれぞれだと思います。
今回は名前がお洒落な魚をご紹介していきます!
目次
オシャレコショウダイの特徴
今回紹介するのはオシャレコショウダイという魚。
いやいや、冗談でしょ!?
そんな名前ですが、これが正真正銘の標準和名になります。
一見グレーで普通の魚の見た目をしています。
しかしアップして見てみましょう。
空色にちょっと高級感が感じられる黄土色の線が見られます。
高級な柄物の絨毯なんかにありそうな見た目です。
(お洒落というよりゴージャスな気がするのは言わないでおきましょう。)
オシャレコショウダイはイサキ科コショウダイ属の魚。よく似たコロダイと同じ仲間かと思えばコロダイ属というものもあり、色合いや見た目では少し遠いコショウダイの方が近いです。
そのため、コショウダイ同様に背鰭のトゲが鋭く、捌くときには要注意なポイントです。
なんどこの棘に手をやられた事か…。
イサキ科の背鰭棘条は鋭いものが多く要注意です。
一方で胸鰭は控えめ。小さいです。
腹腹と臀鰭は同じくらいの大きさ。
どちらにも鋭い棘条があるので卸すときは気をつけましょう。
尾鰭の先まで黄色のまだら模様が散りばめられています。全身オシャレだな!!
背鰭までまだら模様たっぷり。
口の中はオレンジ色。フエフキダイの仲間などでもよく見られます。
産地は鹿児島県坊ノ岬産。目方は1742グラム。キロあたり¥200と、コショウダイの相場の倍の値段が付いています。
しかし調べてみるとどうも味の評価は高い様子。
今回の個体は丸々太っており期待は高まります。
内臓脂肪もバッチシ。
腹を触って固かったのもこれが原因でしょう。いい魚です。
3枚に卸します。
脂がよくのり、エンガワも僅かですが発達しています。
取れた身の重さは809グラム。歩留まり率46%と、コスパのいい魚です。
オシャレコショウダイの料理
オシャレコショウダイの刺身
まずは生で食べてみます。
背中の身を使ったのにも関わらずこの脂。
サシが入りめちゃめちゃ美味そう!
さてと、頂きます。
口に入れるとふわっと磯の香りが広がり、脂の強い甘さが後を追います。
少し噛めばとろけて消えてゆく。脂が強い魚が好きな方はドハマりすると思います。
オシャレコショウダイの握り
お刺身が美味しかったのですぐさま酢飯を用意。握りにしました。
2貫はそのまま、2貫は炙りにして塩レモンで味付け。
生の方は香り豊かで、磯の風味と脂の甘味が混ざり合います。
一方炙りは脂が程良く落ち、豊かな香りに香ばしさが加わって食べやすくなります。
やや筋が硬い魚なので、スライスしたときにどうしても出てしまった筋の強いところを炙りにすると美味しく食べられます。
オシャレコショウダイの塩焼き
定番中の定番、魚の味を知るには単純に焼くのが一番!
脂があるので美味しい筈です。
焼き上がりはよし。身も好みの質感です。
口へ入れると磯魚の香りがやや強めに出ます。
これを臭みと取るか、オシャレコショウダイの魚としての味と取るかは好み次第。
個人的にはもう少し弱い方が食べやすいです。
生よりも感じられる脂は、加熱する事に現れるタイプで白身によく見られます。
生で食べて、「あれ、思ったよりも脂ないな。」という魚は焼くとより美味しく食べられます。
オシャレコショウダイの煮付け
続いても定番の品。というより基本的に定番メニューばかりでややマンネリ気味ですね💦
実は裏側ではメニュー考案も行っており、いつか紹介できるといいなと考えております。
今回は新作は置いておくとして、煮付けを食べましょう。
やはりこちらも磯の風味が強く感じられます。
というよりも皮目にクセがあるのでしょう。
磯臭いのが苦手であれば皮を引けば多少は食べやすくなります。
脂にもこのにおいの元が有るように思える為、完全に消すことは出来なさそうです。
オシャレコショウダイフライ
フライもまたクセは残ります。
一番香りが強く出たかも知れません。
脂も強いため、揚げた上に身からもじゅわりと溢れて来るのでフライ向きの魚ではありません。
フライは脂の薄い小魚を尾付きで揚げるのが一番美味いという持論は今回もまた塗り替えられる事はありませんでした。
オシャレコショウダイの評価
価格 ・☆☆☆☆
コスパ ・・☆☆☆
珍しさ ・☆☆☆☆
味わい ・☆☆☆☆
価格
・コショウダイ類にしてはずば抜けた価格帯。コロダイと混じりでいる可能性も無くはないが、味の良さからもしっかり区別されているのではないか。
コスパ
・コスパは普通~良好。歩留まり率でいうと真鯛よりもよし。
珍しさ
・探したもなかなか見つからない。産地であっても、狙って手に入るものではない。
味
・可もあり不可もある。良し悪しのポイントがはっきりとした魚。調理法・下処理を適切かつ丁寧に行う必要があり、身の質で言えば扱いやすいが味のクセを如何に上手くやるかがポイント。
今回は非常に珍しく変わった名前を持つ魚、オシャレコショウダイを調理してみました。
コショウダイよりも高く、また似た種類がいるにも関わらず区別されて売られている事例を幾つか見てきた為不思議に思っていました。味の評価も風の噂で聞くもどうにも良いらしく、実際に体験してみると納得。
皮目がやや磯臭い様子はコショウダイの特徴でもあり、それでいてコショウダイよりも脂を感じられる。完全に上位互換であることが分かりました。
名前も、味も少しの曲者ですが一度食べてみる価値のある魚だと思います。
本記事は、サテライトライターさんの記事になります。
サテライトライター:夢海
未利用魚の有効活用方を探して、様々な魚種を食べて美味しく食べられる方法を研究しております。今まで400種以上の魚類を食べてきました。変わった魚の食べ方を中心に公開させて頂きます。どうぞよろしくお願いします!
Twitter: @YUMEUMI27 ブログ: 夢海のまったり魚日記
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